公開討論会 (佐野・足利・栃木の3青年会議所共催:衆議院選挙栃木5区の立候補予定者を招いた公開討論会 於:佐野市文化会館)
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公開討論会 (佐野・足利・栃木の3青年会議所共催:衆議院選挙栃木5区の立候補予定者を招いた公開討論会 於:佐野市文化会館)
2009年8月31日
公開討論会が佐野・足利・栃木の3青年会議所共催で、佐野市文化会館で開かれました。
以下、私の主な発言内容を紹介させて頂きます。
1)自己紹介
- まず、公開討論会を開催して頂いた、佐野青年会議所はじめ関係の皆様に感謝。
- 実は、17年前、私の初出馬の時にも、JCの主催で公開討論会を開催して頂いた。当時はまだ全国でもこういった公開討論会はほとんどなく、その先駆け。それが今では全国レベルで開催されることとなり、私の地元からこういった動きが全国に広がったことを誇りに思う。
- 衆議院議員としてこの夏で17年目を迎える。私は、国家経営の基本は、(1)外交・防衛(2)経済・財政(3)医療・介護・年金などの社会保障の大きく3つだと思う。
- これに沿って国会議員茂木敏充のこれまでの主な活動を紹介すれば、外交分野では外務副大臣としてイラク戦争前後のバグダッドも日本を代表して訪問した。また、2つ目の経済の分野では、IT・科学技術担当大臣、金融・行政改革担当大臣として、2度にわたる大臣も務めさせて頂いた。また、3つ目の社会保障の分野では、昨年の夏まで厚生労働委員長を務め、行政側のトップ舛添厚生労働大臣と二人三脚で医療・介護や年金記録問題の解決に取り組んできた。
- 「ようやく見えてきた明るい兆しを確かな ものにする」。国においてはこれは、一日も早い景気の回復であり、地元においては2年後に迫った北関東自動車道の全線開通をしっかりと進めていくということ。
2)重要政策について
- 国レベルでは重点政策3つ、また、地元においては2つの大きな課題に取り組んでいきたいと思います。
1.重点政策
(1)景気対策
- まず、一日も早い景気の回復に取り組みます。これは、私が党の日本経済再生戦略会議の幹事長として取りまとめた、まさに日本経済再生のプランであり、今後、日本は省エネ・環境技術立国を目指します。
- これにより、来年の後半には成長率を2%台に乗せ、今後3年で40~60兆円の需要創出、200万人の雇用創出を図っていきます。
(2)安心社会の実現
- 高齢者向けの医療や介護など社会保障の充実と同時にこれからは、若年層の雇用を軸とした生活保障が大切です。
- このため、今後3年間で百万人の職業訓練を行い、訓練期間中の生活支援も実施していきます。同時に子育て支援のため幼児教育、幼稚園・保育園の無償化を3年以内に実現します。
(3)地方分権・行政改革の推進
- 昨年は行政改革の担当大臣を務めました。その経験も活かし今後は、国の出先機関の廃止、補助金・税配分の見直しなど思い切った地方分権を進めます。
- もちろん、天下りの全面禁止や中央省庁の無駄の徹底的排除も断行します。そして、近い将来新しい国の形として道州制を目指します。
2.地元の課題
(1)北関東自動車道の2年以内の全線開通
- 田沼ICまでは来年ゴールデンウィーク前の開通。全線開通も2年後
- 今後は佐野出流原地区、足利西部地区への新たなインターチェンジ開設にも取り組みます。
(2)下都賀総合病院の早急な建て替え
- 老朽化が進む下都賀総合病院については、地元からも早期建て替えの強い要望を受けている。
- 私がプランの原案作成者となった「地域医療圏再生のための基金」3100億円を活用して、下都賀総合病院の早期建て替えをはじめ県南・両毛医療圏での中核病院の施設整備や、医師不足対策に全力で取り組んでいきたい。
3)討論形式質問
(1)これまでの政治の検証と将来の国家像(ビジョン)について
- これまでの問題のひとつは少子高齢化が大きく進む中で、負担とサービス提供のバランスの議論が十分行われてこなかったこと。もうひとつは地方分権を進めるといいながら、その先にある新しい国のカタチが明確に示されなかったこと。
- 今後の日本は今の中福祉・低負担から、中福祉・中負担に向かうべき。そして、自助・共助・公助のバランスが大切。これに対し、多くの野党は目先のばらまきが目立ち、高福祉・低負担、これでは国が破綻してしまう。何から何までタダにすると言う大きな政府志向は間違いだと思う。
- もう一つ、新しい国のカタチとして、目指すべきは道州制。道州制の元では、中央政府は外交・安保・国家財政など本当に国が担う役割に集中し、道州レベルでインフラの整備、産業政策、医療などを担い、基礎自治体がまちづくりや福祉を担当するという明確な役割分担が生まれる。
- [野党への質問]
野党のマニフェストではこの国家経営の基本に関わる負担と給付のバランスや新しい国のカタチが示されていないが、この点もう少し 明確に説明して欲しい。
(2) 日本経済の景気回復政策について
- まず、緊急の課題として当面の雇用対策と中小企業の資金繰りなど、金融対策に取り組む必要がある。
- 雇用対策については、雇用維持のための雇用調整助成金を6000億円拡大し、毎月200万人以上の雇用を確保している。また、金融面では信用保証枠を20兆円から30兆円に拡大し、中小企業の資金繰りを支えている。
- 新たな成長戦略としては、先ほどもお話した省エネ・環境技術立国を目指す。現在、エコカーの補助や省エネ家電へのエコポイントの効果が徐々にあらわれつつあるが、今後はこれを全ての産業に広げていくことが大切。
- 実は、日本のエネルギー効率は欧米の2倍、中国の9倍、ロシアの17倍で世界トップ。90年代にIT革命によって米国が情報通信産業 だけではなく、流通や金融など経済全体を再生したように低炭素革命により日本経済を再生していくというのが今後の一番の目標。
- [野党への質問]
野党の皆さんは高速料金の無料化や消費税をゼロにするなど、個別の対策はあっても全体の経済成長戦略というのが見当たらない。もし、明確な経済成長戦略や将来ビジョンがあったらぜひ示してほしい。
(3) 社会保障政策(財源含む)
- 社会保障政策には大きく3つの柱がある。
- 第一に、地域医療の再生。このためには、2次医療圏単位で(人口30万人)医療機関の施設整備、医師派遣機能の強化や病院間のネットワーク化を進めていく必要がある。地元の課題として、下都賀総合病院の早期建て替えの話もしたが、今後3年の必要予算3100億円はすでに基金として確保してある。
- 2つ目は介護分野への重点的取り組み。今後3年間で入所待機者の解消に向けて16万人分の介護拠点を整備していく。同時に、介護人材の処遇改善を通じて介護人材30万人を確保・育成していく。必要な予算は3年分で8400億円でこのための基金も今年創設した。
- 3番目に子育て支援の充実。すでに述べた幼児教育(幼稚園・保育園)の無償化と同時に、高校生、大学生への新たな給付型奨学金も創設していく。幼児教育(幼稚園・保育園)の無償化に必要な財源は年7900億円。
- [野党への質問]
野党のマニフェストを見ると、押し並べて財源があいまい。
例えば、民主党は子ども手当2万6千円と言うが、これだけで5.6兆円の財政支出。高速料金無料化で2.1兆円、さらに高校もタダ。何もかにもタダと言うのはいいが、財政支出が全部で毎年16.8兆円かかる。とてもこんな財源は捻出できないから結局、借金、赤字国債の増発ということになり、結果として国債の暴落、金利の急上昇、景気の悪化につながってしまう。子供たちに残るのは手当ではなく、膨大な借金。次の世代への責任を野党の皆さんはどう考えるのか。
4)○×形式質問
- 将来の担い手を増やすための少子化対策を優先して行うべきだ。→ ○
- 国会議員の定数は多いので、定数を減らすべきだ。→ ○
- 消費税率を上げなければ財源が不足する。→ ○
- 行財政改革をもっと進め、スモールガバメントにしなければ日本は倒産する。→ ○
- 食の安全安心を確保しつつ、食料自給率をあげる具体的施策がある。→ ○
- 環境問題について、日本は世界をリードする役割がある。→ ○
- 憲法改正に賛成だ。→ ○
- 日本は日米同盟以外に新たな国防策を持つべきだ。→ ○×
(ハード面ではわが国の自衛隊あり。ソフト面では良好な国際関係がわが国と周辺地域の平和維持につながる)
- 子どもは国の宝である。教育のあり方を見直す必要がある。→ ○
- 公開討論会は有意義な機会なので、次回も参加する。→ ○
5)最終アピール
- 省エネ・環境技術立国、中福祉・中負担の社会、新しい国の形としての道州制など、いくつかの将来ビジョンをお話ししてきた。
- まさに、これが私のお話したい「次の日本へ」というテーマ。ビジョン実現には国民の皆さんの考え、意見をしっかり聞き、ビジョンについての共通認識を作っていく必要がある。そんな意味で「原点からのスタート」という方針を掲げさせて頂いた。
- 最後にこの討論会を開催して頂いた、JCはじめ関係者の皆様そして最後まで熱心にお話を聞いて頂いた会場の皆様に心から感謝申し上げます。