2014年4月8日
平成26年4月8日(火)
9:13~9:25
於:記者会見室
(冒頭発言)
【日豪EPA交渉】
昨日も夜発表させていただきましたが、昨日の日豪首脳会談におきまして、2007年より交渉を重ねてきました日豪のEPA交渉大筋合意に至ったこと、高く評価をしたいと思います。
本協定によりまして、我が国からオーストラリアへの輸出額の3割未満であった無税品目の割合、発効時に直ちに8割を超える水準になります。また、我が国からの輸出の約半分を占めます自動車分野においては、格段の市場アクセスの改善が実現することになります。
具体的に申し上げますと、オーストラリア向けの完成車輸出額の75%が即時に関税撤廃をされ、中でも主力の1,500cc超、3,000cc以下のガソリン車全て即時撤廃ということであります。また、残る完成車も3年目には関税が撤廃されるほか、自動車部品も即時を含め主に3年目にまで撤廃をされるということでありまして、業界としても今回の合意を非常に歓迎していると聞いているところであります。
今回の大筋合意がTPPなど、ほかの多国間のEPA交渉を進める上でも大きな弾みとなることを期待したいと思っております。
私から以上です。
(質疑応答)
【消費税率引上げ】
Q: 消費税の増税から1週間を迎えましたけれども、この反動減など、足下の経済状況に対する認識と転嫁対策の現状について教えてください。
A: 消費税の増税からまだ1週間ということで具体的な状況の把握を完全にするのには早いかなとの思いもありますが、例えば家電の量販店におきましては、白物家電、2割程度の低下、自動車も同じような状況でありまして、いずれも業界としての想定内ということであります。
逆にパソコンは需要が伸びている。百貨店は、駆け込み需要の反動減が発生しているが想定の範囲内、コンビニ等におきましては、税率引き上げ前後で特段変化は見られない。こういった形でありまして、おおむね想定を超える反動減は少なくとも生じていないと聞いております。
足下の4~6月期を中心とします消費税引上げによる反動減の影響をできる限り緩和して、成長軌道に早期に復帰させることが極めて重要だと考えております。そのために、補正予算、そして平成26年度の本予算、速やかな執行を図ってまいりたいと考えております。
また、中小企業、小規模事業者にとりまして、転嫁対策は極めて重要になるところでありまして、既に474名の転嫁対策調査官を初め、転嫁対策違反行為の監視、取り締まりに取り組んでいるところでありますが、4月1日以降、相談件数、立ち入り検査件数に大きな変化は見られないところでありますけれども、引き続き厳正な対処してまいりたいと考えております。
【日豪EPA交渉】
Q: 日豪EPA交渉ですけれども、この妥結がなかなか進んでいないと言われるTPP交渉に対してどのような影響を与えるのか、その点について大臣の御所見を伺います。
A: 先ほど申し上げました。
【地下水バイパス】
Q: 昨日、全漁連が地下水バイパスについてなのですけれども、容認の方針を示しました。これから具体的な手順ですとか、地下水のモニタリングに入っていくと思うのですが、1カ月程度と掛かるというお話でしたけれども、具体的にはどれぐらいの時期の運用開始を考えていらっしゃるのかということが1点と、排水の際には適宜国の職員が立ち会われるということでしたが、どれぐらいの頻度と考えていらっしゃるのか、地元では常時の立ち会いを求める声もありますが、そこについてどう思われるのかということをお願いします。
A: 地下水のバイパスにつきまして、昨日全漁連、また地元、福島、宮城、そして茨城の漁連の代表の方にお越しをいただきまして、御要望いただくとともに、意見交換をさせていただいたところであります。汚染水対策、これを進めるために、苦渋の決断をしていただいた全漁連や地元の漁連の皆様方には心から敬意を表したいと思っております。また、昨日いただいた要望書につきましては、文書で誠意のある回答をしたいと思っております。
地下水バイパスの稼働の時期でありますけれども、まずは試験的な地下水のくみ上げを行って、運転手順を確認するとともに、水質の詳細分析を行うことが必要だと考えております。これらの作業を終えて、最初に放出するまでには約1カ月程度掛かると見込んでおりまして、試験的な地下水のくみ上げについては、近々取り掛かりたいと思っております。
約1カ月程度ということでありまして、何月何日ということを今日時点では申し上げられませんが、そのくらいのスパンで安全な形で、そしてしっかりモニタリングができる形で放出にかかれればと思っております。
また、水質の確認、これは東電だけではなくて、第三者機関等も入れて、しっかりした確認を行い、その作業等につきましては、国としても適時立ち会ってまいりたいと考えております。常時水質の確認の問題、それから排出の仕方ということで、適切な形のチェック体制をとれるようにしたいと思っております。
【TPP交渉】
Q: アメリカのUSTRのフロマン代表もUSTR側の発言によりますと、今週来日されるようですけれども、日米首脳会談を控えて、日米もかなり重要になってくるかと思いますが、直接的には関係ないのかもしれませんが、日豪EPAを踏まえた状況で、アメリカを迎えるに当たって、具体的に何かアメリカに対してどういう形で交渉を訴えていきたいというのをお聞かせいただけますでしょうか。
A: 昨日から東京で日米間の市場アクセス交渉の並行交渉、開始をされたわけであります。事務レベルの交渉を踏まえまして、明日にも甘利大臣とフロマン代表によります閣僚級の折衝が行われる予定だと聞いております。
日豪の間では、お互いが守るところは守りつつ、譲るところは譲る、こういった形で一つの大きな成果が上がったところでありまして、当然日本とアメリカの間もお互いにセンシティビティがあるわけでありますけれども、さまざまな協議を通じて、その間合いは随分詰まってきているのではないかと、一層の交渉を通じて、早期の妥結に向けた道筋が明らかになるようにできればと思っております。
【みんなの党】
Q: 昨日、他党のことで恐縮ですが、みんなの党の代表だった渡辺氏が代表を辞任されたわけですけれども、大臣として何か所感があればお聞かせいただけないでしょうか。
A: みんなの党の党内、更には党外からの声に押された形で、渡辺氏が代表を辞任されたということでありますけれども、これまでの疑惑として取り沙汰されてきた8億円の借入問題について、今回の辞任をもって国民の不信が払拭されたということにはならないのだと思っております。渡辺氏は党の代表は辞したわけでありますけれども、政治家として資金の受入れの理由であったり、それから詳しい使途について、きちんと説明責任を果たすことが求められていると考えております。
Q: 関連なのですが、安倍政権としてみんなの党は責任政党として期待していたかと思うのですが、その政党がつまずいたことについて、政権に与える影響というのはどのようにお考えでしょうか。
A: 責任政党という言葉は一度も使った覚えはありません。責任野党という形で考えたいと思います。
(以 上)