活動報告

TICADⅤ テーマ別会合2
「成長のための基盤整備」 スピーチ

平成25年6月2日


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■現在、アフリカは急激な経済成長を遂げ、世界経済のフロンティアと呼ばれるまでになりました。しかしながら、日本企業のアフリカ進出はいまだ限定的です。私は、日本とアフリカの関係を日本企業が現地に根ざし、じっくりとアフリカに向き合うような関係に変え、日本が「信頼できるビジネスパートナー」としてアフリカの更なる発展に貢献できることを目標としたいと思います。

 

■本テーマ別会合では、アフリカの更なる発展に向けた課題として、インフラ、人材育成、環境を取り上げていると承知しています。本日は、これら3つの課題への日本の取組方針について申し上げるとともに、アフリカの成長基盤として重要な役割を担う資源分野での協力について、紹介します。

 

■第一に、アフリカのインフラ整備に向け、日本の政府と企業が一体となって貢献していけるよう努めていきます。

 

■日本企業は、アフリカの厳しい環境のなかで人々の生活基盤を支える様々な技術を有しています。例えばアフリカの地方では、いまだ送電線が届いていなかったり、清潔な水を得るために村の女性や子供たちが何時間も歩いたりしている地域が残っています。そこで、ある日本企業は、太陽光パネルで発電し、そのまま電気分解で浄水するハイブリッド型の水処理装置を開発しました。まさに一石二鳥で電力と水の問題を解決できます。このパシフィコ横浜の展示ホールで開催中の「アフリカン・フェア」で展示しています。

 

■日本は、電力、水、鉄道、港湾の分野に強みがあります。私は、これら分野に注力し、日本からの官民ミッションの派遣やアフリカの関係者の招聘を通じて、皆様が日本の技術に直に触れる機会を増やしていくことを考えています。

 

■第二に、アフリカの人材育成への協力を進め、喫緊の課題となっているアフリカの若年層の雇用確保に貢献します。

 

■昨日、安倍総理は、5年間で約3万人の人材育成協力を表明しました。とりわけ、成長の基盤となるインフラ開発や製造業に携わる産業人材育成については、JICAやハイダ(HIDA)を通じて積極的に進めていきます。また私からは、分野別の取組として、資源分野において5年間で1,000人の人材育成を行うことを、この場であらためて表明します。

 

■現在、日本企業は、総計20万人の雇用をアフリカで創出しています。私はこれを、日本とアフリカのビジネス関係を強化し、次回TICADまでに40万人に倍増させることを、この場で目標として掲げます。

 

■同時に皆様には、こうした企業のビジネスが成功裏に進むよう、引き続き投資環境の整備をお願いします。日本としても協力は惜しみません。

 

■第三に、環境分野の協力について述べたいと思います。

 

■アフリカが成長と環境の両立を図るにあたって、日本の環境技術は、必ず役に立つものと確信しています。地熱発電、スマートグリッド、電気自動車といった産業分野の技術に加え、より草の根に近い技術もあります。例えば、ある日本企業は、保水力の極めて高いパイプ状の人工プランターを開発しており、これを長くつなげることにより砂漠でも農業生産が可能となります。こちらも、「アフリカン・フェア」で展示中です。

 

■気候変動対策の観点からは、私は、日本の環境技術の途上国への導入を促す「二国間オフセット・クレジット制度」の構築を目指しています。先週の27日には、エチオピアとの間で合意文書に署名しました。本制度はアフリカの経済発展に大きく貢献するものと確信しており、アフリカの様々な国と議論を重ねてまいりたいと思います。

 

■最後に、これまで挙げた課題の解決に向けて、日本としてどう貢献していくかの方針を現す一つの事例として、資源分野での最近の取組について報告したいと思います。

 

■去る5月18日、私は、11人の資源担当大臣を含む15ヶ国の代表団を招き、日本で初の試みとして、「日アフリカ資源大臣会合」を開催しました。同会合では、本テーマ別会合のテーマでもあるインフラ、人材育成、環境などの開発課題について、テーマごとに活発に議論しました。

 

■私からは、アフリカの持続可能な資源開発に向けた日本の協力、「日アフリカ資源開発促進イニシアティブ」を発表しました。具体的には、5年間で20億ドルのファイナンス支援、1,000人の人材育成、鉱山の環境保全にかかるセミナー開催などです。

 

■資源大臣会合に先立ち、5月16日から17日にかけ、アフリカの資源開発をテーマとした日本で初の国際会議、「J-SUMIT(国際資源ビジネスサミット)」を開催しました。

 

■アフリカの資源分野への投資に関心を示す日本企業を中心に、50ヶ国から約2,000人の参加を得ました。私は、これは、日本企業がアフリカの資源開発に対して、高い関心を持っていることの表れであると考えます。

 

■こうして生まれたビジネスの種が、今後、バオバブの木のようにアフリカの大地にしっかりと根を張り、まっすぐ大きく育つよう、政府としても全面的に支援していくつもりです。

 

■日本は、長期的な視野を持って、アフリカの経済開発にともに取り組んでいきます。最後に紹介した資源の分野にかぎらず、様々な分野において、インフラ、人材育成、環境といった課題の解決に向けて、アフリカの皆様とじっくり向き合って、現場ベースでひとつひとつ議論していきたいと考えます。

 

■そのためには、TICADⅤの成果を踏まえ、具体的にフォローアップしていくことが重要です。早い機会に、私自らが情熱と希望の大陸アフリカをこの足で踏みしめ、皆様と一対一で解決策を見出していきたいと考えます。