2021年2月3日
今晩、3年ぶりとなる第4回日英外務・防衛閣僚会合(「2+2」)をテレビ会議形式で行いました。ラーブ外相とは、画面越しではありましたが、昨年8月の訪英以来、約半年振りにお会いすることができました。岸防衛大臣及びウォレス国防相と共に、幅広い分野での更なる協力に向け、突っ込んだ議論を行いました。
まずは、日英両国が「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて協力を更に進展させていくことを確認し、本年のG7議長国及びCOP26議長国である英国と、安全保障・防衛協力を始めとする幅広い分野で協力を深化し、ポストコロナの新たな秩序・ルール作りに向けた国際的な取組を共に主導していくことで一致しました。また、経済的手段によるものを含む地域の他者に対する威圧の試みに反対するとのコミットメントを確認しました。英国は本年中に空母「クイーン・エリザベス」を含む空母打撃群を東アジアを含む地域に展開させると発表しています。今日の会合では、空母打撃群の展開を英国のインド太平洋地域への更なるコミットメントを示すものとして歓迎し、この機会に、共同訓練の実施等に向けて調整していくことで一致しました。さらに、海上安全保障等の分野での途上国の能力構築支援や北朝鮮関連船舶による違法な「瀬取り」に対する警戒監視活動、次期戦闘機システム等の防衛装備・技術協力等について意見交換しました。また、サイバーセキュリティを含む経済安全保障の課題、新型コロナの世界的感染拡大や気候変動といった人間の安全保障上の課題への対応についても意見交換し、感染症対策ではワクチンの公平なアクセスを促進することで一致しました。
地域情勢についても日英の今後の更なる協力強化を確認しました。東シナ海・南シナ海情勢への深刻な懸念を共有した上で、力を背景とした一方的な現状変更の試みに強く反対し、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の重要性を確認しました。そして、全ての海洋権益に関する主張は国連海洋法条約の関連規定に基づかなければならないことを強調しました。こうした観点から、中国海警法についても四大臣の間で意見交換を行い、我が国としての強い懸念を共有しました。この他、香港情勢・新疆ウイグル自治区の人権状況についても議論し、重大な懸念を共有しました。また、北朝鮮の全ての大量破壊兵器及び弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ不可逆的な廃棄に向け、国際社会が一体となって対応する必要があることを確認し、そのために安保理決議の完全な履行が不可欠であることを改めて確認しました。さらに、拉致問題の早期解決に向け、引き続き緊密に協力することで一致しました。
基本的価値を共有するグローバルな戦略的パートナーである英国との間で、連携・協力を一層強化していく考えです。