2013年3月1日
(冒頭発言)
今朝、官邸で安全保障会議、そして閣議、その後に2020年の東京オリンピック・パラリンピックの招致関係閣僚会議、そして総合科学技術会議、立て続けに会議がございましたので、会見の時間がこの時間になりました。
【総合資源エネルギー調査会総合部会】
私の方から1点、まず御報告をさせていただきます。
エネルギー基本計画を検討する会議の委員と開催日時が決まりましたので、発表させていただきます。
エネルギー政策は、エネルギーの安定供給、エネルギーコストの低減の観点も含め、今後しっかりしたものをつくっていかなければいけないと思っております。このため、エネルギー基本計画の検討の場を、これまでの総合資源エネルギー調査会の総合部会のもとの基本問題委員会から格上げをいたしまして、その親部会であります総合部会そのものにおいて検討を行うことといたしました。
総合部会の委員につきましては、部会長をお願いいたします三村明夫新日鐵住金取締役相談役ほか計15名の皆さん、お手元に配布しておりますメンバーリストのとおりでありますが、エネルギー分野、エネルギー分析、グリーン政策、電力システム、原子力政策、エネルギー安全保障などエネルギー政策の各分野の専門家の方にお願いをしたところであります。
この総合部会の第1回の会議でありますが、3月15日の金曜日、夕刻の18時半から20時半の予定で開催します。私も出席をします。委員の方々から、エネルギー政策に関する忌憚のない御意見を伺いたいと思っております。
取りまとめでありますけれども、この後、もちろんこの総合部会において全体のスケジュールをお決めいただくということになっていきますが、年内をめどに一定の取りまとめをしていただけるとありがたいと思っております。
私からは以上です。
(質疑応答)
【総合資源エネルギー調査会総合部会】
Q: 2点伺います。今のエネ調の話なのですけれども、民主党時代の枠組みは若干迷走の気があったのですけれども、今回、人事も含めて議論のスキームをどういうふうにイメージされているのかというのを教えてください。民主時代は非常にいろいろな先生方が議論を戦わせて終わってしまったというイメージがあるのですけれども、具体的にどういうふうに決めていくのか。
A: まず、これは総合エネルギー調査会に限らず、全体の経産省関連の調査会や審議会、組織の見直しを図っております。基本的には、もう少しシンプルなものにしていきたいと思っております。
そして、本当に必要な会議は強化するなり、そういった体制をとる。そしてまた、ほとんど会議が開かれていないものについては統廃合も含めて考えるということでありまして、できるだけ大きなテーマについては上の組織で検討するということを中心に考えて、今回もそういう決定をさせていただきました。
そして、スキーム的には先ほど申し上げましたように、第1回の会議で委員の皆さんに御議論いただくということですけれども、出口のあたりは年内をめどということで考えたいと思います。
相当多岐にわたるテーマを取り扱っていただくということになってきますけれども、3年くらいの期間を見据えた具体的に解決できる問題と、もう少し中長期の検討課題として残るものも出てくるのではないかと思っております。それはまさに委員の皆さんで第1回の会議以降お話をいただくということと思っております。
【エネルギー基本計画】
Q: 原発比率も、基本的にはエネルギー基本計画に盛り込むという理解でいいでしょうか。
A: そこまで決めておりません。御案内のとおり原発については、既存の原発につきましても、原子力規制委員会が新しい安全基準をこの7月にも作ることになります。そして、その新しい安全基準に基づいて、個々の原子力発電所の安全性を一つ一つチェックをしていくということになるわけであります。それが年内にすべて終わるかといいますと、恐らくそれは年内には終わっていないと思います。その進み具合によって、一定の方向性が見えるのかどうかということは、今の段階では見通せません。
【“ちいさな企業”成長本部】
Q: もう一点だけ、中小政策として“ちいさな企業”成長本部をキックオフしましたけれども、次の次の予算に向けてどういう形でその政策に反映されていくのかを教えてください。
A: 第1回の本部、一昨日、大田区の町工場で開催させていただきました。非常に活発な御意見をいただいたと思っております。全国でこういったことをやっていきたいと思っておりまして、相当の数の議論をしたいと思っております。その中で出てくる問題について、予算措置が必要なもの、税で対応するもの、さらには規制緩和が必要なもの、そしてまた、省庁の対応として申請書類の簡略化等さまざまな問題が出てくると思います。そういった今後の各地域での議論を踏まえてどのようなことを進めていくか。もちろん、今すぐに対応できることは対応すればいいし、予算措置でやることは当然来年のことを考えていきたいと思っています。
【エネルギー政策】
Q: 2点お伺いしたいのですけれども、まず1点目が、この総合部会なのですけれども、基本計画について今、中長期で残るものもあるとおっしゃっていたのですが、自民党で10年かけてベストミックスを考えていくというふうにおっしゃっていて、基本計画はエネルギーの電源構成をどれぐらいの割合にしていくかというのをこれまで書かれてきたと思うのですけれども、こういった自民党で定められている、10年かけて考えていくという方針の中で議論していく難しさと、どこまでどう決めたいかと、今の時点でお考えになっているかというものがもしあれば、1点伺わせてください。
A: まず自民党の公約ですけれども、10年でではなくて、10年以内ということです。
そして、当面3年間、省エネ、そして再生可能エネルギーについて最大限の導入を図るということが書かれてございます。
恐らく、これから省エネ、再生可能エネルギーの問題もあります。それから、高効率の火力、これを相当進めていかなければいけないと思っております。さらには、原発の再稼働がどうなっていくか、安全第一で考えていく、こういう問題があります。
更には、LNG、これの調達をどこからどれくらいの値段でやるかという話が出てきます。そして、若干先になりますけれども、日本周辺でのメタンハイドレートと資源の開発が出てまいります。まだありますが、ざっと言っても、まず調達面でそういったことについて、どういう見極めがつくかという問題が出てきます。
それから、電力システムの改革、これを進めていくということになりますと、恐らく消費の形態、需要の形態が変わってきます。それによってピーク時、さらには全体の需要をどれだけ抑えることができるか、抑制することができるか、そういう全体像を見た上でエネルギーのベストミックスというのは決まってくると思っております。
それが例えばこの総合部会で年内をめどに一定の方向性を出してもらうというときに、どこまでの見極めがつくかということによって、方向性の出し方も変わってくるのではないかと。まさに、そういった具体的な施策や、その進展の仕方がどこまでいくかによって、どこまではっきりした方向を出していただけるかということが決まってくると思います。
【総合資源エネルギー調査会総合部会】
Q: もう一点なのですけれども、今回の15人示されているのですけれども、この人事のポイントというか狙いということと、民主党時代に基本問題委員会があったときに、いわゆる脱原発だと言われていた、たしか3分の1ぐらいを占めるような人事構成になっていたかと思うのですけれども、今回そういった制度は少し変わった様相になっているのかなと思いますので、その狙いについてお願いします。
A: 先ほど申し上げたように、エネルギー政策全体について御議論いただく。お手元の2枚がありますように、エネルギー政策を考えるときに必要な視点や専門性というのはあると思います。そういう観点から15人の委員を選出させていただきました。
その方がそれぞれ、それが例えば原子力についてだけではなくて、再生可能エネルギーについて、もしくは電力システムについて、それぞれのお考えというのはお持ちなのだと思います。重視したのは、まさにそういった個々の問題についてイエスであるとかノーであるということよりも、各分野での専門性であり、そういった専門性を中心にして議論をしていただく中で、総合的な方向性を出していただければと思っております。個々の問題について、白組や紅組ということで議論が分かれるということを期待しているわけではありません。
【電気料金値上げ】
Q: 中長期的な議論は別として、とりあえず電力料金が値上がりしそうな東京電力の管内だけではなくて、ほかの地域でも値上げすることになりそうな雲行きになっていますけれども、足元、例えば1年間とか、そのぐらいのタイムスパンで考えたときに電力料金の上昇が日本経済に対してどういう影響を及ぼすのか、どういうお考えをお持ちですか。
A: 電力料金につきましては、昨日、電力料金の審査専門委員会で査定方針案のたたき台を取りまとめていただきました。その中で、従業員一人当たりの人件費単価、それから今後3年間の原価算定期間中に価格改定がされますLNGの長期契約の考え方を中心に議論が行われたと思っております。
そういった、いわゆるコスト削減努力が最大限行われているかどうか、こういったことを基本に、電気料金、最終的には判断をさせていただきたいと思っておりますけれども、恐らくそのLNGについては、今後の価格の動向も織り込む形が必要だと思っております。
ただ、御案内のとおり、これはエネルギーの価格、為替によっても、そしてまた今後、調達先が変わってくることによっても、国際価格ですから変わってきます。それがどこまで電力料金に跳ね返ってくるかということについては、まさに市況でありますから予断を許すことはできない。その状況については、きちんとフォローしていきたいと思っています。
Q: 関電、九電の電気料金の審査委員会なのですけれども、4月値上げというにはスケジュールがややタイトになってきて、ちょっと4月に間に合うのかとの意見もあるようなのですか、その点の見解があれば教えてください。
A: 恐らく3月6日に専門委員会で取りまとめに向けた議論を行っていただくということになると思います。最終的には、この審査専門委員会の査定方針案を踏まえて、消費者庁との協議を経て、私の方で判断をさせていただきますが、電気事業法上の4月1日からの値上げの実施については、その前、10日間の周知期間が必要ということを考えると、3月21日までに認可をする必要、これが出てまいります。
現時点では、消費者庁との協議の見通しを予断を持って申し上げることはできませんので、4月1日の実施が可能かどうか、今の段階では確定はいたしておりません。
【中小企業金融円滑化法】
Q: 中小企業金融円滑化法が期限切れまで一カ月を切りましたが、経産省として資金繰りや継続強化について、現在の対応状況はいかがでしょうか。
A: 昨日も、それから今週の月曜日も、この点についてははっきり申し上げました。取材していただければ、そのとおりであります。
【韓国での不買運動】
Q: 先日、竹島の日にあわせて、日本政府から政務官を現地の島根県の方に派遣したことに対する抗議の意味合いを含めて、韓国の方では、本日から日本製品の不買運動が始まっているように聞いております。その受け止めをお願いします。
A: 民間団体が日本製品の不買運動を行っていると発表していることについては承知をしております。韓国は、我が国にとりまして基本的価値、そして利益を共有する最も重要な隣国であります。日韓の間には、厳しい問題も確かに存在いたしますが、大局的な観点から、未来志向の日韓関係を構築していくことが日本にとっても韓国にとっても望ましいことだと考えております。
状況については、注視をしているところでありますが、このような動きが日韓の経済関係全体に悪影響を与えないということを期待しております。
【電気料金値上げ】
Q: 先ほどの電気料金の値上げの関係なのですけれども、4月1日への値上げが間に合わないと国への影響というのも懸念されますけれども、そのあたりは消費者庁との協議の間でどの程度重視されるのでしょうか。
A: きちんとした審査をしたいと思っております。スケジュールについては、4月1日という一つの節目はあるわけですけれども、スケジュールありきではなく、きちんとした審査ができ、きちんとした協議ができ、そして納得のいくものが出てきたときに最終的に判断したいと思っております。
(以 上)