活動報告

ドイツ訪問(ミュンヘン安全保障会議)

  


  


  



ミュンヘン安全保障会議が行われたドイツから帰国しました。

ミュンヘン安全保障会議では、ルッテ・オランダ首相、ジャイシャンカル・インド外相、レイノルズ・オーストラリア国防相、メネンデス米国上院議員と共に「アジアにおける安全保障関係への対処」をテーマとするパネル・ディスカッションに参加しました。私からは、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の推進の重要性、特に、3つの連結性の改善、すなわち質の高いインフラ整備を通じた物理的連結性の改善、教育等による人的連結性の改善、EPA等を通じた制度的連結性の改善が重要である旨発信し、FOIPの具体化に向けて充実した議論を行いました。

また、会議参加各国の外相との間で6つの会談等を行いました。

日米韓外相会合では、最近の北朝鮮をめぐる情勢について意見交換を行い、今後の対応方針に関して議論を深め、引き続き連携していくことで一致しました。また、中国で感染が拡大し、地理的な広がりも見せている新型コロナウイルス感染症や中東情勢など最新の国際・地域情勢についても意見交換を行いました。新型コロナウイルス感染症については、感染拡大防止に向けた中国の取組を支持し、国際社会としても支援していくことで一致しました。

日韓外相会談では、康京和(カン・ギョンファ)長官との間で、目下の日韓間の最大の課題である旧朝鮮半島出身労働者問題につき、その早期解決の重要性につき一致しました。また、新型コロナウイルスへの対応に関連し、両国間で緊密に情報共有や連携を進めていくことでも一致しました。私からは、この新型コロナウイルスの問題やALPS処理水の問題等について、科学的根拠に基づく正確な情報発信を求めると同時に、カン長官との間で、懸案解決に向け外交当局間の意思疎通を継続すること、国民間の交流を促進することで一致しました。

日イラン外相会談では、ザリーフ外相と、中東の緊張緩和及び情勢の安定化に向けて意見交換しました。私から、地域における高い緊張を憂慮している旨述べつつ、抑制的に対応するよう求め、今後も日イラン間で緊密に連携していくことで一致しました。また、私から、日本関連船舶の安全確保のため、外交努力、航行安全対策と併せ、情報収集態勢強化のために独自の取組として自衛隊を派遣することを改めて説明し、昨年12月のローハニ大統領訪日時に表明されたイラン側の立場に変わりがないことが確認されました。

また、ポンペオ米国務長官とは、日米韓外相会談終了後に短時間、立ち話を行いました。ポンペオ長官からは、新型コロナウイルスに関連して、ダイヤモンド・プリンセス号でのこれまでの日本の対応を評価する、今回の米国籍乗客の下船、帰国のオペレーションに関しての日本の協力に感謝する、との発言がありました。また、ポンペオ長官とは、強固な同盟関係の下、本年米国で開催されるG7を含め、北朝鮮問題をはじめとする国際社会の問題について、日米で引き続き緊密に連携していくことの重要性を改めて確認しました。

日中外相会談では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向け、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。私からは、引き続き中国に対する支援を惜しまない旨述べました。また、私から、湖北省に在住する邦人の帰国のために、中国が全面的に協力してくれていることを日本として高く評価している旨述べるとともに、希望する邦人全員の帰国に対する支援を改めて要請したのに対し、王毅国務委員からは、邦人の安全や健康のため全力を尽くしたい旨述べるとともに、日本のこれまでの支援について謝意が述べられました。また、今春の習近平国家主席の国賓訪日についても、引き続き日中両国で緊密に連携して準備を進めていくことで一致しました。

日露外相会談では、平和条約交渉について、昨年末の外相会談を踏まえ、交渉を前進させるための方策につき、私の考えをより具体的に伝えました。共同経済活動については、先月行われた包括的局長級作業部会での議論や本年実施するプロジェクトを念頭に、今後の協議の進め方について議論しました。また、元島民の方々が北方四島への訪問に関して要望されている措置について、先日「北方領土の日」に総理が元島民の方々から要望をお聞きしたので、前向きな検討を依頼しました。その上で、今回の会談での議論を踏まえて、速やかに次官級協議を開催し、フォローアップさせることで一致しました。また、私からラヴロフ外相の早期の訪日を招待し、日程調整することとなりました。

一日を振り返ると、各国の首脳・閣僚が一堂に会し、国際社会が直面する様々な安全保障上の課題に対し、実質的な議論を行う場に、日本の外務大臣として参加し、我が国の取組を発信できたことは、大変有意義でした。また、日露平和条約交渉や北朝鮮・中東情勢、さらにはコロナウイルスへの対応など課題が山積する中で、各国のカウンターパートとしっかりと議論を行えたことは大きな意義があったと思います。