活動報告

社会保障と税の一体改革に関する特別委員会議事録

平成24年5月23日


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茂木委員 

おはようございます。自民党の茂木敏充です。

きょうの質疑、私は直球勝負です。変化球、チェンジアップは投げません。総理にも、ぜひフルスイングで打ち返していただきたいと思います。

そして、きょうの質疑を通じて、私の方からも、前向きな提案、五つの具体的な提案、申し上げたいと思います。球は多少高目ですが、球種はストレートですから、しっかりと受けとめていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

きょうは、マニフェスト違反のことを追及するつもりは全くありません。ただ、国民の側から見ますと、民主党政権ですぐに消費税の議論がスタートして、増税法案がこの国会に提出されると誰も考えていなかったと思います。民主党の消費税に対する方針転換、これについて、私は、やはり国民に対するしっかりした説明が必要だ、このように思っております。

そこで、まず、では、なぜ消費税の増税法案が必要と考えるようになったのか、そのことをお伺いしたいと思います。

総理は、我が党の大島副総裁そして公明党の石井政調会長に対します本会議での質疑での答弁でも、四つの理由を述べています。一つは税収の大幅な落ち込み、二つ目に東日本大震災の影響、三つ目に少子高齢化社会の進展による社会保障費の増加、そして四つ目に欧州の金融危機の波及、この四つの理由を挙げていますが、総理、この四つの理由で間違いありませんか。そして、あえて、一番大きな理由、挙げるとしたらどれになりますか。


野田内閣総理大臣

一番大きな理由は、今三番目に御指摘をされた少子高齢化の進展、これは人口構成の大きな変化です。

これはもちろん、わかっていたことだと思います。前から指摘をされておりました。でも、現実に私が政権を担当する中で、特に財務の担当をする期間が長かったんですが、その上で、少子高齢化に対応するためにいろいろな事業をやらなければいけないんですが、その財源を確保することが困難であるということ、そして、これはもう時間との勝負になりつつある。四番目の欧州の危機の問題も連動しますけれども、先送りできない状況になっているということが一番の原因でございます。


茂木委員

東日本大震災、これが発災したのは昨年の三月十一日です。それに対しまして、民主党での一体改革の議論、その前の年、一昨年の十月に本部を立ち上げて、検討をスタートしていると思います。欧州の危機も、確かにギリシャ危機はおととしから発生しておりましたけれども、欧州全体の危機として認識をされるようになったのは昨年の秋からだと思います。

そういった意味で、私は、東日本大震災、それから欧州危機の波及、これ以上にやはり、総理が指摘をされた少子高齢化社会の進展に伴います社会保障費の増大、そして税収の減、これの方が大きな理由だと思います。

ちょっと図の一をごらんください。

これは数値的に見たものでありますけれども、平成二年、バブル崩壊以降の国債残高増加の要因、これを分析したものであります。

図を見ていただきますと、純増分が四百二十二兆円あります。そのうち、数字的に一番大きな要因、これは右側の税収の減少、二百三十六兆円、割合にして五六%です。そして、次に、総理の指摘された、左側の社会保障費の増加、百八十二兆円、割合にして四三%になりますが、この二つで純増分の大半が説明をできるわけであります。

要するに、消費税増税、これが必要になった理由は、基本的には、バブル崩壊以降の税収の落ち込み、もちろん我々にも大きな責任があります。そして、少子高齢化社会の進展に伴う社会保障費の増大であります。しかも、これらの問題は、震災と違って突然に発災したわけではなくて、マニフェスト作成時の二〇〇九年総選挙のときにはもう既に見通せたはずだ、当然見通せたはずだと思います。

自民党は、それまでの財政運営、この責任も含めて、衆議院選挙前の平成二十一年度の税制改正の附則百四条におきまして、消費税を含む税制抜本改革のスケジュールを示し、一昨年の参議院選挙でも正直に、消費税増税、このことを公約させていただきました。

民主党はいかがでしょうか。やはり、この消費税についても、マニフェストと同じように、見通しが甘かったと率直に認められるのか。それとも、選挙が終わってから、政権についてからやはりこのことに気づいたということなんでしょうか。お答えください。


野田内閣総理大臣

非常にわかりやすい資料を御提示いただいて、ありがとうございました。

やはり社会保障費がかさんできているということ、そして、残念ながら税収減がずっと続いてきたということ、傾向としては我々としても当然のことながら押さえていたと思います。ただ、やはり、リーマン・ショック後の税収の落ち込みがあそこまで落ち込むというところまでは、残念ながら、見通しとしては立てておりませんでした。

平成二十一年度の第二次補正予算から予算編成にかかわりましたけれども、非常に厳しい状況であるということをそのことによってより一層肌で感じたというところがありますし、マニフェストについては、その前につくっていた部分がありますので、そこのやはり認識のずれがあったというふうに思います。

したがって、昨年の八月に党としてマニフェストの中間検証を行いましたけれども、いろいろな要因が書いてありますが、財源確保についての見通しの甘さは率直に認め、このことについては国民の皆様におわびをしているところでございます。


茂木委員

景気の問題、そして税収の落ち込みの問題についてはこの後また改めて議論したいと思いますが、税と社会保障の一体改革の法案、閣議決定前に、民主党の中でも事前審査、八日間にわたりまして四十六時間半、私、前原政調会長も相当辛抱強くやられたと思っておりますけれども、そういった手続を経て、正式に党として決定をされた、そしてまた、閣議決定により政府・与党として正式決定した法案だ、このように理解をいたしております。

そうしますと、この法案の採決で民主党議員が反対ということになれば、当然、党議違反になると思いますが、いかがですか、総理。


野田内閣総理大臣

法案決定に至るまでのプロセスをお示しいただきましたけれども、まさにその前から、一昨年の十月からこの議論が始まって、六月に成案を得て、そして一月に素案になって、そして大綱として閣議決定をし、その大綱を踏まえて三月末に法案提出をするまでの間は、先ほどの四十数時間だけではなくて、相当な時間を経ながら議論をしてまいりました。

そのことによって、附則百四条に基づいて法案を提出しましたけれども、プロセスにおいては相当丁寧な議論が行われましたし、いただいた御意見の中では、附則なども含めて相当に内容を盛り込んでおります。

したがって、私は、これはもう党議になっていると思います。党の方針でございますので、政府・与党一体となってその成立を期していきたいというふうに思います。


茂木委員

反対したら党議違反になる、そのようなお答えだと理解いたします。

それで、総理が近々お会いになる小沢代表初め、この法案に反対を明言されている民主党の議員にどう厳しく対処をされるか、総理の今後の対応を見きわめたいと思います。

その一方で、この法案、事前審査の議論で幾つかの修正が加わったわけであります。特に、一つは、実施の時期につきまして、当初の一三年十月に八%、一五年四月に一〇%、これが半年先送りになりまして、一四年四月に八%、そして一五年十月に一〇%となりました。それから、数値目標の追加ということで、一〇年から二〇年度の平均で名目成長率三%、実質成長率二%程度を目指す、こういう数値目標を法案の中に書き込むことになったわけであります。

そこで、まず、消費税の引き上げ時期を先送りした問題についてお聞きいたしたいと思います。

実施時期が半年ずれることによりまして、プライマリーバランスの財政赤字を二〇一〇年代半ばに半減する、こういう目標の達成、私は、より厳しくなっていると思います。実際に、内閣府の試算を見ましても、二〇一五年度のプライマリーバランスの財政赤字は、対GDP比で三・三%、十六・八兆円で、半減目標には達しておりません。

一層の歳出削減策など具体策を固めた上で半年の先送りを決められたのか、それとも、歳出削減等の具体策は今後検討ということですか。いかがですか、総理。


安住国務大臣

半年後ろにずれたことで、二〇一五年の基礎的財政収支の赤字、対GDP半減目標の達成は、現時点では厳しいものになっていることは現実でございます。

そうした中でありますが、さまざまな努力を我々としてはいたしまして、何とかこの数値にやはり近づけていかなければならないというふうに思っております。

現時点でそれでは具体化があるのかということでございますが、これとこれをやりますということはまだ明確にあるわけではございませんが、歳出の削減等々を図ると同時に、税収をふやしていくような努力をしていかなければならない、こういうふうに思っております。


茂木委員

財務大臣から正直にお答えいただきました、具体策は固まっていないと。残念ながら、やはり、社会保障同様、大切な部分が先送りになっているな、こういうふうに指摘せざるを得ないと思います。

その一方で、わざわざ法案に規定することになりました数値目標、実質二%、名目三%の達成もなかなか厳しいと思います。日銀の直近の見通しでも、実質GDPは、二〇一二年度は、復興需要もありまして、一一年度のマイナスの〇・二%からプラスの二・三%に改善いたします。しかし、消費税の引き上げを判断する二〇一三年度には、またプラスの一・七%に下がるというわけでありまして、名目GDPも大体二%程度だと思います。

そこで、お聞きしたいのは、この数値目標の達成、何年からを考えているのか、また達成に向けての基本方針、簡潔に総理からお答えいただければと思います。


安住国務大臣

まず、附則十八条の第一項では、二十三年度から三十二年度までの十年で……(茂木委員「わかっている、それは。わかっています」と呼ぶ)はい。名目成長率三パーで実質二ということで、これは、政府全体として、こうしたさまざまな施策を講じてこういう方向に向けて軌道に乗せていって実現をしていきましょうと。

ということですから、まず申し上げたいのは、消費税率を引き上げる前提条件としての数値目標を規定しているものではないけれども、努力目標であると。次のところで、「所要の措置を講ずる。」というのは、経済状況の激変も含めて、何かあったときには果断に対応しなさい、時の政府で最高の政治決断をしなければならないということだと思います。

そこで、先生、復興需要等を含めて、この一―三は比較的順調に経済が伸びております。ですから、年率換算すると、それはとらぬタヌキの皮算用でございますので申し上げられませんけれども、しかし、順調にもし仮に推移すれば四%。これを、需要をつないでいくには、経済的な、ある意味では財政的なことも含めて、また金融緩和も含めて、さまざまなことをやりながらやはり経済的には成長をしていく努力をしなければならないというふうに思っております。


茂木委員

どうも、何年から達成する、また、そのための手段、さまざまなことをやると。当たり前ですよ、いろいろなことをやるのは。具体的にどうしていくという方針をやはり明示することが必要ではないかな、そんなふうに私は思っております。

もちろん、我々も、日本をギリシャとかイタリアのようにしてはいけない、こういう強い思いは持っております。しかし、財政再建には、増税だけではなくて、図の一でも先ほどお示ししましたように、景気の回復による税収増、これが必要不可欠だと考えております。特に、長引く円高、デフレ、そして日本の国際競争力の低下、震災からの早期復興、こういったことを考えれば、財務省的な消費増税即財政再建、これはやはり景気への悪影響等々が大きいんじゃないかな、こんなふうに考えております。

自民党は、今後の予算配分の見直しとして、民主党政権の短期のばらまき政策を見直して、事前防災の考え方に立った国土強靱化政策の推進や、技術開発、人材育成、そういった将来への投資に資源配分を転換すべきだ、このように考えております。

昨年の東日本大震災で明らかになったことは、コンクリートから人へ、こういう空虚な言葉だけでは国民の安心、安全は守れないということであります。例えてみれば、交通事故が起きてから信号機をつける、こういう後追いの対応ではやはり被害は大きくなる、そして復興にかかるお金も大きくなってしまう、こういうことなんだと思います。

具体例で議論したいと思います。

東大の地震研究所の予測によりますと、首都直下型の地震が今後四年以内に起こる可能性は七〇%、このように予測をされております。首都直下型の地震が発生した場合、その被害額は、東日本大震災より一桁大きくなります。東日本大震災の直接の被害、資本ストックのダメージは十七兆円でありましたが、内閣府の試算でも、首都直下型地震が起きた場合は被害額が百十二兆円、こういうふうに予想されております。

さらに、これは東京の問題だけではなくて、東京には国会、霞が関、そして本社機能の半分、データセンターの七割以上が集中をしている。まさに日本の中枢機能が集中をしているわけでありまして、その中枢機能のバックアップ、こういったことも極めて重要だと考えております。

そういった中で、平成二十四年度の、政府の地震に対します首都機能のバックアップ対策の予算は一千万円です。総理、一千万円で首都機能のバックアップ対策、十分だとお考えですか。


野田内閣総理大臣

いや、もちろん、本格的に首都機能のバックアップをするんだったら、もっとお金がかかります。この一千万というのは調査費的なものでございますので、そういう研究を始めているということで御理解いただきたいと思います。


茂木委員

四年以内に七割かはわかりません。しかし、災害はいつ来るかわからないんです。直近のテーマなんです。ことしは調査だけでいい、来年以降ゆっくりやります、こういう発想ではだめなんだと私は思うんですよ。それが結局、事が起こってからあたふたと災害に対応する、こういうことになるんじゃないかな。東日本大震災から我々は何を学んだんだろうかともう一回考えていただきたい、そんなふうに思います。

自民党は、事後対策ではなくて事前防災、この考え方に立ちました、今後想定されるさまざまな災害について、例えば学校や公共施設の耐震化、そして今申し上げた首都機能のバックアップの強化、そして災害現場を孤立させない、そのためには交通網の整備が必要なんです。そして昨年は、大震災でつながらない携帯電話、家族の安否がお互いにわからない、こういったことが問題になりました。やはり災害に強い情報通信網をつくっていく、こういったソフトとハードを組み合わせた強くてしなやかな国土づくり、まさに国土の強靱化を進めていきたいと考えております。

その方針に沿いまして、近く、国土強靱化基本法を我々として国会に提出いたします。さらに、公明党とも共同提案を視野にしまして、首都直下型震災対策特別措置法、そして南海トラフ巨大地震津波対策特別措置法、これも準備をいたしております。法案提出の際には、ぜひ御賛同いただきたいと思いますが、総理、基本的な考え方、共有していただけますか。


野田内閣総理大臣

大震災の総括、教訓を生かして、やはり国土を強靱化していかなければいけない。学校耐震化とか病院の耐震化とか進めてきたつもりでございますけれども、そのほか、まさにインフラ整備も、真に命にかかわるところのインフラ整備等はやはり集中してやっていかなければいけない等々の認識は同じでございますので、御提起いただいたならば、それはしっかりと吟味をさせていただきたいというふうに思います。


茂木委員

ぜひ、コンクリートから人へ、こういう方針も見直していただきたい、こんなふうに思っております。

もう一点、自民党は、ばらまきから将来への投資に転換する、このことを基本に、平成二十四年度の予算にも対案を提案いたしました。その中で、例えば子ども手当、これは三党合意によりまして所得制限がつくことになりました。我々は、高校無償化にも所得制限が必要だと思っております。そして、さらに、マニフェスト政策を全面的に見直すことで三・七兆円の予算の削減を提案いたしました。その一方で、日本を新たな成長軌道に乗せる。このためには、今、生産拠点は各国に分散をしております。生産拠点は各国に分散しても、一番キーになる、鍵になるような技術であったりとかソフトを日本が確保できるような技術開発、こういった形で重点投資をする必要があると思っております。

そこで、政権交代後、事業仕分けで、民主党の仕分け人の蓮舫さんが、日本の技術につきまして、二番じゃだめなんですか、こういう言葉を言って注目を集めたことがありますが、この発言について、総理はどのように考えていらっしゃいますか。


野田内閣総理大臣

あれは、蓮舫さん自身が二番でいいと思っているような印象を与えているんですよね。

これは、仕分けをする前に、事前のいろいろな、相手とのスパーリングみたいなものがあるんです。そのときに、それをやるよと言っていたんです。二番目でいいですかと聞いて、どうしても一番じゃなきゃいけないという理由を聞きたかったんだけれども、明確な答弁がなかったというのが事実であるというふうに私は理解をしています。


茂木委員 少なくとも総理は、一番になることが必要だ、このような理解を持っていただいていると思います。

そこで、図の二をごらんください。

これは、主要製品、部材の市場規模を縦軸にとりまして、日本企業の世界シェアを横軸にとった図表であります。

図からも、左上にあります自動車、そして電子機器、エレクトロニクス関連産業が日本のリーディングインダストリーであることには変わりありません。しかし、右側に行って、デジタルカメラ、これはCCD、つまり画素を細かくする技術を持っているキヤノンやニコンが圧倒的に強い分野であります。そしてまた、次世代の自動車駆動システム、リチウムイオン電池、こういった部品、素材の分野で、日本がいまだ圧倒的シェアを誇る、こういう分野がたくさんあります。これらの成長分野で競争力を維持していく、このことが大事なのであります。

自民党は、これらの分野での研究開発、そして技術開発、さらに、我が国の将来を担う人材育成などの重点分野に、平成二十四年度予算で三・七兆円削りました、その一方で、二・六兆円、重点投資をすべきだ、こういう提案をしているわけであります。つまり、大切なことは何なのか。パイの分配の前に、パイの拡大、成長戦略によって、まずパイそのものを拡大することが必要なんだと思います。

そこで、図の三をごらんください。

これは、サブプライム問題の発生、そしてリーマン・ショック前後、それぞれ三年間の日本の名目GDPの推移を見たものであります。

我々の時代に導入したエコポイント、またエコカー補助金によります景気の押し上げ効果がある程度あったものの、政権交代以降、名目GDPは年平均で四百七十五兆円と、リーマン・ショック前の五百八兆円より、いまだ三十兆円以上下回っているわけであります。二〇〇八年度以降の日本経済の落ち込みは、確かにサブプライム問題そしてリーマン・ショックという外部要因、全世界的な問題でありましたが、景気後退は、当時の政権与党、つまり自民党批判につながり、そこに、政権交代こそ景気回復という民主党のキャッチフレーズが期待を集めたんだと私は思っております。

何もここで、民主党のキャッチフレーズを批判するために言っているんではないんです。指摘をしたいのは、現在の政府・与党、さらには政治全体への不満の根底、背景にも、いまだ解消されていないこのマイナス三十兆円のハンディというものがあるんだ、この理解がまず必要だと思います。さらに、今後、消費税増税に伴います需要の落ち込みが発生するわけであります。

もちろん、同様の問題、これは所得税であったりとか法人税の増税でも起こります。そして、所得税や法人税の方が経済への影響が大きいとも言われているわけであります。

図の四をごらんください。

ただ、今回の消費税引き上げも、政府の財政の中長期試算でも、消費税増税直前の駆け込み需要、この反動もありまして、二〇一四年以降、当面の経済成長率は落ち込みまして、下にありますように、毎年一兆円から二兆円のいわば需要不足が生まれる、このように試算がされているわけであります。

そこで、この内閣府の経済モデルですが、総理が我が党の金子議員に対します国会質問の答弁でも強調されておりました非ケインズ効果、つまり、社会保障の安定や財政の健全化によります需要の拡大効果を毎年どれぐらい見込んでいるか、どなたでも結構です、お答えください。


岡田国務大臣

今おっしゃったのは、消費税を入れることで社会保障制度が安定化する、そのことによって、将来の消費というもの、将来、安心感が来て、消費がその分ふえる、こういうお話だと思いますが、これは非常に心理的な問題であって、なかなか、数字で計量する、結果を出すというのは、私は余り簡単なことではないというふうに思います。


茂木委員

数字で出すのは簡単ではないと。ところが、それは総理が本会議の答弁で、非ケインズ効果、これが大きいんだとおっしゃったわけですから、どれぐらい見込んでいらっしゃるんですかという話をして、モデルの中では見込んでいるはずです。わからないんだったら、わからないで結構です。お答えください。


安住国務大臣

数字的に申し上げますと、名目で、ことしが二、それから二〇一三年が、先ほど御指摘があったように一・七、二・六、これが実質でいうと、もうちょっと下がってきます。

この中にどれぐらい非ケインズ効果、将来への不安を経済的に計算をしながらそこに入れ込んで置いているのかということでいうと、率直に申し上げて、それを統計的に出した数字はございません。


茂木委員

議論を先に進めたいと思うんですけれども、内閣府の資料、私も詳細に分析をいたしました。そうしますと、この非ケインズ効果を含めて、消費税の引き上げ直後から、本来だったら需要が落ち込む分をある程度上に底上げをする、こういう効果が毎年一兆円以上出てくる、こういったものが出てくると見ております。これは明らかに過大評価だ、私はそういうふうに思います。それから、消費税の価格転嫁の見通し、これも楽観的過ぎる、このように思っております。

この点、今、自民党として、より妥当なモデルを回して試算を行っているところでありますが、どう見ても、実際の需要の落ち込み、需給ギャップはさらに大きくなる、こんなふうに考えております。

そして、非ケインズ効果を含めて、需要の拡大を過大に評価している、見積もっている内閣府のモデルでも、図にあるように、平均成長率、慎重シナリオでも一・一%、成長シナリオでも一・八%。消費税引き上げ後数年間は、成長率は目標の二%には届かないわけであります。

つまり、二つの課題があるんですよ。まず第一に、リーマン・ショック以降のGDPマイナス三十兆円の回復をしていく、こういった課題に加えて、今後は、消費税増税に伴います需要の落ち込みをいかにカバーしていくか、こういう二つの課題への対応が求められているわけであります。

ここで、消費税増税と並行した当面の財政運営のあり方について、こちら側から提案をさせていただきたいと思います。

何も、引き上げ時期をおくらせろ、こういう話ではありません。我々は、消費税引き上げ直後に予想されます需要の落ち込み、これを補って、そして日本経済を再び成長軌道に乗せるために、財務省的な消費税増税即財政再建ではなくて、当面、消費税の引き上げと並行して、デフレ対策、雇用の創出、そしてまた成長戦略に重点を置いた財政運営を行う方針を明示すべきだ、このように考えております。これに沿いまして、二〇一五年度末までにプライマリーバランスの赤字、これを半減する、こういった財政運営戦略のスケジュール、これも私は現実的には引き直しが必要だと思っております。

これは、我が党にとっても新しい方針で、あえて、方針転換、こういう批判を覚悟で、しかし、昨今の欧州危機初め今の経済の現状、こういったことを考えたときに、私は、現実的な対応だ、こんなふうに考えております。

先週末のG8首脳宣言、これにおきましても、世界各国が財政再建に偏るのではなくて、経済成長も追い求めるべき、総理も出席されておりますが、そのように強調されていたはずであります。

私は、極めて現実的な提案を申し上げている、そのように思っておりますが、総理、この財政運営の方針、そして財政再建のスケジュール、見直しますか。それとも、一五年、二〇年、今のスケジュールにこだわられますか。はっきりお答えください。


野田内閣総理大臣

私どもは、一昨年の六月にまとめた財政運営戦略、御承知のとおり、これは自民党の財政健全化責任法と同じゴールでした。二〇一五年は基礎的財政収支、対GDP赤字を半減する、二〇二〇年黒字化するということでございましたが、今ちょっと、初めて聞いたんですが、それをおくらせるんですか。ほう、それは初めて聞きました。

後でちょっと具体的によくお聞きしたいんですが、では、赤字の半減が例えば二〇一七年とか二〇一八年とか、黒字化はどれぐらいになるんでしょうか。お受けしていておかしいですけれども。

というのは、G8を含めて各国、我々は、さっき申し上げた財政運営戦略、こういう取り組みをやっていきますということは表明しています。それぞれの国が、例えば二〇一三年までに何をやるとか、いろいろ言っています。変更した国はまだないんですよね。ないんです。だから、そこは国際社会の動向もよく踏まえながら判断しなければいけないと思いますが、ちょっと詳しくお話をお聞かせいただければ大変ありがたいというふうに思います。


茂木委員

申し上げたいのは、当面の財政運営、これで消費税増税したから財務省的にすぐ財政再建では、やはり経済の腰折れを起こしてしまう。やはり、今の状況を考えたときに、もう少し、当面の間、恐らく数年間だと思いますけれども、積極財政、こういったものをとっていく必要があるんじゃないかな。そして、景気をきちんと立ち直らせる、そういったことを消費税と同時に進めることが必要であろう、これが基本です。

そして、その上で、そうなってくると、現実的には、プライマリーバランスの半減、そして黒字化のスケジュール、見直さなくて済むんだったらそれで結構なんです。ところが、案がないんですよ、実際に。今だって、案がない、こういうふうに言っているんですから、それも見直したらいかがですか、こういったことであえて申し上げているわけであります。いかがですか。


野田内閣総理大臣

私も、財政再建と成長を両立させなきゃいけないと思っているんです。御指摘のとおり、特に成長のところを、最大限力を生かしていかなければいけないと思うんです。

ただ、今申し上げたような基本的な計画、ゴールを変えてしまうことが市場の警戒感が強まっているときにいいのかどうかというそのメッセージは、よく勘案しなければいけないと思います。

私は、この間、金子先生の御指摘だったと思いますが、本会議、財政のいわゆる対応力の回復の趣旨の御質問がありました。そういう御指摘というのは、ある意味よくわかるんです。ただ、いつからどういうやり方をしていくかということは、これはよく考えなければいけないと思っています。

さっき財務大臣が、財政運営戦略に基づいて二〇一五年のゴールは厳しくなったと言いました。それは歳出削減等その他の政策努力が必要だと申し上げました。そういうことを含めて、中期財政フレームを三年ごとに転がしながら二〇一五年の目標を達成する。それは、毎年の予算編成が大事になるんです。そのことを意識した、成長を意識した予算をどういう形で組んでいくのかということを心がけていくことが当面大事ではないかというふうに思いますので、問題意識としては多分共有する部分はあるんですが、やり方論はよく議論すべきではないかなというふうに思います。


茂木委員

やり方論は議論するということなんですけれども、やり方が見えてこないんですよ。そういった心配もあって申し上げているんです。

私は、きちんと、この財政戦略を転換しながらも、二〇一五年にプライマリーバランスを半減できる、二〇二〇年に黒字化できる、その方がいいと思います。ただ、どう聞いてもそうならない、今でも。

そうすると、そこの中で、本当に景気の腰折れを、消費税の増税後数年間、確実に悪くなる部分はあるんですから、それを起こさないためにはこうしたらどうですか、こういうことを申し上げておりますので、またよく、政府の側の方が私より数字を持っているはずなんですよ、きちんとそういったことも検証していただきたい、そんなふうに思っております。

そこで、次に、社会保障制度についてお聞きをしたい、こんなふうに思っております。

自民党も、社会保障制度の維持、充実のために消費税の増税の必要性を正直に公約してきました。ところが、今の閣法、政府案を見ますと、一昨日そして昨日の法案審議でも明らかになりましたように、それとは似て非なる、単なる増税法案になっているんじゃないかな、私は、そういう批判も出てくる、そんなふうに考えております。

税と社会保障の一体改革、こういうふうに言いながら、新年金制度、そして皆さんが公約をされた後期医療制度の廃止、こういった民主党がマニフェストで約束をされた社会保障の重点政策、全てやはり先送りになっているんですよ。一体改革になっていないと言われてもこれは仕方ないんだ、私はこんなふうに思っております。

確かに、自民党も、政権与党時代、制度の微修正を繰り返してきたのではないかな、こういう反省も我々は持っているところであります。

そこで、今回、自民党は、あるべき社会保障制度、これの土台となるべき基本的考え方を取りまとめることにいたしたわけであります。

今後、自民党として、この国会に社会保障基本法を提出する予定であります。その中に盛り込みます我が党としての社会保障の基本的な考え方をお話ししますと、その要約が図の五であります。ごらんいただけますか。

まず一つが、額に汗して働き、税金や社会保険料などを真面目に納める人が報われる、そういった社会をつくっていかなきゃならない。

二つ目に、自助そして自立を第一とし、共助さらには公助の順に従って政策を組み合わせ、安易なばらまきの道は排する。

三つ目に、家族による自助、そして自発的な意思に基づく共助を大事にする。

四つ目に、我が国の社会保障は、社会保険制度を引き続き基本とし、必要な是正を行う。

そして最後、五つ目に、社会保険料では賄い切れない給付の公的負担の財源については消費税を中心に。

そこで、提案であります。

総理も、この特別委員会で、社会保障の骨格の考え方、自民党と差はない、このように答弁されておられますが、改めて、具体的に確認をさせていただきたいと思います。

この社会保障についての五つの基本的考え方、総理として御賛同いただけますか。もし違う部分があるのでしたら、どの部分がどう違う、そのようにお答えください。


野田内閣総理大臣

この五つを見る限り、特に違和感はありません。(発言する者あり)いや、だから、根幹が同じで、まあ、政策論で多少違いがあるんでしょうけれども、これは別に、全然私は違和感ありません。

ただ、あえて付言すると、自助、共助、公助の組み合わせだと思うんです。

冒頭、きょうの和田さんの質問にも答えましたけれども、これは基本なんですが、例えば核家族化であるとか非正規雇用とか、自助の基盤が弱くなっている。だから、精神論だけで自助を言ってもいけないんじゃないんでしょうか。そこで共助や公助がかみ合ってきて、もう一回自助が戻ってくるという好循環をつくっていきたい。そういう考え方で私どもは今回の制度改正をしているわけで、基本的な考え方に私は違和感はありません。


茂木委員 基本的な考え方について賛同していただけると。自助を強くする、まさに三番目にも、家族による自助、核家族化の問題ですよ、こういったものを強くしていかなきゃならない、こういう問題意識を持っております。

総論、基本的な考え方では一致とおっしゃる。ところが、個別の政策になると、なぜか全く反対の方向に見えると。例えば、そこにあります一番目の、税金や社会保険料を真面目に納める人が報われる、そして四番目、我が国の社会保障は社会保険制度を引き続き基本とする、こういった考え方に総理は賛同していただける。そう言いながら、年金の一元化、最低保障年金、この考えは相入れないんですよ。私はそういうふうに思います。

総理も、一昨日の我が党の鴨下委員の質問に対しまして、こんなふうに答えています。現行の年金制度、これは破綻していない、そして、移行期間は現行制度の改善、年金一元化は将来の話、こういうお話をされているわけであります。

ですから、年金の一元化、一旦この話は白紙に戻して、将来の話ですから、社会保障制度改革国民会議、こういった場を設けて、ぜひ一緒にそういった議論、しっかりこのことは将来の話としてつくっていったらどうか、そんなふうに思います。

一緒に、このことは白紙に戻して話し合おうじゃありませんか。いかがですか。


野田内閣総理大臣

大変前向きな御提言だと思います。社会保障のあり方を考える国民会議、そういうものは必要だと思うんですね。そういう協議はぜひどんどんやっていきたいと思います。

だけれども、その国民会議で議論する前に、旗をおろさなきゃ協議できないというのではなくて、私どももいろいろ積み重ねの議論があったわけですね。その積み重ねの議論を踏まえて議論に参加させていただいて、それぞれのお立場の御意見があると思います、そこで合意形成を見出すということではいけないんでしょうか。


茂木委員

今議論していることは、まさに直近の、この国の財政状況をどうするか、社会保障制度をどうするか。そしてそれについては、総理は、移行期間は現行制度の改善、こういう話をされているわけであります。そして、将来の話として年金の一元化があると。ですから、この法案の中からおろしてください。そして、別に、すぐに主張を変える、変えられないではなくて、一旦法案からおろして、このことは社会保障制度改革国民会議で議論しましょうという話であります。

一旦白紙に戻すということ、いかがですか。


野田内閣総理大臣

これは前、御党の谷垣総裁と党首討論で議論したとき、一つの例えで谷垣総裁が新幹線の話をされてきました。上越新幹線に乗るのか、東北新幹線に乗るのかという違いでおっしゃってきましたけれども、私は、東北新幹線でも一緒じゃないですか、ゴールは違っても途中の福島まで一緒じゃないのか、そういう折り合える議論はできるのではないかと申し上げました。

私は、だから、お互いそれぞれ立場はあります、結論を導き出すために演繹的手法と帰納的手法があるけれども、だけれども、折り合えるところはあると思うんです。そういう議論はできないんですかね。ぜひやらせてください。


茂木委員

だから、大宮まで一緒に行きましょうと。この法案の話は、大宮まで一緒に行くという話なんですよ。だから、その先、青森に行くのか、秋田に行くのかというのは、国民会議の方で話をしましょうと。

一旦白紙にして、それぞれの案があるでしょう、青森に行きたい、秋田に行きたい、山形に行きたい、盛岡でとまりたい、いろいろな人がいるでしょう。そのことは国民会議でもう一回仕切り直ししましょうと言っているわけです。いかがですか。


野田内閣総理大臣

大宮よりはもうちょっと、福島ぐらいまで行けると思いますけれども。

だから、最低保障年金を掲げている、そのゴールから見て今対応しなければいけない、改善しなければいけない私どもの意見と、それから、現行制度、これは大丈夫だ、それはもちろん大丈夫なんですが、それを改善しながらよりよいものをつくっていこうという姿勢の中で、私はかなり一致点は見出せると思うんです。

だから、背景にある考え方を全部あなたたちは否定しなさいというやり方ではなくて、だから、白紙という意味はわかりませんけれども、虚心坦懐にお互いの意見を出し合うということはできないのかということでございます。


茂木委員

我々として、国民年金も含めたこの年金一元化、これは妥当ではない、このように思っておりますが、御党としてお考えになったことですから、それを全く否定すると。

我々とは考えが違います。ただ、一緒に行ける部分、現行制度をどう改善するかということをまず考えなくちゃならないんですよ。そこも一致すると思います。そして、この法案でまさにやるべきことは、そのことなんですよ、国民の安心を確保するために。

そして、将来の話については、例えばスウェーデンでも、七年間かけて与野党でこの年金の議論をして、政争の具にしてはいけない、こういったことで国民会議をつくってやってきたわけであります。

ですから、別に、この考え方を今百八十度変えなさいということではないんです。この法案からはおろしてください。そして、国民会議の場で議論しましょう。我々は我々の考え方があります。公明党さんは公明党さんの考え方があると思います。民主党にも民主党の考えがあると思います。そこでやりましょうよ。いかがですか。


岡田国務大臣

今委員が言われた、この法案からおろしてくださいということの意味がよくわからないんですが、この一体改革の中で、我々、年金についてのさまざまな法案、改革内容を出しているわけですね、二法案を出しているわけです。その中に、恐らく御党と我々で意見の違うものがあると思いますが、例えば被用者年金の一元化とか、あるいは二十五年を十年にするとか、そういう共通点のものもあるわけでありまして、そういうことをまずこの場で議論させていただきたいということを申し上げているわけでございます。

別途、各党間で議論するということは私はいいことだと思いますが、それは各党それぞれ考え方を持っていなければ議論できないわけで、我々の考え方というのは、さきにお示しした一元化であり、最低保障年金であるということでございます。


茂木委員

せっかく前向きな提言をさせていただいているつもりです、議論を進めるために。

我々は、やはり行き先が全く違う電車には乗れないんですよ。ただ、やはり行けるところまで行こう、その上でその先のことは一緒に考えましょう、こういう前向きな提案をさせていただいているつもりです。総理、いかがですか。


野田内閣総理大臣

何よりも、国民会議なるそういう会議体の中で、お互いに虚心坦懐に議論をするということは賛成であります。そうしなければいけないだろうと思います、特に中長期にかかわることについては。

当面の課題のこの法改正をやって、少なくとも二〇一五年をにらんで、安定財源を含めての議論との整合性をどうとるかだと思うんです。

多分、御指摘としては、法案に書いてある最低保障年金、例えば文章とかを除かなければいけないという御趣旨なのか、文章は入れてあるけれども、事実上この法案を出すというのは来年の通常国会だ、そのために今党で制度設計をやっているんだというこの立場を御理解いただいて、そういう状況だから、いわゆる工程表的には法律に書いてありますけれども、実際の法律は来年出すということの準備をしているということ、その準備をしている間にそういう協議会を設けながらどういう議論をしていくか、その推移を見守る、そういう立場ではどうなのか、ちょっと、そういう意見のやりとりを今後やらせていただければありがたいと思います。


茂木委員

将来のことは将来で議論すると。

私は、あえてきょうは、例えば平成十九年度の年金改革のときに皆さんが今出している厚生年金と共済年金の一元化について反対されたとか、そういう話を言うつもりはないんです。現行制度の見直しで今一致できる部分がある、そこについてはきちんと一致してこれはやっていきましょう。ただ、将来の話については考えの違う部分がありますから、合意できるとしたら、やはり与党の側から譲歩をして一旦白紙にする。そして、協議しないと言っているわけじゃないんですから、我々から、国民会議をつくりましょうよ、こういう話をしているわけですから、ぜひ前向きに考えていただきたい、そのように思います。

社会保障についてもう一点申し上げます。生活保護の問題であります。

やはり明らかに民主党政権になって生活保護はふえております。社会保障費の中でも今一番増加が激しい。平成二十年は、生活保護の受給者は百五十九万人でありましたが、ことしの一月には、これが二百九万人。五十万人も増加をいたしております。また、保護費も、平成二十年の二兆七千億円から三兆七千億円、一兆円近く増加をしているわけであります。

この生活保護は三つの特徴があります。

まず、図の六をごらんください。図の六にありますように、地域別のばらつきが非常に激しいということでありまして、都道府県別で見ますと、最も多い大阪府は三・三五%、百件に三件であります。最も少ない富山県は〇・三一%、千件に三件ということで、十倍の差があるわけであります。

そしてもう一つ、図の七に飛びたいと思いますが、この十年間で、高齢者や障害者以外の働ける世代、これらの生活保護が非常にふえている。特に、生活保護の比率の高い地域ではこの傾向が強くなってございます。現役世代、稼働年齢層、二十から六十四歳、この生活保護受給者、図七の左側にありますように、八十一万人に達しております。そこの中で、多少なりとも働いている人が十四万人、未就労の人が六十六万人、こういった状態であります。

自民党は、手当より仕事、これを基本にして、図の右側にあります就労支援プログラム、これを現在の七万人から就労が見込める二十八万人全てに広げるべきだ、こういうふうに考えております。予算額は大体、試算をしますと百六十億円です。そして、この人たちが生活保護から脱出をして、自分で生計を立てる、こういうことになりますと、最大五千億円以上の財政効果が期待をされるわけであります。

まず、働ける人には働いてもらう、そして、就労支援プログラム初め、そのための環境整備をする、このことが大切だと思いますが、いかがですか。


小宮山国務大臣

それは、おっしゃるとおりだと思います。政府の方としても、当然、働ける人には働いてもらう、その支援をするために、この秋をめどに生活支援戦略もつくろうとしていますし、なかなか、生活保護の人に働いてもらうのは、寄り添ってやらないと難しいので、秋の戦略の中では、NPOとか社会的事業をしている人とか、一緒に協力してもらう人たちも含めて、少しでもそこをふやしていきたいという考え方は同じでございます。


茂木委員 残念ながら、政府の方に具体案がないようですから、単刀直入に提案します。

図の八をごらんください。

手当より仕事を基本とした生活保護の見直し、五つの柱。我が党として相当な検討をしてまいりました。

その一番目が、年金とのバランスの配慮などによります生活保護給付水準の一〇%の引き下げであります。

東京都区部の生活保護費、これは標準三人世帯で二十四万一千九百七十円であります。これに対しまして、一日八時間、二十日間働くとしますと、東京都の最低賃金八百四十円掛ける八時間掛ける二十日間、十三万四千円なんです。そして、国民年金は満額で六万五千五百四十一円。逆転現象が起こっているんですよ。真面目に働いてきた人、そして真面目に保険料を積んでいる人と、生活保護の世帯の収入の逆転現象が起こっている。早急な是正が必要だと考えております。

それから二つ目に、食費そしてまた被服費などの生活扶助、住宅扶助、教育扶助、できるものは現金支給から私は現物支給にした方がいいと思います。

そして、稼働層の自立の促進、公的機関での採用等の就労の支援対策。

そして、過剰診療の防止などによります医療扶助の大幅な削減。医療扶助が半分行っているわけですよ。そこの中できちんとしたレセプトのチェックも行われておりません、残念ながら。ジェネリックもちゃんと使われていない。そして、向精神薬初め、薬の重複処方の問題がある。こういったものをきちんとしていかないと、国民に対して増税のお願いなんて私はできないと思います。

そして最後に、自治体の調査権限の強化、財政圧迫への対応、こういったことも必要だと思っています。

大きな項目をストレートで投げさせていただきました。総理、受け入れていただけますか。総理です。


野田内閣総理大臣

大変建設的な御提起、ありがとうございました。

一番の、水準の話ですよね。これは、今厚労省の専門部会で客観的に検証中だというふうに思います。水準についての議論が今行われているので、それを踏まえて対応していきたいというふうに思います。

三、四、五は基本的にいいと思っているんですよ。

二番はちょっと、例えば受給者のプライバシーあるいは仕組みの運営コスト等々、生活扶助、住宅扶助を現金給付から現物のところ、ここはいろいろ検討事項があるんではないかなと思います。

三番については、これも基本的にそれでよろしいんではないでしょうか。就労支援プログラム充実等々、これは必要だと思います。

四番も、基本的には、ジェネリックなどは問題意識は同じです。法制化するかどうかは議論があると思いますが、基本的には問題意識は同じだと思います。

五番も、法的な根拠を付与するなど、これは自治体などの意見もお伺いしながら、検討する余地はあると思います。

ということで、総じて四か三・五ぐらいは同じではないかと思います。


茂木委員

全体の提案についても四・五とか認めていただきますと、私は、五のうち四・五進めていただきますと議論は進んでいくんじゃないかな、こんなふうに思います。

生活保護については、改めて、やはりやらなくちゃいけないんです、今、本当に。さまざまな改革を進めないと国民にお願いもできない、こういった意味から、また議論させていただきたいと思っております。

もう一つ、円高、デフレ対策、この問題に入りたい、こんなふうに思っております。

今また、欧州危機の再燃、こういう懸念から、円高そして株安が進んでいるわけであります。自民党は、現在の長引くデフレ、超円高について、日銀がもっと大胆な金融緩和策をとるべきだ、こういう主張をしてまいりました、訴えてきました。

二月の十四日に、日銀の金融政策の決定会合でも、これまでの物価安定の理解、国民の誰もが理解できないこういう表現から、物価安定のめど、こういう表現に変わった。半歩前進だ、こんなふうに思っております。

ただ、このめど、英訳を見ますと、FRBと同じようにゴールになっているんです。別に私は、ターゲットじゃなくてゴールでも目標だと思います。もし、めどというのなら、英語で言えばヤードスティックです。なぜ国内と海外で違う表現を使われるんですか。

きょうは、日銀が金融政策の決定会合と重なってしまって白川総裁にお越しいただいておりませんが、かわりに木下理事、参考人としてお越しをいただいております。ゴールならば率直に、目標、こういうふうにおっしゃればいいんじゃないですか。いかがですか。


木下参考人

お答え申し上げます。

目標と申しますか、めどと申しますか、なかなか難しい問題がございます。その中で、私どもといたしましては、特定の目標という言葉には機械的な運用を行うというようなイメージがあるのではないかというようなことを考えまして、めどという言葉。また、英語におきましても、いろいろお考えがあろうかと思いますけれども、ゴールという言葉を使わせていただいたところでございます。

ただ、これをほかの国の中央銀行と比べますと、三つの点でおおむね共通しているというふうに認識しているところでございます。(茂木委員「そんなこと聞いていないよ」と呼ぶ)では、それにつきましては省略させていただきます。


茂木委員

木下理事、全く日本語になっていないと私は思うんですよ、今の答弁。安住大臣の東北弁の方がよっぽど明確だ、私はそんなふうに思っております。

安住大臣は、二月の二十日の衆議院の予算委員会で、この十四日の金融緩和策について、実質的なインフレターゲット、こういうふうに受けとめている、このように答弁をされていますが、そのお考えに間違いありませんね。


安住国務大臣

はい。実質的な設定をちゃんとしていただいて、というのは、一%という数字を挙げて、そこに近づくまでの金融緩和をやっていくというふうに捉えておりますので、その後の株式市況等の傾向を見ても、私と認識は同じだと私は思いますし、日銀も、そうした点では、それに向かって果断な対応をしてくれているというふうに思っております。


茂木委員

実質的なインフレターゲットと。木下理事、同じ考えでよろしいですか。


木下参考人

お答え申し上げます。

実態的な意味でインフレターゲットというような呼び方をなさるのであれば、私どものとっております枠組みもそれに実態的には近いというふうに承知いたしております。


茂木委員

やはり、財務省、政府と日銀のところにずれがあるんですよ。連携強化といっても、そういうふうにならないと私は思っております。

しかも、この物価目標、図の十をごらんください。図の十を見ますと、アメリカも二%、イギリスも二%、カナダも二%プラスマイナス一%、ユーロ圏は二%未満ですけれども、ビロー・バット・クロース・ツー・ツーパーセントということですから、極めて二%に近い。日本だけ一%なんですよ、低い目標。しかも、めど、こういう言い方であります。

やはり私は、これから政府と日銀、これがアコードを結ぶ、協定を結ぶといった形で物価目標を定める、日銀法の改正も視野に入れながらそういったことをやりまして、それで金融緩和、そしてデフレからの脱却、全力でやるべきだと思いますけれども、大臣、いかがですか。


安住国務大臣

私としても、この一%の目標達成に向けて金融緩和はしっかりやっていただかないといけないと思っています。

二%というもう少し高い目標を持てという御指摘でございます。そうした意見も強いことは承知しておりますが、政調会長御存じのように、この十数年間、日本の実質的な、名目、実質を含めた成長を見ても、デフレの状況の中で一%を達成するのも、小泉さんの構造改革の中で、不良債権を処理した後に比較的経済の好景気は生まれましたけれども、そういう中でもやはり一%の達成というのは大変な難しい状況だったと思いますので、実質的に、まず確実に一%の目標を実現していくために、私どもとしても、日銀と連携をしっかりとりながら、私もしっかりとこの目標達成のためにやっていきたいというふうに思っております。


茂木委員 大臣御案内のとおり、今、国際金融マーケット、つながっているんですよ。日本だけじゃないんです。そうすると、日本だけ違う目標という話にはならないんですね。ここのところはきちんと、日本が過去どうだったからということではなくて、今、本当にデフレから脱却しようとしたらどういう対策が必要なのか。もし政府がやらないのなら自民党がきちんとやります。そういったことをやっていきたい、そんなふうに思っているところであります。

きょうは、さまざまな議論、総理を中心にさせていただきました。本当にありがとうございます。

選挙を通じて、我々は、消費税の引き上げ、これを約束しました。国民から授権を受けているのは自由民主党だけだ、こういう自負を持っております。民主党には、その資格、本来ならありません。

しかし、そういった中でも、自民党は、きょう、質疑を通じて五つの具体的な提案、さらに踏み込んでさせていただいた思いであります。

まずその一つが、財政再建と景気対策のバランスについて。当面、消費増税即財政再建ではなくて、消費税の引き上げと並行して、今申し上げたデフレ対策、有効需要の創出、そして成長戦略に重点を置いた財政運営を行う。そして、この方針に沿って、もしプライマリーバランスの達成がそれでもできるというなら結構です、できないんだったら現実的にこの目標を引き直す、こういったことも必要だと思います。これが第一点です。

そして二点目は、その具体的な有効需要の創出策として、事前防災、この事前防災の考え方に基づきます国土の強靱化を進める。そして、短期のばらまきから、技術開発そして人材育成など、将来への投資に資源配分を転換するということであります。

そして三番目、社会保障につきまして、額に汗して働く人が報われる、自助を基本にして共助、公助を組み合わせるという社会保障の基本的な考え方。そして、我が国の社会保障は、社会保険制度を引き続き基本とし、必要な是正を行う。そして、この方針に沿って、年金の一元化、最低保障年金、さらには後期高齢者医療制度の廃止の方針、これは一旦白紙に戻して、我々がまさに提案をしている社会保障制度改革国民会議で別途議論を進めましょう。こういう三番目の提案であります。

そして四つ目に、生活保護に関しまして、給付より仕事、これを基本にしまして、給付水準、これにつきましては、若干今後議論はあるかもしれませんが、一割削減。そして、何よりも医療扶助、これの適正化、徹底的な見直しを行うことであります。

そして五つ目に、最優先のデフレからの脱却。ここにおいて、日銀が独自に、勝手に目標を設定して、海外と国内で言うことも別々、こんなことではなくて、きちんと本当に連携強化をとるために、政府と日銀、これの協定、アコードによって話を進める。日銀法の改正も視野に、こういったことを進めながら、デフレからの脱却、これを図っていくことが第一なんだ、こんなふうに私は思っているところであります。

率直に申し上げて、今の消費税に関します七法案、政府の法案、閣法のままで我が自民党として賛成する、こういったことはできません。大幅な修正、そして法案の一部につきましては撤回が必要だ、私はこんなふうに考えております。

ですから、我々も責任政党として具体的な提案、きょうも申し上げたわけであります。この五つの提案、ぜひしっかりと受けとめていただきたい。受け入れていただくか、もう一度確認をさせていただきたいと思います。

政府の方針、そして法案について、見直すべきは見直す、そして撤回するべきは撤回をする、これが総理の思いを前に進める、そして日本を前に進める唯一の道だ、私はこんなふうに思っております。もう会期も一カ月なんです。まさに、総理の決断、総理の覚悟が最後なんですよ。ぜひその決断、覚悟をここでお示しいただきたいと思います。


野田内閣総理大臣

大変きょうは前向きな、建設的な御提起をいただきましたこと、心から感謝を申し上げたいと思います。

むしろ、きょうは、私は答弁の側なんですが、逆に、質問をしてお尋ねしたいところがたくさんございました。

こういう議論を積み重ねながら、私どもの考えは、これまでの長い経緯があって、私たちなりにはベストのものを出しているものがあります。だけれども、その発想が足りなかったところとか変えた方がいいもの等々を、きょうの御提起を含めて、よく検証させていただきたいというふうに思いますし、まさに胸襟を開いた議論というのはこういう議論だと思います。

きょうを契機に、さらに議論を深めていきたいと思います。御提起ありがとうございました。


茂木委員

我々として、率直に、我々が考えてこれがベストだという提案を惜しみなくさせていただいたつもりです。こうすべきだということを言わせていただきたいと思います。

ボールは、まさに今、総理の側にあります。ストレートを投げさせていただきました。早目に投げ返してください。お待ちしています。

以上、終わります。


中野委員長

これにて茂木君の質疑は終了いたしました。






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