3月2日本会議(平成17年度予算案採決にあたっての賛成討論)

2005年3月2日

自由民主党の茂木敏充です。

 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております、「平成17年度一般会計予算」、「平成17年度特別会計予算」、「平成17年度政府関係機関予算」、以上3案に対しまして、賛成の討論を行うものであります。

 小泉内閣においては、「改革なくして成長なし」の方針の下、デフレの克服と経済の活性化を目指し、経済・財政の構造改革、さらに、金融、税制、規制の各般の改革を断行する一方、国民の安全と安心の確保に全力で取り組んでおります。

 平成17年度予算の編成に当たっても、このような考え方に沿って、歳出改革路線を堅持・強化しつつ、従来にも増して、予算の重点化と歳出全般にわたる徹底した見直しを行っています。

 以下、賛成する主な理由を申し述べます。

 その第一は財政規律を堅持するとの方針の重視であります。平成17年度末の公債残高見通しが538兆円に達するなど、非常に厳しい我が国の財政状況を踏まえ、平成17年度予算においては、歳出の合理化・効率化を進め、3年ぶりに一般歳出を前年度以下に抑制するとともに、新規国債発行額を4年ぶりに前年度よりも減額しました。その結果、一般会計の基礎的財政収支を昨年度に続き一層改善させるなど、平成17年度予算は、持続可能な財政の構築に向けて大きく一歩を踏み出したものであります。

 賛成の第二の理由は国民生活の観点の重視であります。平成17年度予算においては、歳出を聖域なく厳しく抑制する一方、例えば、治安対策として3,500人の地方警察官の増員、少子化対策の一環として保育所運営費の大幅な増額、若年者の職業意識の醸成、就職支援をはじめとする若年者雇用対策の積極的推進など、国民生活の安全・安心の確保、将来の希望につながる分野には重点的な予算配分がなされております。

 三番目に経済活性化の重点的推進であります。我が国経済は、一部に弱い動きがあるものの、政府の財政出動に頼ることなく、企業収益の改善、設備投資の増加など民需主導の景気回復が図られつつあります。平成17年度予算においては、例えば、我が国経済の発展基盤となる科学技術の振興を図るため、優れた研究開発成果の創出に貢献する競争的研究資金を前年度比30%増額するなど、活力ある経済・社会の実現に向けて重点的な予算配分がなされております。また、中小企業対策についても、中小企業者の連携強化や連携後の事業化を推進するなど中小企業の創業への支援を前年度比39%増額しております。さらに、地方の自主性、裁量の向上と地域再生の観点から「地域再生交付金」を創設するなど、地域経済の活性化にも十分な配慮を行っております。

 賛成の最後の理由は国際貢献の観点からです。先のスマトラ沖地震及びインド洋津波被害に対する我が国の緊急支援はアジアの被災国から高く評価されているところです。平成17年度予算においては、「世界の中の日本」として戦略的・効率的な国際支援の実施を図るため必要な予算を確保しつつ、感染症対策や水資源・環境対策に対する無償援助といった「人間の安全保障」の推進等に、ODAの重点化が図られております。

 このように経済分野、外交分野ともに優先順位の明確な、メリハリのきいた予算となっております。

 以上、本予算に賛成する主な理由を申し述べました。今からちょうど70年前の昭和10年、当時の高橋是清蔵相は、「予算も国民の所得に応じたものを作らねばならぬ。財政上の信用というものは無形のものである。その信用維持が最大の急務である。」と述べました。我が国財政の危機的な状況に鑑みれば、国民の信に耐え得る財政構造を築いていくことは不可欠です。

 平成17年度予算は、財政規律堅持の姿勢を明確にするとともに、我が国の今後の発展、経済・社会構造の改革、国民生活の安全・安心の確保に向けて極めて重要なものであり、ここに賛成の意を表するものであります。また、予算委員会では内政から外交、経済から教育、社会保障まで幅広い審議が行われ、実に100時間もの十分な審議時間を確保したところであります。

 予算の1日も早い成立を期しつつ、私の賛成討論といたします。

自民党幹事長 衆議院議員茂木としみつ

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