TV会見・記者会見

政調会長会見要旨

平成23年12月16日

【冒頭発言】

 本日、シャドウ・キャビネットを開催しました。案件は、「平成24年度予算に関するわが党の基本的考え方」と「沖縄の振興及び自立発展のための特別措置法案」で、総務会で一部文言修正の上了承されました。

 

 平成24年度予算に関するわが党の基本的考え方について説明します。
 冒頭に「平成24年度予算については、わが党は、政権交代を果たし、予算を作り直していくとの立場に立つとともに、日本人の「絆」、地域の「絆」を守り、強化する新しい国創りの第一歩と位置付けるべきと考える」としていますが、これは、平成24年度予算については単純に野党として政府の予算を批判するのではなくて、年度の途中で政権交代しつくり変える、これがわが党の基本的な考え方です。


現状認識で3点、①の東日本大震災からの本格復興については、まさに我々がリードして震災からの復旧・復興を進めてきたという自負がある。最後の3行に、「来年こそは、本格的な復興に踏み出し、被災者の生活再建、被災地の復興への展望が開けない状況を打破していかなければならない」としています。


 ②のデフレ、円高等の経済問題の克服、雇用の回復については、「我々は、デフレ脱却を最優先の政策課題と位置付け、大胆な金融緩和策、税・財政政策、成長戦略など、あらゆる政策を総動員する」そして、「短期的な視点に立ったバラマキ政策を排し、技術開発や人材育成など持続的成長に資する基盤整備に重点的に資金を投入していくべきである」、という方針を示しています。


 ③の財政健全化への本格的な取り組みについて、最後の3行、「『財政健全化責任法案』の趣旨に基づき、財政健全化への明確な道筋に沿って、限られた財源を真に必要な政策に重点的かつ効率的に配分する必要がある」としました。


 そして、予算編成に当たってのわが党の基本方針として、7つの項目をまとめました。この7つの基本方針に入る前に、民主党バラマキ政策の撤回を改めて求め、そして3党合意の中で見直しをすると民主党は約束をしたはずの事業、農家の戸別所得補償についても、高校授業料の無償化についても、子ども手当についても、検証・見直しをすると言いながら結局何もなされていない。こういう点を指摘しています。


 また、最後に国家公務員の給与削減法案について3点セットの深堀り法案を自民、公明の共同提案で既に国会に提出していますので、その早急な成立を図っていくということを明記しています。


 第2章において、平成24年度予算で重点を置くべき課題をあげています。最初に大震災からの迅速かつ本格的な復興をあげ、冒頭に、除染の早期完了など迅速に進めるべき5点について書いています。


 後段では、政府は5年間で復興費用19兆円、10年間で23兆円規模ということですが、これではおそらく足りなくなるということ、硬直的な財源ありきの枠にとらわれずにしっかり対応すべきであると指摘しています。
次に、持続的成長を可能とする日本経済の再生ということです。先ほど申し上げた、デフレからの脱却に向けた大胆な金融緩和政策の断行、これを一丁目一番地に位置付けています。そして、「日本経済を持続可能な成長軌道に乗せるための大胆かつきめ細かい“ネオ・成長戦略“を新たに策定する」、まさに成長なくして将来なし。「将来への投資」という方向性をしっかり打ち出したいと思っています。


 次に、地域を元気にする対策の推進です。「東日本大震災によって、我々は家族の「絆」とともに地域社会の「絆」がいかに大事であるかを改めて確認した。地域こそ保守政治の原点である。地域を再び元気にするため、それを構成する農林水産業、中小企業、また地域のコミュニティーなどの再生に全力を挙げて」いくということであり、中小・小規模企業対策、農林水産業対策、地方財政への配慮などを記述しています。


 次が新しい基軸でありますが、強くて、しなやかな国土づくり、国土の強靭化です。今年の東日本大震災、そして相次ぐ台風災害、明らかに日本列島が災害に対し弱くなっている、これを創り直すということです。「コンクリートから人へ」という空虚なスローガンではなくて、しっかりとした国土政策を策定していくということです。もちろん、我々が日本列島をコンクリートで覆うということを考えているわけではありません。例えば、後段にありますように、「発災直後からの人命救助や国民生活や経済活動の復旧・復興のために必要不可欠な、十全な通信・輸送・教育・医療・ライフラインなどの機能を確保するためのハード・ソフトの組み合わせ」そしてバックアップ機能の確保などをきちんと進めていきたいと思っています。


 そして5番目が、国民が安心できる社会保障制度の構築であります。「『自助』、『共助』、『公助』の順に従って政策を組み合わせ、真に必要とされる社会保障制度の構築に向けた改革を進めていく」ということです。また、基礎年金の国庫負担割合の2分の1への引き上げですが、政府は消費税の引き上げを見込んで別枠の国債を発行するとか、年金特会の資金の流用を検討しているようですが、「まずは、バラマキ政策をやめ、徹底した歳出削減と効率化で所要額を確保すべきと考える」としています。


 6番目は、次代を担う人材の育成、そして7番目が国益を守る外交・防衛の確立で、お手元のペーパーの通りです。


 この基本的考え方をベースに、来年の予算審議に臨んでいくことになります。予算案が正式に決定しましたら、より詳細な内容について、わが党として精査し、「正すべきポイント」を2月の中旬にまとめたいと考えています。ネーミングについても「正すべきポイント」にするのか、来年は年度途中で予算をつくり直すということで、新たなネーミングにすべきか検討しているところでです。

 

 

 

【質問】

 先ほど、野田総理が福島原発の冷温停止状態の達成と、ステップ2の完了を宣言されたということですが、これを受けて、これまでの政府の対応について政調会長としてどのように考えておられますか。

 

【答え】

 今回の原発事故については、初動が遅れたということは明らかであると思っています。それから、国民に対する情報提供が不十分であったこと、それが様々な混乱を招いたことは明らかです。冷温停止状態の達成については、我々も現在どのようになっているのか詳細な内容について情報がなく承知していませんので、その結果を見た上で判断したいと考えます。

 

 

 

【質問】

 説明の中で、円高対策に関して大胆な金融緩和ということを謳っておられますが、具体的にどのような政策をイメージされているのでしょうか。


【答え】

 大胆な金融緩和というのは、円高対策というよりはその前にあるデフレからの脱却に関して、今後具体的に詰めていきますが、ゼロ以上の数値目標を設ける、例えばプラス1.5、±1.0とか、その数値目標を達成するための手段と考えています。

 

 

 

【質問】

 今回は政権を取り返し、予算案をつくりかえるというのが、大きなポイントかと思いますが、それに対する意気込みをもう少し詳しく御説明下さい。

 

【答え】

 ここにある項目を詳細に見て頂くと、現在民主党政権が進めているのとは異なる政策が多々見受けられると思います。例えば、3ページ目、現在19兆円と23兆円と見込まれている復興事業規模ですが、我々が政権を取れば見直します。経済政策を取っても、今の政権は無策でありますし、アンチビジネス政策を取っています。こういったアンチビジネス政策を見直す。そして、民主党の〝経済政策の空洞化〝の部分を埋めていかなければならないと考えています。
 それから地域に対する配慮ですが、地域主権なる言葉が躍っていますが、地域の中小企業をどうするか、農業をどうするか、水産業をどうするか、林業をどうするか、こういったことに対する具体的な政策が民主党政権にはない。これらにしっかりと取り組んでいきたいということです。

 国土の強靭化とも関連しますが、やはり今年の台風災害を見ても、日本の山が弱くなっていることは間違いがない。昭和31年の木材の自由化後、国内の林業の採算が合わなくなり、様々な問題がでました。ある程度の予算をかければ、日本の山は再生すると考えています。4番目にある国土の強靭化は、民主党政権が掲げてきた「コンクリートから人へ」に対する明確なアンチテーゼです。もちろん、日本列島をコンクリートで覆うわけではなく、災害が起きても絶対に孤立しないためには、どのような地域づくり、社会資本整備が必要かということも考えていきたい。

 

 

 

【質問】

 予算について、政権交代を果たしてつくり直すということですが、予算案が通る前であればつくり直すと言うことでいいかと思うのですが、予算案が通過した後の解散総選挙であれば、これは一部事業を執行停止にして、新たな事業を追加していくということを想定されているのでしょうか。

 

【答え】

 そのような形になるかと思います。やり方はいろいろあるでしょうが、予算案が通過する前であればもちろんつくり直すということになりますし、通過した後ということになれば、執行停止、凍結をして、場合によっては新たな政策に関して補正を組む等で対応しなければならないと考えます。

 

 

 

【質問】

 基本的考え方の中にもあるように、予算をつくり直していくということですが、谷垣総裁からも来年に関して不退転の覚悟で臨むという発言がありましたが、石原幹事長が、谷垣総裁が出なければという前提で、来年の総裁選に出る意欲を示した旨の発言をしました。これに対して、党内では真意がわからない等、発言を疑問視する意見が相次いでいますが、この幹事長の発言に対する政調会長のお考えをお聞かせ下さい。

 

【答え】

 幹事長はマスコミ出身でありまして、マスコミの皆さんが質問されたことには丁寧にお答えになっていると思います。執行部としては、来年の通常国会中に解散総選挙に持ち込む、これが基本方針です。総裁選は9月ですから、その前に政権を奪還する、これが基本認識です。

 

 

 

【質問】

 この予算に関する基本的な考え方と、今後策定されるマニフェストとの関係性についてお聞かせ下さい。

 

【答え】

 3段階であります。この「基本的な考え方」、そして予算案が出てきたら、細かな項目の精査も含めて、第二弾の「正すべきポイント」を作ります。これらは予算の話ですが、そこでもマニフェストに入れるべき項目というのは出てくると思います。ただ、マニフェストの中には憲法改正や大都市制度についてどう考えるかということ、外交・安全保障など、予算とはまた別にマニフェストに書き込む事項が出てくると思います。そういったものも含めてマニフェストを完成させていきたいと考えます。

 

 

 

【質問】

 今日行われた民自公の幹事長代行会談で、公明党から郵政問題に関する試案が出てきましたが、この公明党案に関する政調会長としてのご認識は如何でしょうか。

 

【答え】

 公明党の方針は基本的に政府の今出している改革案ではなくて、現行の民営化法の修正と聞いています。その点に関しては、自民党と基本的な認識は一致しています。それを踏まえて、わが党としては、まず、改正法案、凍結法案、これを撤回してから議論をスタートしましょうというスタンスです。

 

 

 

【質問】

 今の公明党案についてですが、郵貯と簡保の株式については親会社が3分の1を保有するのですが、平成34年までに2分の1以上を売却するとしていますが、これは完全民営化という趣旨からして、どのような認識をお持ちですか。

 

【答え】

 郵政の見直しについては大きく3つあると思っています。1つは、マネージメントの問題、2つ目に組織をどうするか、そして最後に資本関係ということです。率直に言うと、今のマネージメントは腐っています。これを変えない限り、郵政はよくなりません。
その上で、組織をどう組み替えるか、資本関係をどうするかについて考えていかなければなりませんが、様々な組み合わせがあると考えています。ただ、マネージメントの問題を解決しない限り、どのような組織にしようが、どのような資本形態にしようが、郵政はよくならないと考えています。