TV会見・記者会見

茂木経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

平成25年8月8日(木)
10:43~11:08
於:記者会見室

(冒頭発言)

 

 おはようございます。私から最初に2点御報告申し上げます。

 

【アフリカ出張】
 アフリカ出張の件ですけれども、今年の6月に横浜で開催されましたTICAD5のフォローアップの一環として、明日9日の未明からタンザニア及びケニアに出張する予定です。
 両国は、インフラ事業、そして資源開発がとりわけ旺盛でして、また消費市場の急成長が見込まれ、日本企業の進出が加速しているところです。両国出張中は、政府要人との会談のほか、ビジネスセミナーなどの実施を通じて、日本と両国との関係の強化を図ってまいりたいと考えております。
 なお、これに関連して、ケニアナイロビの国際空港で大規模な火災が発生しまして、一部復旧は進んでいるようですが、関係機関から情報収集をしまして、ケニアの出張日程については、どうするのか調整中であります。

 

【原子力災害対策本部会議】
 二点目は、昨日開催された原子力災害対策本部会議についてですが、本部会議におきまして、川俣町におけます避難指示区域の見直しの決定を行いました。具体的には、これまで計画的避難区域と区域対象外に分かれていた川俣町につきまして、計画的避難区域とされていた山木屋地区を避難指示解除準備区域及び居住制限区域の二区域に見直しを行いました。川俣町の区域の見直しはなるべく早くとの地元の意向も踏まえ、本日午前零時に実施をいたしました。これをもって避難指示区域の見直しは全て完了したわけでして、今後は住民の早期帰還に向けた取り組みを本格化させていきたいと考えております。
 また、原子力災害対策本部におきましては、廃炉を進める上で最も緊急性の高い汚染水対策についても報告をいたしました。汚染水対策は、取り除く、そして汚染物に近づけない、そして汚染水を漏らさない、この三原則に基づき実施をしてまいります。緊急対策と抜本対策に分かれております。緊急対策は大きく三つございまして、一つはトレンチ内の高濃度汚染水の除去、そして二つ目に水ガラスによります汚染エリアの地盤改良、三つ目が山側で地下水バイパスによる水のくみ上げを実施することによって、流入量を減らしていきます。
 そして、今後一、二年かけて実施をしていきます抜本対策も大きく三つあります。一つはサブドレイン、井戸による地下水のくみ上げです。そして二つ目が海側の遮断壁の設置、そして三つ目が陸側の遮断壁の設置と、これによりまして、海への流出を防ぐ。また敷地内に山側から水が入ってくるのを防ぐ、こういった措置をとっていきたいと思っております。
 本日、汚染水処理対策委員会を開催いたしまして、くみ上げた地下水の安全確認の方法や汚染水の海洋流出を防止する観点から、地下水バイパスやサブドレインによってくみ上げた基準値以下の水の海への放出の可能性も含めた今後の進め方等について再度早急に検討し、対策を具体化していきたいと思っております。
 これらの対策の実施に当たりましては、昨日の会議におきまして、安倍総理からも早急に対策を実施するように指示を受けたところでありまして、専門家の知見も活用することはもちろん、規制委員会にも御協力をいただき、地元福島の方々の御理解も得られるよう進めていきたいと考えております。
 私からは以上です。

 

 

(質疑応答)


【汚染水対策】
Q: 二問です。今もちょっとお話ありましたけれども、汚染水対策の問題で国としてもこれから本格的に乗り出すのではないかと思うんですけれども、その点について大臣の考えを。

 

A: 先ほども申し上げましたように、この汚染水対策、廃炉をしっかり進める上で極めて重要な課題だと考えております。
 例えば、今陸側の遮断壁をつくる 、このFSにつきましては、平成25年度の予算、87億円の研究費の一部として既に実施をしているところです。今後事業者任せにするのではなくて、廃炉をしっかりと進める、こういう観点から国としてやるべきことについて検討を進めていきたいと思っております。

 

 

【TPP(日米平行協議)】
Q: もう一問。昨日から、TPP一部米国協議始まりましたけれども、交渉の見通し的なものを大臣の方からお願いします。

 

A: 昨日、午前に主席代表級の会合を行いまして、その後保険につきまして議論が行われました。午後は自動車貿易について議論を行いました。
 本日は保険以外の非関税措置につきまして、専門家、課長レベルで引き続き議論を行う予定です。
 明日9日は再度主席代表級の全体会合、これを行う予定でして、4月の日米協議の合意に基づいて建設的に交渉を進めていきたいと考えております。

 

 

【靖国参拝】
Q: 改めての質問で申しわけないんですけれども、8月15日の靖国神社への参拝について、大臣は参拝されるのかどうかお聞かせいただけますでしょうか。

 

A: 今のところ、その予定はありません。

 

 

【新潟県知事との会談】
Q: 一点、安全審査申請をめぐる新潟県と東京電力の交渉がどうも進んでいない。7月5日以降会えていない。暗礁に乗り上げたような状況だと思うんですが、現状大臣はどう御覧になられているかということと、どのようなことをすればよろしいか、この認識を教えてください。

 

A: 地元、立地自治体はじめ、関係者の理解を得る、これは極めて重要だと思っておりまして、柏崎市、そして刈羽村から了承を得られたのは前進だと考えております。地元理解の増進について、東電には引き続き努力を続けるよう指示をしているところです。
 政府としては、事業者が新規制基準に適合する観点から、安全性の向上に向けて措置を講じた原発について申請を行い、原子力規制委員会による安全性の評価確認がしっかりと、かつ速やかに実施されることは安全確保の観点から望ましいと考えています。その上で安全確認が行われた上で、実際の再稼働に当たっては立地自治体等関係者の理解を得るよう努力していくことが必要であり、東電も丁寧に対応すべき と考えておりますが、国も事業者任せにするのではなくて、しっかりと関係自治体等々に説明をその時点で行っていきたいと考えております。

 

Q: 関連で、今の状況において国が仲介、あるいは新潟県とお話しするような状況ではないということでしょうか。

 

A: 少なくとも知事から面談、面会の御依頼はいただいておりません。

 

 

【ガソリン価格】
Q: 政府の調査でレギュラーガソリンが160円を超える事態になりましたけれども、現在停止しておりますいわゆる暫定税率を160円超えた場合停止するトリガー条項の扱いについてなんですけれども、どうお考えでしょうか。それと、今後のそういった値上げに対する対策等の実施について。

 

A: ガソリン価格、今年の1月から150円台で推移をしてきましたが、今週は160.1円となったわけでして、7月上旬のエジプトの政情不安等を背景とした原油価格の上昇、またこの夏の堅調な需要の状況など、さまざまな要因を背景として上昇していると考えているところです。
 経済産業省といたしましては、石油製品価格や需給状況の監視を行っているところでありまして、全国2,000のサービスステーションへの石油製品価格モニタリング調査等を通じて、都道府県ごとに小売価格を調査するなど、地方の状況についてもきめ細かく把握を続けております。
 引き続き石油製品価格のみならず、国際原油価格や為替相場、さらにはエネルギー需給の動向に関する情報を収集し、事業者や国民生活に与える影響など注視をしていきたいと考えております。
 現時点においてトリガー条項をすぐに適用する予定はございません。

 

 

【地下水放出】
Q: 先ほどお話のありました地下水の海洋放出なんですが、地元の理解がなかなか得られない状況で、こういう今回の事態があると、また、なお難しくなってくるのかなと思うんですが、大臣の方で直接漁業関係者と対話するというような、そんなようなことは今後理解を得る上で必要ではないかと思うんですが、そういう考えはございますでしょうか。

 

A: まずやるべきことは、先ほども申し上げたように地下水の流入量を減らすということですし、同時に汚染水が海へ流出するということを防止していく、こういったしっかりした対策を立てることだと私は思います。その上で我々は建屋内に毎日400トンの地下水が流入すると、このような報告を以前から受けておりました。
 今月に入りまして、400トン以外に600トン地下水の流入がある。全体では1,000トンという形になりまして、それも含めて、今先ほど申し上げたような緊急対策、そしてまた一、二年かけての抜本対策を進めます。
 こういった対策をしっかりと固めた上で地元の理解を得るような努力は行っていきたい。これは誰がやるか。事業者、そしてまた経済産業省含めて検討していきたいと考えております。

 

 

【汚染水対策】
Q: 今の汚染水のお話で国の予算を使うということに対しては、どこまでやるべきなのかと。基本的には事業者がやるべきものだという考え方もあるかと思うんですけれども、そのあたりの線引きというのは、大臣としてどういうふうに考えているのでしょうか。

 

A: いずれにしても汚染水の問題、これは廃炉を進める上で極めて重要な問題だと思っております。昨年まで前政権のもとで汚染水の問題やその対策について検討は行われたのだと思いますけれども、具体的な対策というのはほとんどとられてきませんでした。また東電における対応も不十分であり、現在に至っている。
 こういった中で国が主導して新しい汚染水対策、絶対に漏らさない状況をつくるということを進めたい。このために必要な措置は国としてもとっていきたいと思っております。

 

 

【米国シェールガス輸出】
Q: 今日、アメリカで三点目のシェールガスの輸出承認がおりましたけれども、スピード感として、早い、遅い、何かありますでしょうか。

 

A: 本日の未明ですが、米国のDOEがレイクチャールズのLNGのプロジェクトから非FTA国への輸出の承認をしたということでして、シェールガスの生産拡大によります天然ガスの国内価格が低下している米国から新たにLNGを輸入することは、我が国にとってLNGの安定的な確保と輸入価格の引き下げの両立をする上で極めて有効な方法だと考えております。
 私自身、7月に米国を訪問いたしまして、モニーツ長官に日本企業が参画するプロジェクトの早期輸出承認、これも要請したところでありまして、残りの日本企業が参画しております二つのプロジェクトについても、今後審査が迅速に行われることを期待したいと思っております。

 

 

【電力需給見通し】
Q: もう一点、来週お盆ということなんですけれども、政府の節電要請の期間からは外れるんですが、猛暑が続く予定です。電力の需給は大丈夫でしょうか。

 

A: 今のところ、電力の需給について深刻な事態になっているという報告は受けておりません。ただ、当然この猛暑の中で、それぞれの皆さんが無理のない形で節電に努めていただく、このことは改めて強調したいと思っております。

 

 

【来年度概算要求】
Q: 来年度の予算に汚染水問題で何か予算をとられるお考えというのはございますでしょうか。

 

A: 概算要求、シーリングの基準がようやく決まったわけでして、今後月末に向けて、成長戦略の分野でも、エネルギーの分野でも、そしてまた通商の分野でも、それぞれ重要な予算、これの詰めに入っていきたいと考えております。
 そして、福島の復興の問題、そして廃炉や早期帰還の問題、極めて重要な課題だと考えておりまして、それに必要な予算をしっかりと確保していきたいと思っております。

 

 

【汚染水対策】
Q: 今の関係なんですが、汚染水の関係で、今緊急対策としてトレンチからの水抜きとかということが出されています。
 トレンチの水抜きなんかも出されておりますけれども、これは二年前からわかっていたことで、今になって緊急対策を出さなきゃいけなくなってしまったということについての反省というのも今大臣としては考えていらっしゃるんでしょうか。

 

A: 今の政権に聞いているんですか。

 

Q: はい。

 

A: 二年前はどこが政権だったんですか。

 

Q: じゃ、前政権の中で十分な対応ができなかったということの。

 

A: そのことは先ほど申し上げました。

 

Q: それと、県の協議会の委員などからは、汚染水対策の対応がモグラたたきのようになっているというような批判も出ているんですけれども、今示されている緊急対策と抜本対策等をあわせていけば、汚染水対策については総合的な対策がとれるというふうに考えているということでよろしいんですか

 

A: 自然との戦いの部分もあります。その中で、今考えられる、今の状況を考えたときに、やり得るべき対策については全部盛り込んだと思っております。新たな事態が発生しない、こういったことは言い切れませんが、緊急対策、先ほども申し上げた三つ、それから抜本対策、これも先ほど申し上げた三つ、これで大きな効果を得ることができると思っております。
 そういったことが行われてこなかったのがやはり問題なのです。

 

Q: 汚染水の関連で一点なんですけれども、予算措置以外の部分では、具体的に経済産業省が身を乗り出してやっていく、音頭を取っていくというのは、汚染水処理対策委員会以外では何かしますか。

汚染水処理対策委員会以外の部分で、国として経済産業省として積極的に汚染水対策に乗り出す、音頭を取るという部分は、新たに何かつくったりする、そういう予定はあるんですか。

汚染水対策処理委員会以外で国として、例えば汚染水処理について、どのように今後全面的に支援していくのかというところを聞きたいのですが。

 

A: 汚染水処理対策委員会において、このことをきちんと議論したい。先ほど申し上げたように、その中で必要な対策というのは盛り込んでおります。何か具体的に対策が抜けていて、この部分は違う委員会でやった方が良いというご質問なんでしょうか。具体的に教えてください。

 

Q: わかりました。

 

A: こういう対策が抜けているから、これについてはどこで検討した方が良いのではないかというのであれば、それをおっしゃってください。

 

Q: 大丈夫です。

 

A: 若干数字的なことを申し上げます 。
 今福島第一原発の一号から四号の周辺で先ほど申し上げたように、1日約1,000トンの地下水の流入量があって、このうち約400トンが建屋に流入し、残り600トンが海側に流出していたと考えられております。
 建屋の海側において汚染された地下水が検出された観測坑No.1の付近を通る地下水は1日約100トンと東電のシミュレーションから推計をされておりまして、現在、水ガラスの注入による地盤改良によりまして、汚染水の流出を阻止する予定です。
 加えて、観測坑No.2及びNo.3のエリアは、現状汚染の度合いは、No.1エリアと比べて低いわけですが、No.1同様、1日約100トンずつの地下水が付近を通っていると推計をされておりまして、これらの水も汚染されている可能性がないとはいえない。汚染されている可能性というのは否定できないんだと思います。
 したがって、No.1からNo.3の付近を通る地下水が合計1日300トンあり、この水については汚染の度合いは違うにしましても、汚染されている可能性が否定できないと考えております。
 このうち、観測坑のNo.1周辺は、地盤改良により、海への流出は現状大幅に抑制されていると考えておりますが、今後No.2、No.3の地盤改良及びNo.1からNo.3の水のくみ上げにより、このエリアからの海への流出なくなるようにしていきたいと考えております。

 

Q: 昨日の説明では、300トンの汚染水が流れているというような説明だったようで、東電の側は300トンの汚染水が流れているとは考えていないという、ちょっと説明の仕方に食い違いが出ていたみたいなんですが。

 

A: 私の今の説明が正しいと思います。現状において。

 

Q: それぞれのエリアの汚染の度合いに程度の違いはあるけれども、汚染された可能性のあるものが合計する300トンになるという。

 

A: ただ今、申し上げたことを起こして聞いてみてください。ちゃんと申し上げたつもりです。

 

 

(以 上)