2013年10月8日
平成25年10月8日(火)
10:55~11:10
於:記者会見室
(冒頭発言)
【インドネシア出張】
私から最初に、現地でも御報告をいたしましたが、インドネシアの出張について御報告を申し上げます。
先週の金曜日、4日から日曜、6日にかけて、インドネシアで開催をされましたAPECの閣僚会議、そして日・インドネシア経済合同フォーラムに出席をいたしました。また、その機会に米国やインドネシア、オーストラリアなどの経済貿易担当大臣とのバイ会談も行ったところです。
APECの閣僚会議では、WTOやボゴール目標の達成、持続可能な成長などについて議論を行ったところです。
その中で、WTOについては、MC9の成功に向け、貿易の円滑化、農業、開発のバリパッケージ、この交渉の加速、そして日本が主張しておりますITA拡大交渉のMC9までの妥結の議論を行ったところです。
また、ボゴール目標の達成については、FTAAPの実現におけるAPECの役割の重要性を指摘し、持続可能な成長に関しては、女性の活躍推進や中小企業の海外展開支援の取り組み、環境分野の投資を促進する2国間クレジット制度、日本はインドネシアとベトナムと結んでおりますが、などについて、共有をしたところです。
更に域内でのインフラ開発・投資に関連して、我が国が提案したライフサイクルコストや環境性能、安全性の重視などを内容とする「インフラ整備3原則」の重要性というものが確認をされました。
また、日・インドネシア経済合同フォーラムでは、日本側から米倉経団連会長を始めとする日本の経済界の代表も出席して、両国の経済情勢やインフラ整備等、幅広い2国間の経済協力について議論をするとともに、我が国からインドネシアへの今後の投資拡大に向けて、ビジネス環境の整備や自動車関税問題等の課題の解決に早急に取り組んでいくことで合意をいたしました。先方からもこれらの点について、極めて前向きな回答があったと、そのように思っております。
なお、APECの閣僚会議でありますが、5日、土曜日の朝の7時半、ブレックファーストミーティングから正式にはスタートしたわけでありますけれども、ブレックファーストミーティングの席順がアルファベット順でありまして、Jの隣がKということで、私の隣が韓国のユン産業通商資源部長官ということで、2人の間で朝食を挟みながら、2国間の経済関係などについて意見交換も行ったところです。
立ち話ではありません。座って食事をしながらです。
私からは以上です。
(質疑応答)
【賃上げへの働きかけ】
Q: 消費税の引き上げに伴って、5兆円の経済対策が決まりまして、政府の側でかなり財政支出を打ち出すのだというメッセージが出ていると思うのですけれども、安倍総理などは、企業の賃上げが今後の経済の好循環をつくる上で大事だというふうにおっしゃっていると思うのですが、産業界を所管する経産大臣として、何か経済界に働きかけなどをお考えになっているか、お聞かせください。
A: アベノミクスによりまして、日本経済に明らかに回復の兆しが見え始めております。この動きを確実なものとして、企業が収益を改善させ、それが賃金の上昇と雇用の拡大につながり、それで消費が拡大し、更なる投資を呼ぶという経済の好循環を実現させていくことが何より重要だと考えております。
このため、経済界と経済の好循環を実現するために力を合わせていくということ、その重要性について認識を共有することが大切であり、経済界に対しては、賃上げに向けた要請もしっかりと行っていきたいと考えております。
これに関連して、明後日、10日の木曜日になりますが、米倉会長を初めとする経団連の代表十数名の方と私の間で懇談会を開催する予定です。
【TPP交渉】
Q: 2点目はTPPなのですけれども、今日首脳会議が開かれて、オバマ大統領は欠席するということなのですが、年内妥結という目標にどんな影響があるのか、大臣の御所見を伺いたいのですが。
A: TPPの閣僚会合においても、年内妥結に向け、引き続き精力的にやっていこうという意思が確認をされたと報告を受けております。
恐らく首脳会議はこれからでありますから、どうなるかわかりませんが、同じように各国首脳間でそういった認識の共有が図られるのではないかと思っています。各国が目標としていることでありますから、それに向けて困難な分野も含めて、交渉を加速していくことが必要だと考えております。
【韓国ユン大臣との意見交換】
Q: 先ほどの韓国のユン大臣と意見交換、もう少しどんな分野について、経済環境ということだったのですが、もう少し具体的にどんなお話を。
A: 2国間の経済関係、これは非常に深い経済関係でありますから、それを一層促進していくことが重要だというお話をさせていただきました。朝食会の非公式な話し合いでありますから、それ以上につきましては、内容は差し控えたいと思っております。
【ITS世界会議】
Q: 来週、東京でITSの世界会議というのがあります。車の交通システムとか、話し合うと思うのですが、これに向けて日本のメーカー各社が自動運転の技術を発表してきていますけれども、自動運転というと成長戦略にも入っている今後の期待される技術なのですが、この大会に向けて、あるいは自動運転の技術について、大臣の考えを聞かせてください。
A: ITS、インテリジェントトランスポートシステムズでありますが、政府としてもこの自動走行の実現、これは一つには交通事故の削減にもつながっていく。更に渋滞の解消、緩和、更にはドライバーの負担の軽減、そして高齢者等の移動支援などにつながるものと期待をいたしております。
そこで、本年6月に閣議決定をされました日本再興戦略においても、自動走行技術の開発、環境整備について、関係省庁が連携して取り組むこととされているわけでありまして、今月の14日から東京で開催されますこのITSの世界会議、これは世界の産学官の関係者が一堂に会する貴重な機会でありまして、自動走行を初めとするITSについて、活発な議論が行われることを期待いたしております。
【賃上げへの働きかけ】
Q: 賃上げについて伺いたいと思うのですが、明後日、経団連の米倉会長と懇談会を行うということですけれども、その中で米倉会長に対して、賃上げについて、どういうメッセージを大臣の方から米倉会長に伝えたいかということと、あるいは望ましい賃上げの幅とか、あるいは賃上げをするタイミングなど、もし大臣が望ましいと思っている御意見がありましたら、お願いいたします。
A: こういった問題はその場で判断いたしますが、少なくとも企業が収益を改善する、それに向けたさまざまな取り組みを安倍政権として進めてきたと考えております。そして、今回も投資促進税制を初め、更なる投資促進策、こういったものも盛り込んでいるわけでありまして、そういった政府の取り組みについては、経団連としても、また経済界としても評価をしていただいておると思います。これはお互いが頑張るということが重要でありまして、それに呼応した経済界としての対応を速やかに求めていきたいと思っております。
【TPP交渉】
Q: バリで行われていますTPPの交渉の中で、自民党の西川対策委員長が重要5品目並びに塩や皮革製品などの関税についての撤廃も検討せざるを得ないという旨の発言をなさいましたけれども、この点についての大臣の御所感をお願いします。
A: TPPの首脳会談、これはまさにこれから行われるということでありまして、この段階で詳細に首脳会談そのものについてはできませんが、西川先生の個人的な発言につきましては、個別のタリフラインをどうするかも含め、今後の進め方について、党ともよく相談をしたいと考えております。
【福島第一原子力発電所】
Q: 報道で昨日大臣が福島第一原発の水処理とか廃炉作業に関して、国が関与するに当たって新たな立法措置をとる必要はないとおっしゃったというのを報道で拝見したのですけれども、そのことについて、今改めてどういうお考えか、お話しいただけませんか。
A: 国会の中継は聞いていただけましたか。
Q: 申しわけありません。聞いてないです。
A: フェアな質問だと思われますか。
Q: 大臣がもし不勉強だというお考えでお怒りなら、それは申しわけないと思うのですが。
A: 怒っておりませんけれども、フェアかどうかお聞きしただけです。
Q: 記者が別々の場所で同じような質問をするのは、そんなに珍しくないと思います。
A: それはそうだと思います。ただ、昨日は閉会中審査という極めて重要な機会であると思います。その中で私もきちんと発言をさせていただいたと思います。物理的にその場にいらっしゃらない、もしくは中継を見ていなくても、私はその後、それを録画等々によって再生する、もしくは何らかの形で紙媒体において、それを検討することは可能だと思っております。
その上で申し上げます。
昨日私が申し上げましたのは、汚染水対策について申し上げると、現行の電気事業法や関連の特措法で何らかの制約が加えられるというものではない。したがって、現時点で新たな立法措置がこの分野で必要になるとは考えていないとお答えを申し上げております。福島の復興、再生の加速を進める上で、全体として新たな法的措置は必要になるかどうかということにつきましては、党としても検討を進めていただいているようでありまして、国として行うべき対策が明らかになれば、しっかりと対策したいと思っております。
【エネルギーミックス】
Q: エネルギー基本計画が年内策定ということで大詰めを迎えていると思うのですけれども、改めてエネルギーミックスについて、策定した方がいいという声が議員の間、あるいは国民の間であるのですが、それは策定されないということなのか、それともし計画で策定されない場合は、別途策定する意思があるのか、その点を確認いたします。
A: 前回御質問いただいてお答えしたとおりです。
(以 上)