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トルコ訪問

トルコでは、立ち並ぶモスクの尖塔から、礼拝の時間を告げるアザーンが響き渡っています。アジアと欧州に跨がる戦略的要衝であり、多くの文明の興亡によって多様な文化が入り交じるトルコ。歴史は世界で初めて鉄を使い栄えたヒッタイト帝国から始まり、ギリシャ、ローマ、ビザンティン、オスマン時代の史跡が数多く残る、まさに、数々の歴史の目撃者とも言われます。16世紀、オスマン帝国のスレイマン1世の治世下では、東はカスピ海から、西は北アフリカまで、多様な人種・文化・宗教をその支配下に置きながら、平和を確保した「柔らかな専制」が行われました。

ボスポラス海峡を隔ててアジアとヨーロッパが出会う街、イスタンブールを初めて訪れたのは、もう30年以上前だったと思います。イスタンブールは、かつてコンスタンチノープルと呼ばれたビザンツ帝国の首都であり、1453年、第7代スルタンであるメフメト2世によってオスマン帝国の下に置かれました。ボスポラス海峡に渡された橋の1つは「ファーティフ・スルタン・メフメット橋」、つまり「征服王」メフメット橋と呼ばれ、市民に親しまれています。イスタンブールには、グランド・バザールを始め、今なお昔ながらの市場が残っており、スパイスから絹製品、貴金属に至るまで、多くのお店が所狭しと並んでいます。

また、イスタンブールでは、壮麗なモスクだけではなく、ユダヤ教の礼拝所シナゴーグやギリシャ正教の教会も混在しています。こうした多様な街並みは、トルコが、「東」と「西」を結ぶ交易路の中心として発展し、異なる文化・宗教を包容してきたことを物語っています。

今日は、エルドアン大統領、チャヴシュオール外相と会談しました。『海難1890』という映画にもなったエルトゥールル号遭難事件から130年以上かけて育まれてきた日トルコの友好関係の更なる発展に向けた方策について意見交換しました。特に、海上輸送による貿易を重視する国同士として、経済分野や法の支配に基づく海洋秩序の定着等に向けた協力強化を確認しました。

ところで、「世界三大料理」ってご存知ですか。フランス料理、中華料理と、もう1つがトルコ料理です(個人的には、今なら和食を入れて「世界四大料理」とすべきだと思いますが)。料理にはヨーグルトを多用し、肉を棒に巻き付けて焼いたドネル・ケバブ、伸びるアイス(ドンドゥルマ)、シロップたっぷりの甘いお菓子などは日本でも人気があります。また、黒海、エーゲ海、地中海と、3つの海に囲まれていることから、シーフード料理も非常に美味です。