2011年11月22日
【冒頭発言】
本日、午前中に政策会議とシャドウ・キャビネットを開催しました。本日の案件は6件。厚生労働省関係で3法案。「国民年金法等の一部改正案」、「特定B型肝炎に関する特別措置法案」、「労働者派遣事業法の改正案」です。これらの法案は与野党間の協議を受けて法案修正がされたものです。
それから、法務省関係で2法案。「刑法の一部改正案」と「薬物使用等の執行猶予に関する法律案」です。
厚生労働省関係の3法案については、シャドウ・キャビネットで了承し、このあとの総務会に諮り、法務省関係の2法案は政策会議から直接、総務会に諮ることになっています。
次に、「東日本大震災復興特別区域法案」についてです。この法案は与野党で修正協議が進んでおり、最終的な詰めを行っているところですが、委員会の審議の関係で、現時点で了承し、このあとの総務会にも諮りたいと思っています。
そして、公務員の給与法に関しても、いま公明党と協議を行っています。人事院勧告の実施、そしてトータルで7.8%の給与引き下げの深堀り、さらに地方公務員への波及、これらを3点セットにした議員立法の提出に向けて、わが党が石田真敏理事、公明党は西理事、実務者の間で調整しています。早ければ今週中にも党内手続きに入りたいと考えています。
最後に、TPPについてです。我々としてはAPEC前の拙速な参加表明には反対であることを決定していますが、野田総理はAPECの場で「参加に向けて関係国と協議に入る」と表明し、この問題が新しい局面に入ったのは間違いないと思います。今後、関係国と協議に入るとすれば様々な情報も手に入るでしょう。我々としては、そういった情報をきちんと提示してもらい、しっかりと見極めていく必要があると考えます。そして、党の外交・経済連携調査会等で、議論を深めていきたいと考えています。
TPPに関してもう2点あります。1つは、枝野大臣の日米会談での手持ち資料の問題です。報道での映像に、「すべての品目が交渉の対象となる」そして、「野田内閣として出発直前に参加を決定した」と明記されたペーパーが映し出されていた件です。枝野大臣は国会審議で、「数種類用意していた資料のうち、たまたまそれが映された」と答弁していましたが、事実はこのペーパー1種類しかなかったということ。そうすると野田総理の発言とも齟齬をきたし、国会で虚偽の答弁をしたということにもなります。これは、官房長官が口頭注意して済む問題ではなく、国会において事実関係を確認し、場合によっては責任を追及していくことにもなると考えています。
もう1点、本日朝8時から、外交部会と外交・経済連携調査会の合同会議を開催して、ペルー及びメキシコとの経済連携協定の更新等について審議しました。そこで、ペルーはTPPに参加予定ですが、マルチのTPPと2国間の条約とではどちらが優越するのかという質問がありました。日米ではFTAは結ばれていないが、米豪ではFTAが結ばれているため、米豪間ではこの関税は残すが、日米間ではFTAがないので、すべて関税ゼロでいくというような、不利な交渉になるのではないかという新たな懸念材料が出てきたわけです。この問題に対して、外務省から明確な答弁が得られなかったため、本日の部会では了承されませんでした。今後、2国間協定とTPPの関係について、政府にしっかりとした説明を求めていかなければなりません。
最後に1点。本日政府で、「国民年金法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。これはいろいろ議論になったいわゆる運用3号、国民年金の第三号被保険者記録の不整合に対処するためのものです。生活に直結する問題ですが、このタイミングでこの法律案を出すということは、成立させる意図が本当にあるのか甚だ疑問ですし、政府自らの不作為を免れようとするアリバイ作りとも思えます。さらに内容をみると、これから5年間にわたって過払いを続け、返還も求めないという内容になっています。率直に言って唖然としました。これまで、真面目に申告し、家計をやりくりをして保険料を納付してきた多くの国民の思いに反するものではないかと思います。まさに、民主党政権の場当たり的な政治手法を如実に顕している今日の閣議決定ではないかと思います。我が党としては、厳しく見直しを求めていきたいと考えています。
【質問】
枝野大臣の件ですが、追及は枝野大臣の責任なのか、それに基づいて虚偽の答弁をした野田総理の責任もあるのでしょうか。
【答え】
まず、事実確認をする必要がある。国会での答弁ですから、国会において事実確認をしていく、その中で枝野大臣と野田総理の発言のどこに事実と異なる答弁があったのかをはっきりとさせた上で、その後の対応について考えていきたいと思います。
【質問】
3次補正が通り、与野党の対決ムードが強まってくると思います。その一つが消費増税の関連法案かと思いますが、野田総理は法案提出前から与野党で真摯な議論をしていきたいと発言されてますが、どのような点が具体的な論点になると考えますか。
【答え】
まず、どのように協議していくかということです。法案の提出前か、法案を提出してから国会論議を通じてか、様々な方法があると思います。ただそれ以前に、政府・与党が成案をまとめる、これがすべての大前提だと考えます。どのタイミングでいくら上げ、最終的にはどうなるか、こういった全体像を示していただくことが重要だと考えます。
加えて、民主党がこれまで4年間増税しないと言ってきたという間違いのない事実があります。平成21年度税制改正の附則104条についても、民主党は反対をしてきました。民主党の前原政策調査会長はテレビの番組で、「附則104条に反対してきたわけではない」と発言したが、議事録を精査したら、衆参の委員会採決において反対の理由として、附則104条をあげていました。明らかに選挙前に言ってきたことと、実際にやっていることが変わってきているわけですから、まず、消費税を上げる前に国民に信を問うべきだというのが我々の基本的な考えです。
【質問】
現在政府で提言型事業仕分けが行われていますが、政調会長の率直な感想、評価をお願いします
【答え】
たとえば原子力政策は、まさにエネルギー政策の基本方針を決める問題であって、無駄の削減という事業仕分けになじむ問題なのか大きな疑問があると思います。私は事業仕分けそのものを続けることを否定するものではありませんが、国、政府で決めるべき政策方針を、事業仕分けの判断に委ねるというのは、政府の責任逃れではないのかと思っています。エネルギー政策や科学技術政策、社会保障政策というものを事業仕分けに委ねるべきではないと考えています。
【質問】
大阪の知事選、市長選ですが、世論調査では大阪維新の会がリードというように出ていますが、会長としてはどのように見ておられますか。
【答え】
今まさに選挙戦が行われているわけですから、この推移はきちんと見守っていかなければなりません。そのような中で、大阪府連としての対応を決め、懸命に頑張っていただいているという認識を持っています。