新年明けましておめでとうございます。皆様には清々しい新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年10月の内閣改造で経済財政政策担当大臣に再任され、さらに今回は、「全世代型社会保障改革」という新設の大臣ポストも務めることになりました。
この1年間、私の担当する分野では、幼児教育・高等教育の無償化を一気に進め、成長戦略でも、人工知能、ビッグデータ、車の自動走行など第4次産業革命の社会実装を大きく前進させる重点プログラムを決定しました。また、環太平洋経済連携協定・TPPについては、昨年3月に南米チリに出張し、署名式を行い、年末の12月30日には発効することが出来ました。また、9月には私が日米通商交渉の担当大臣として「日米物品貿易協定」の交渉を開始することで合意しました。このように、内政・外交両面で大きな成果を出せた1年だったと振り返っています。
こうした成果の上に、今年は、日本経済が直面する大きな課題、3つの壁に全力で取り組む一年にしたいと思います。
まず一つ目の壁は、急速に進む少子高齢化です。教育無償化やリカレント教育の充実で質の高い人材を育成するとともに、健康長寿に向けた取り組みを進める。さらに、「人生100年時代」に対応し、これまでの雇用制度や社会保障制度全体を見直し、誰もがいくつになっても、安心し、活躍できる「全世代型社会保障」へと改革していきます。
二つ目は、経済成長と財政健全化の両立です。10月1日には消費税率の引上げを予定しています。これは、財政の健全化だけでなく、教育無償化や社会保障の充実・安定化に不可欠なものですが、引上げに伴って景気の回復力が弱まってしまうことがないよう、駆け込み需要と反動減の平準化や、家計、中小・小規模事業者への支援など、あらゆる施策を総動員して対応したいと思います。
三つめの壁は、保護主義と通商問題です。今、世界で保護主義の動きが広がり、米中対立など深刻な通商問題が起こっています。TPPの拡大や日米通商協議などを通じ、日本が主導して、自由貿易システムを守っていかなければなりません。
さらに今年は、4月に統一地方選挙、7月に参議院議員選挙と、12年に一度、大型選挙が重なる選挙イヤーです。それぞれの選挙での必勝と政権基盤の安定、強化に向け、全力で臨んでまいります。
今年の干支はイノシシ。十二支の最後、締めくくりの年となります。猪を表す干支の漢字「亥」は「とじる」という意味で、生物が枯れ、新たな生命力が種子の中に宿る様子を表しています。まさに平成という時代が終わり、新しい年号となるこの年を、新しい時代、新たな飛躍に向けてスタートする一年にしたいと思っています。
2019年1月1日掲載