2021年3月10日
ザリーフ・イラン外相と電話会談を行いました。ザリーフ外相とは6度目の会談です。
会談では、イラン核合意等を巡る最新の情勢を踏まえつつ、率直な意見交換を行いました。私から、日本として米国との同盟関係やイランとの伝統的な友好関係を活かし、積極的な外交努力を継続していく旨述べました。
これに対し、ザリーフ外相から、日本の外交努力を高く評価する、引き続き連携していきたい旨発言がありました。
また、私から、米国のバイデン政権が、イランと協議を行う姿勢を示していることは、中東地域の緊張緩和に向けた大きな機会であり、イランにおいても建設的な対応を行うよう求めました。
さらに、イランによる追加議定書に基づくIAEAによる査察の停止を含む措置を強く懸念している旨を伝えるとともに、核合意を遵守し、IAEAと完全に協力するよう求めました。
ザリーフ外相からは、イラン政府の立場について説明があり、引き続き緊密な意見交換を継続していくことで一致しました。
中東地域の情勢についても意見交換を行い、私から、イランが影響力を有する勢力を含め自制するとともに、イエメンにおける停戦と和平の実現に向け、建設的な対応を求めました。
日本関係船舶の安全確保のための自衛隊による情報収集活動についても改めて説明しました。さらに、二国間関係についても意見交換を行い、先般決定したイランに対する医療、環境分野等における支援等について説明しました。
ザリーフ外相からは、日本の支援への謝意表明があり、引き続き二国間関係の強化に向けて協力していくことで一致しました。
原油輸入の約9割以上を中東地域に依存する我が国にとって、中東地域の平和と安定は極めて重要です。米国と同盟関係にあり、同時に中東各国と良好な関係を築いている日本の立場を活かし、引き続き中東の緊張緩和と情勢の安定化に向け、積極的な外交努力を継続していきます。