2013年9月20日
平成25年9月20日(金)
11:12~11:27
於:記者会見室
(質疑応答)
【汚染水問題】
Q: 2点お聞きしたいと思います。まず、汚染水の問題なのですけれども、昨日総理が視察をされた中で、東京電力の広瀬社長がタンクの汚染水の浄化について、14年度中に完了ということを発表されたということで、今ALPSがまだ稼働していない中で、厳しい状況だと思うのですけれども、その工程について、大臣はどのように把握されているかということと、国が設置する高性能、高効率な除去設備の運用開始の予定が平成26年度中になっていたと思うのですけれども、それの前倒し等、そのようなご検討、考えていらっしゃるかどうかということについて、教えていただけますでしょうか。
A: 現行のALPS、3台あります。これに加えて、国によります高性能の除去装置の設置、既に予算措置もしております。また、これにつきましては国の責任でつくるということになっておりまして、できるだけ早く設置、稼働したいと思っております。
同時に、東電によりまして、ALPSの増設も行うということでして、これらによりまして、国、東電挙げて、2014年度中の浄化完了に向けて、全力で取り組みたいと考えております。もちろん前倒しできるものは全て前倒しをいたします。
ただ、実際の状況というのは、機材であったりするものですから、どこまで前倒しできるかは、今確定しているわけではありません。
【TPP交渉】
Q: もう1点なのですけれども、TPPについて、今ワシントンで首席交渉官会合が開かれていると思いますが、10月の首脳会談での大筋合意を目指しているという中で、今回の会合で期待されることについて、大臣の所感をお聞かせいただければと思います。
A: 18日から21日の予定で、ワシントンにおきまして首席交渉官会合、開催をされております。その中で残された課題等々についても議論が行われているわけでありまして、その進捗状況も踏まえながら、各国が共有している年内合意に向けて、今後閣僚レベル、交渉官レベルで精力的に交渉を進めてまいりたいと考えております。
【エネルギー基本計画】
Q: 昨日、安倍首相が福島第一原発5、6号機の廃炉を要請されたということなのですけれども、これに伴って、新しいエネルギー基本計画、こちらの方には、この5、6号機の廃炉要請というのはどのように反映されるでしょうか。この第二原発の方はどのような位置づけになるか、お伺いします。
A: エネルギー基本計画、これは総合資源エネルギー調査会において、現在検討を進めているものでありますが、この基本計画の性格から言いまして、個別の炉であったりとか、個別の項目について掲載するということにはならないと考えております。
Q: それも同じかもしれませんが、第二原発の方はどのように位置づけるのかということです。
A: まず、福島第一原発について、事故処理に集中をする、こういう体制を構築することから、廃炉、これを要請したものであります。その他の原発につきましては、今後のエネルギー政策の検討の内容、さらには新規制基準へのそれぞれの炉の対応、また地元のさまざまな御意見等、総合的に勘案しながら、各事業者が判断していくと、こういうものであると考えております。
【TPP交渉】
Q: TPPに関連して、一つお伺いいたします。
農業を初め、関係者の方たち、医療も含めてですが、一番皆さん気をもんでいるのは、内容がわからないという、秘密にしなければならないこともある。この辺も踏まえて、大臣としては、何かそういう人たち、国民にできる限り伝えるというような工夫とか手立て、ほっておくと、とんどんメディアが推測で報道することもあるわけですし、その辺も含めて、何らかのそういう工夫というのをお考えの部分はありますでしょうか。
A: もちろん交渉事ですから、相手との関係でも具体的な内容をお答えできない。また、我が国の国益上、それをつまびらかにしない方が適切である、こういう項目もありますが、関係者に対する説明会等は順次開催をする中で、できるだけの情報開示、同時に理解を得る努力、これまでもしてきているつもりでありますし、今後も続けていきたいと思っております。
【東京電力への追加財政支援】
Q: 昨日の会見の中で、廃炉と汚染水に対する追加的な財政支援については、今のところ検討されてないということをおっしゃっていましたけれども、この廃炉、汚染水のほかの賠償であるとか、除染であるとか、そういったところへの追加的支援というのは、どのようにお考えですか。
A: 昨日、私はそうは申し上げておりません。
私が申し上げたのは、5号機、6号機の廃炉の決定による直接の追加支援は現在は考えていない、こういうことを申し上げました。
【福島第一5、6号機廃炉】
Q: 先ほど大臣は、1から4号機の事故処理に集中するために、5、6号機の廃炉をというふうにおっしゃいましたけれども、事故処理に集中するということでありましたら、冷温停止状態にある5、6号機の対応の優先順位は、そんなに高くないように思えるのですけれども、その点について教えてください。
A: 廃炉の時期と、実際に廃炉をする時期はあると思います。ただ、福島第一原発の5、6号機、これを廃炉と将来的にすることによりまして、例えば5、6号機の近傍の敷地に空きスペースも出てまいります。そこに汚染水のタンクの増設を行ったり、必要な機材を持ち込んだり、そして構造上5、6号機、1から4と全く一緒ではありませんけれども、極めて似た構造を持っております。
1から4号機でさまざまな作業訓練、今の放射能を考えると、できないわけでありますけれども、5、6号機、実機を使えば、作業訓練、こういったスペースも生まれるし、そういった作業訓練も行えるのではないか。こういうことから、この福島第一の1号機から4号機にまず集中できるような体制をつくると同時に、5、6号機を廃炉にすることによって、その加速化に資すると考えております。
Q: 言葉の定義で恐縮なのですけれども、今、大臣がおっしゃった廃炉というのに当たって、5号機、6号機をモックアップですとか、研究棟として転用するということはお認めになるという御主旨だったと思うのですけれども、廃炉といった場合、建物そのものをつぶすことでは、すなわちないという考えでよろしいでしょうか。
A: 廃炉というのは、将来的にはそこから当然放射性物質、そういったものを除去する、こういう作業が伴ってくるものだと考えております。
Q: 建物そのものをつぶすよりも、まず発電設備としての能力というのを一回落すということを優先するということですか。
A: 申し上げているように、さまざまな活用の方法はあると思っております。
最初に申し上げたのが敷地のスペースの問題です。それから、実機を利用した作業訓練の話も申し上げました。どういったものを活用していくかということについては、さまざまな可能性、今後検討してまいりますけれども、これが1号機から4号機の廃炉の加速に資するものだと考えております。
【政労使会議】
Q: 今日、官邸で午後に総理や甘利大臣が参加した政労使の会議が開かれると、それに大臣も出席されるということですけれども、大臣としてこの会議にどう臨みたいかという考えを聞かせてください。
あわせて、これまで安倍政権の中で、いろいろ企業に対する今引き続きやっている強化法ですとか、減税とか、さまざまな措置をやってきて、政治としてはかなりいろいろなメニューは出してきているのかなとも思うのですけれども、そろそろ企業にこの局面になって、今日の賃上げもそうですけれども、期待したいことというのはどのように大臣は考えているか、聞かせてください。
A: 今日の午後の政労使の会議、これは政府、経営者、そして労働者の三者による議論を通じて、日本経済の好循環の道筋をつけてほしい、こういう総理の指示、これを受けて開催するものであります。企業が収益を改善する、それに向けてはさまざまな減税措置を含めて、国としてもこれまでに無い支援策をとってまいりたいと思っております。
ただ、それが賃金の上昇、雇用の拡大、所得の拡大につながり、さらにそれが消費の拡大を生む、そしてそれが企業の追加投資をさらに呼び起こす、こういう好循環をつくっていくということが極めて重要だと思っております。そのための課題が何なのか、また課題解決に向けて政労使、それぞれにやるべきことは何なのか、こういうことについて共通の認識が持てればと考えております。
企業に対する賃上げ等につきましては、安倍政権において、既に経団連であったり、商工会議所、代表の皆さん、さらには個別の機会にも収益の上がった企業は、それがきちんと賃金に反映されるようにと、こういう要請も行ってきているところでありまして、そういったことをさらに議論として深めていきたいと考えております。
【新型携帯端末発売】
Q: ちょっと別件なのですが、今日アップルのiPhoneが発売になったのですが、NTTドコモも新しく販売を始めたということで、こういったスマートフォンの多様性について、大臣はどういうふうにお考えになっているか、お聞かせください。
A: さまざまな新商品、そしてまた新サービスが生れる、これは日本経済にとっても、またそれを利用する方々にとってもよいことだと考えております。そして、今こういった情報通信機器だけではなくて、さまざまな分野で国境を越えた企業間の連携も進んでおります。まさに個々の企業の判断にはなってまいりますけれども、今後ともそういった動きというのは生れてくると考えております。
【東京電力の経営状況】
Q: 東電の話にまた戻ってしまって恐縮なのですけれども、5、6号機の廃炉に関する資金の協力ということは、今考えていらっしゃらないということではあるのですが、一方で東京電力、社債の償還で5,000億、あるいは地銀からの融資の借り換えが800億等々、経営の根幹にかかわるような資金の問題がありますけれども、所管の官庁としまして、今の東電の資金繰りについて、懸念等々はございませんでしょうか。
A: 東電として現在資金繰り等々に困難を来している、このような認識は持っておりません。
(以 上)