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茂木経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

平成25年1月8日(火)
11:09~11:23
於:記者会見室

(冒頭発言)

 

【日本経済再生本部】

 今日閣議がありました。その後日本経済再生本部、第1回の会合を開かせていただきまして、日本経済再生本部の下に産業競争力会議、この設置を決めさせていただきました。

 更には緊急経済対策、これは補正予算のベースになるものでありますけれど、その骨子についても議論をさせていただきました。総理の方から、この緊急経済対策、11日の取りまとめを目指して頑張っていって欲しいと、そしてその後緊急に補正の編成作業に入って欲しいと、こういう御指示がございました。

 会議の内容については甘利日本経済再生担当大臣の方から、また、産業競争力会議の方は民間の有識者にも加わっていただきます、この人選につきましては官房長官の会見の方で発表させていただく、こういうことになっております。

 私の方からは以上です。

 

 

 

 

 

(質疑応答)

 

【緊急経済対策】

Q: まず、今の緊急経済対策について、今再生本部の方でも緊急経済対策の骨子を議論したということでしたけれども、この対策のポイントや考え方、あるいは特に力を入れたい分野など、こういうことについての大臣のお考えをお聞かせください。

 

A: 今回の緊急経済対策、元々は安倍総理の主張しております円高、そしてデフレからの早期脱却によります日本経済の再生、そのためには3本の矢が必要であると。

 1つは、大胆な金融緩和をしっかりと進めると。2つ目には、機動的な財政運用を行っていく。そして、3つ目に民間の投資を喚起する成長戦略、特に経済産業省の分野ではこの3番目に関わってくることで、これが大きくなってくるかと思いますけれども、今回の経済対策、そして補正におきましては、経済産業省としてもこれまでにない規模、内容のものを打ち出したいと、こんなふうに思っております。

 具体的に申し上げると、1つはやはり民間の設備投資を促進していく、これは円高、そしてエネルギー効率、これを高める、こういう観点を取り入れながら、最新の設備投資に対する補助等を行って、相当大きな規模になるということであります。

 それから、2つ目に次世代の自動車、この充電インフラ、これが不足しておりますので、これを大幅に整備をしていきたい、こんなふうに思っております。

 それから、3つ目に研究、技術開発型の投資によります地域の活性化ということで、これは産業革新機構、これを使いました金融支援、これを中心に考えたいと思っています。

 そして、4つ目には中小企業支援策、これは金融支援もありますが、同時にものづくりの中小企業、そして小規模企業に対します試作開発等の支援、これを行っていきたいと考えております。

 4点でそれぞれやっていきます。

 

 

【原発立地地域への対応】

Q: 2つ目の質問はエネルギーの話なのですけれども、原発の立地地域では原発の稼働停止が長引いていることがありまして、地域経済に深刻な影響が出ていることを指摘する声もあります。こうしたことへの対応を聞かせてください。

 

A: 今日の午後、西川知事がお越しになりまして、お会いすることになっておりますけれども、これまでの我が国のエネルギー政策について、原子力関連施設の立地自治体の御理解、そして御協力のもとに、それに支えられて進めてきたということは間違いない事実であります。

 そして、今原発の停止に伴いまして、立地地域の経済、雇用に影響が生じている、こういったことを踏まえまして、立地自治体の皆さんとも意見交換をしながら必要な対策、これは検討してまいりたいと考えております。

 

 

【TPP】

Q: 自民党内でTPP交渉に参加をすることについて、前向きな声と慎重な声がそれぞれ出ております。近いうち日米首脳会談もあるとされていますが、大臣としてTPP交渉参加についての現在の所見を教えてください。

 

A: TPPに関しましては、我が党として政権公約の中で、聖域なき関税撤廃、これを前提とする限り交渉参加には反対する、こういったことを決めております。その上で今回自民、公明の連立政権、これを組んだわけでありますが、その連立合意の中で、国益にかなう最善の道を求める、こういう表現を使っております。

 これまでの自公政権でも、経済連携交渉は積極的に進めてきたわけであります。その中にあって、私は民主党政権でのTPPの進め方、初動に問題があったのではないかな、こんなふうに考えておりまして、これまでどのような事前の協議が行われたのか、それをまずきちんと検証したいと考えております。

 そして、特にアメリカとの間、これが中心になると思いますが、どのような協議が可能なのか、こういったことについて早急に話し合いの機会を持つべきだと思っております。

 

 

Q: 今のTPPに関連してなのですが、選挙の公約に掲げていた段階で言っておられたTPPと今現在大分踏み込まれて、TPPに前向きというような感じもあるのですけれども、その辺農業団体、経産省とはちょっと離れますが、その辺も含めて国民にどのようにこのことをきちんと訴えているのか、腹づもりがある程度固まっておられれば、その部分も含めて教えていただきたい。

 

A: 基本的にお話ししていることは変わっておりません。例えば、聖域なき関税撤廃、これが前提となる限り、交渉には入りません。ただ、実際に聖域なき関税撤廃、これが本当にベースになっているのかどうか、このことも検証しなければいけないと思っておりまして、例えば全ての品目といった時に、FTAのルール上は9割以上の貿易をカバーする。日本の場合も大体最近作っておりますEPA等々はそうなっております。それをより高いレベルを目指すということは、十分有り得ると思うのですけれども、全て10年以内に関税撤廃、これで私は交渉が成り立つとは思えません。そこら辺も含めて検証するということでありますから、基本ラインは変わっておりません。それを今詳細に検証の作業に入っているところであります。

 

 

【緊急経済対策】

Q: 緊急経済対策について伺います。先ほど電気自動車のインフラ設備の投資、4桁の投資がなされるということだったのですが、国内で原発が止まって燃料費が増大している中、電気料金の値上がりというのが懸念されていまして、これに従って電気自動車の将来性についての不透明感が高まるという懸念もあろうかと思います。こうした中、インフラ設備の投資だけでいけるのか、産業育成について何か施策など、お考えがあればお聞かせください。

 

A: エネルギーの需給に対して、しっかりと責任を持っていく、これは国としての努めだと、そんなふうに思っております。これは電気に限らず、あらゆるエネルギーというのが今逼迫状況にあり、例えばガソリンにつきましても輸入の燃料価格が上がるということになってきますと、当然それに伴いましてガソリンの値段も上がっていく。

 更には、国際的なこれはエネルギーの供給に関しまして、様々な地域間の紛争等々がありますと、それが調達できない、こういう可能性も出てくるわけでありまして、あらゆる意味でまず熱源についての多様化をしていかなければならない。同時にその調達先、これにつきましても多様化をし、更にはある意味、資源外交も含めて、我が国としてコントローラビリティの高い資源の確保の方法、こういったことは考えていかなければいけないと思っております。

 

 

Q: 重ねて伺いますが、そうしたインフラ設備が過剰投資になるという懸念はありませんか。

 

A: 恐らくこれから10年後、20年後を考えた時に、電気自動車というのは、確実に私は普及をしてくると思っております。決して斜陽産業ではありません。今の段階で過剰投資になるというふうには考えておりません。まだ足りないと思います。

 

 

【TPP】

Q: TPPについてなのですが、事前の首脳会談前に事務方間の協議をやる日程感というのがありましたら教えてください。

 

A: 外務大臣の方からもお話があったと思いますが、総理の訪米の日程については、かなり幅広に今調整をしているというふうに伺っております。ある程度総理の日程が決まってきた段階で、具体的にどういう議題を取り上げるのか、そこの中でどういうやり取りになるのか、こういう詰めの作業が始まると、こんなふうに承知をいたしております。

 

 

【電力システム改革】

Q: 電力システム改革につきましてお伺いしたいと思います。年末にこれからタイミングを見てまた通常国会提出についても見極めていきたいというふうなお話をされていたと思うのですけれども、今の段階で年が明けて、再提出についてどうお考えか、またどれぐらいの時間をかけて臨んでいきたいとお考えなのか、お伺いいたします。

 

A: あの発言からまだ10日しか経っておりませんから、大きく変わっておりませんけれども、基本的には電力システム改革、これをきちんと進めていかなければいけないと思っています。そしてそこの中の一丁目一番地にあるのが電力の自由化の問題です。そして、2番目に送配電網の中立化、そしてどこまで独立化をするかと、こういう問題があります。そして、広域系統運用の問題、こういったことを含めて、方向性ははっきりしている。あとはスケジュール感、そして具体的に例えば価格についても全面自由化をするのかどうかを含めて、どうするかといったことは判断して、必要な時期にこれは法律は必要になると思います。出すタイミング等々も考えたいと思います。

 

 

【車体課税】

Q: 税調が昨日からスタートしておりますが、車体課税の廃止についても当然議論になって、産業界からも、自動車業界からも非常に要望が強いと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。

 

A: これは業界の要望というよりも、御案内のとおり自動車、言ってみれば日本の産業の4番バッターであります。製造業の出荷額の2割を占める。そして、輸出で14兆円を稼ぎ出す。関連産業まで含めれば545万人の雇用を支える。正に日本の再生にとって、この自動車産業の再生、極めて重要な問題だと、そんなふうに思っております。

 その再生に向けて、もちろんまずは自動車会社に頑張ってもらわなければいけません。前向きな経営をしてほしいと、こういうふうに思っておりますが、幾つかのネックというのは当然あるわけでありまして、その1つは当然円高の問題になってまいります。そしてまた税制の問題、車体課税の問題、出てくるわけでありまして、取得税、重量税の問題、撤廃に向けて、我々としても財務省とも交渉いたしますし、党でもそういったしっかりした議論を進めていただきたいと思っております。

 

 

【原発立地地域への対応】

Q: 先ほど原発立地自治体の必要な支援を検討したいとおっしゃいましたが、具体的に現時点でイメージがあれば教えてほしいのですが。

月に訪米した時には、TPPについて、参加表明は現状は難しいという理解でよろしいですか。

 

A: これから話し合って検討したいと思います。

 

 

【再生可能エネルギーの価格】

Q: 先ほど電気料金の話も出ましたけれども、再生可能エネルギーの固定価格、これを続けていくと電気料金が上がるという懸念も結構出ていますが、これについてはどのように考えていますか。

 

A: 再生可能エネルギーの料金につきましては、決められた方向で前年度の参入者のコスト、これをベースにしまして次の年の価格を決めさせていただく。太陽光の場合、42円・パー・キロワットアワーとか、それぞれ決まっているわけでありまして、それが普及すれば当然コストというのも下がってくる。そういったものも見ながら、価格というのは決めていきたいと思います。

 

 

 

 (以 上)