TV会見・記者会見

茂木経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

平成25年8月30日(金)
10:53~11:15
於:記者会見室

(冒頭発言)

 

 おはようございます。私から最初に何点か御報告を申し上げます。

 

【平成26年度概算要求等】
 まず、平成26年度の概算要求等の関係ですが、予算の概算要求、そして税制改正要望、本日提出をいたします。経済産業省としての重点的な取組としては、まずは福島被災地の復興の加速、そして成長戦略の迅速かつ確実な実行、さらに中小企業・小規模事業者対策、これも重要だと考えております。予算・税要望についても、こうした柱に沿ってつくり上げております。
  予算の概算要求ですが、主だった項目を申し上げますと、 福島被災地の復興については、福島第一原発の廃炉に向けた取組を強化していきます。廃炉関係研究開発として125億円を要求するほか、汚染水対策についても、予備費の活用のほか来年度予算としても事項要求を行ってまいります。あわせて復興庁計上予算も活用し、避難されている方が一日も早く帰還できるように福島被災地の産業復興を進め、雇用創出、生活再建支援を加速してまいりたいと考えております。
 成長戦略としては、まずは民間投資の促進の問題で す。省エネ投資等の大幅加速など民間投資を促進するため、1,955億円を要求いたします。また研究開発としては戦略市場創造プランに沿って健康長寿、クリーンエネルギーなどに重点化いたします。特にクリーンエネルギーについては、次世代デバイスや畜電池技術など1,687億円を要求いたします。また、世界に勝てる研究開発を府省連携で推進するため、137億円からこの予算を315億円に倍増して要求をいたします。本年度が137億円、それに対して26年度は315億円ということになります。さらに、中小企業・小規模事業者の活性化を図るため、中小企業対策費を本年度の1,071億円から1,351億円と前年度比で約3割近く伸ばして要求をいたします。
 なお、厳しい財政状況の中でも成長への投資を効果的に行うべく、複数の支援メニュー、これを大括り化するなど、費用対効果を高めるべく工夫を行い、筋肉質な予算要求としたいと思っております。
 これらによりまして、経済産業省計上予算については、一般会計、エネルギー特会、特許特会、貿易再保険特会を合わせて総額1兆7,470億円の要求となっております。
 一方、税制改正要望につきましては、政権として景気回復の兆しを全国津々浦々まで実感してもらえるように総合的な対策を打っていくことが基本です。このために日本再興戦略に掲げられておりますいくつかの点、 まずは生産性向上を促す思い切った設備投資減税、二つ目に事業再編を促進する税制、三つ目に企業のベンチャー投資促進税制など、産業の新陳代謝に必要な措置を盛り込んでまいります。また研究開発投資や中小企業の設備投資促進のための税制措置も加え、秋の税制調査会で御議論をいただきたいと思っております。
 加えて、消費税率引き上げの場合の需要減に対応した車体課税の抜本的見直しを要望いたします。
なお、国際水準に比べて高い我が国の法人実効税率の引き下げ、これは引き続き重要な課題として前向きな議論を求めてまいります。
今後秋の臨時国会に産業競争力強化法案を提出いたします。予算や税など、あらゆる政策資源をこの3年間で集中的に投入して大胆な政策により企業の設備投資を促し、民間主導の持続的な経済成長を実現していきたいと思っております。
 本日提出をいたします予算、税制改正の要求につきましては、成長戦略の実行と、これを第一に掲げる安倍内閣にふさわしいものとなるよう財政当局と調整を図ってまいりたいと考えております。

 詳細につきましては、この後事務方から説明をさせていただきます。

 

【株式会社海外需要開拓支援機構】
 もう一点、全く別件でありますが、クール・ジャパン推進機構の幹部人事の関係で す。 本年6月に株式会社海外需要開拓支援機構法が成立して以降、 いわゆるクール・ジャパン推進機構の設立に向けて準備を進めているところであります。設立に当たっては、まず機構の中核となる幹部人事を 決める必要があり、各方面とこれまで相談をしながら人選を進めてまいりました。今般、会長としてサンケイビル代表取締役社長の飯島一暢氏、社長として松屋常務執行役員の太田伸之氏を内定いたしました。
 飯島氏は三菱商事において豊富な海外事業経験を持ち、その後もフジテレビにおいて現在のスカパーの立ち上げ、海外メディアとの事業連携等に積極的に取り組むなど、幅広い事業経験と実績をお持ちの方でありまして、社長、会長、経営者として力量も高く、関係業界からの信頼も厚い方であります。
 一方、太田氏は国内のデザイナーを束ねて世界に発信する東京コレクションを創設された方であります。また、松屋及びイッセイミヤケにおいて世界のデザイナーやアパレル、百貨店業界との幅広いネットワークを活用して、多くの実績を上げるなど関係業界からの評価が高い方であります。
 こうした実績を見ても、お二人とも日本の魅力を事業展開し、海外市場の開拓につなげるクール・ジャパン推進機構のトップとしてふさわしい人物だと考えております。ぜひ今後の活躍を期待したいと思っております。
 本日は、あくまで内定という形でして、今後本機構の法的な設立手続のプロセスにおいて正式に決定をされることになります。
 なお、機構の設立は、11月を予定しております。

 私から以上です。

 

 

(質疑応答)


【平成26年度概算要求】
Q: 三問伺います。今回の概算要求でポイントといいますか、目玉になるような政策というのは、大臣としてどこに入っているとお考えでしょうか。

 

A: 今まさに申し上げたとおりですけれども、もう一回言いますか。

 

Q: もう大丈夫です。

 

 

【汚染水対策】
Q: もう一点ですけれども、汚染水対策の関係で、福島の佐藤知事の会見でも出たかと思うんですけれども、ALPSの増設については国費でということでよろしいんでしょうか。

 

A: 注入されている高濃度の汚染水から放射性物質を除去する。このことは汚染水問題の抜本的な解決、さらには廃炉に向けて極めて重要な課題だと考えております。今週26日 月曜日 に福島第一原発の汚染水対策現場視察をした際に、私から東京電力に対して高濃度汚染水の処理の加速化を指示したところです。汚染水処理の加速化に多核種除去設備、ALPSの増設が必要な場合は、国として一歩前に出て責任を持って進めたいと考えております。

 

 

【TPP(首席交渉官会合)】
Q: 三点目ですけれども、今日でTPPの首席交渉官会合終りますけれども、今回のラウンドについて、大臣としてのお考えをお聞きします。

 

A: 日本の場合、参加が決まってから短い期間でありましたが、甘利大臣、そして鶴岡首席交渉官を中心にしっかりした体制でブルネイの会合、臨めたのではないかと思っております。守るべきは守る、攻めるべきは攻める、という基本方針に向けて、国益の最大化に向け、交渉チーム頑張っていただいていると思っているところです。今日がブルネイの交渉、最終日ということでして、今後年内合意に向けて、閣僚レベル、交渉官レベルで精力的に交渉を進めていきたいと考えております。

 

 

【汚染水対策】
Q: 汚染水対策の処理対策委員会、9月中に対策取りまとめというふうにおっしゃっていて、大臣はなるべく早い時期にというふうにさらに前倒しを示唆されていますが、具体的に、例えば、オリンピックに与える影響もあるので、IOC総会が開かれる9月7日の前に取りまとめ発表ということはあるのでしょうか。

 

A: 日程は確定しておりません。ただ、できるだけ早くとは思っております。

 

Q: その関係でALPSについてなんですけれども、先ほど「一歩前に」という話があって、財政措置も含めた支援をということを受け止めましたけれども、ALPSについても技術的な課題があって、緊急性があって、技術的な難度があるものに該当するというふうに考えているということでしょうか。

 

A: 先ほど申し上げたように、高濃度汚染水から放射性物質を除去することは緊急な重要な課題だと認識をしております。
そして、極めて難度の高い技術を要するものであるという認識を持っております。今週の月曜から申し上げておりますように、ALPSだけに限定せずに、 緊急性があって技術的難易度の高いもの、こういったものにつきましては予備費も含め、財政措置を国として講じていきたい。この観点から、必要なものは全てやっていきます。

 

Q: 2020年の東京オリンピック招致に影響をしてしまうんではないかという声が与党内からも上がっているんですけれども、大臣御自身はオリンピック招致に対する影響というのは、どう考えていらっしゃいますか。

 

A: 汚染水対策、確かに3・11の事故が起きてから後手後手に回ってきたという部分は否めないと思っております。ただ、我々が政権について汚染水処理の委員会を立ち上げ、6月にも緊急対策、抜本対策取りまとめを行いました。まさに、これからそういったことを確実に実行していくということによりまして、内外のいろいろな懸念をしっかりと払拭をしていきたいと考えているところです。

 さらに水の問題、食品の問題、こういった安全管理ということに関しては、諸外国と比べても我が国、大変高い基準のもとでこれまでも管理をしてきたことも含め、しっかりと発信をしていきたいと思っております。

 

 

【TPP(首席交渉官会合)】
Q: TPP交渉なんですけれども、今後の交渉の進め方なんですが、一部で9月中旬に首席交渉官会合をアメリカで開催してといったような報道もあるようですけれども、今後どういう形でブルネイ以降進んでいくかということについて、大臣の方に何か報告なり、情報なり、何かお聞きしていることはありますでしょうか。

 

A: 今後の日程につきましては、ブルネイの会合終了後、現地において発表が行われると思います。現地の発表を聞いていただければと思っておりますが、市場アクセスに対する日本の基本的な立場は、全ての物品を交渉の対象として、他の交渉参加国とともに包括的で高い水準の協定を達成していくということであります。当然のことながら、我が国だけではなく、各国とも一定の産品についてセンシティビティ を有しているわけでありまして、自由化率について具体的な数字申し上げられませんが、これからの合意に向けて、各国との交渉を積み重ねていきたい。

 

そして、このMAの問題だけではなくて、当然さまざまな新しい分野でのルールをつくっていく。こういった分野においても、日本がきちんと主導権 、 リーダーシップを発揮しながら、将来にふさわしい最終的なFTAAPに向けたきっちりとした基盤をこのTPPでつくっていきたいと考えております。

 

 

【シリア情勢】
Q: 話は変わるんですが、今国際的にシリアの情勢が緊迫しています。軍事行動があるのか、かなり窮状的でありますが、現時点での何か経済産業省での対応、あるいはもし軍事行動が起きたときの懸念されることなどについてお聞かせいただけますでしょうか。

 

A: シリアと日本の間の貿易投資は 比較的少ない、このように思っております。ただ、原油価格、これは注視をしていかなければいけない と思っておりまして、8月もシリア情勢の緊迫化を背景に、各指標とも一時バレル当たり4ドルから6ドル程度上昇いたしました。28日時点です。ただ、29日には1ドル前後下落ということでして、こういった一次エネルギー源の多くを中東地域に我が国としては依存しており 、中東地域 の安定 は我が国にとっても重要な課題であると思っておりまして、引き続き情報の収集に努め、状況を注視してまいりたいと考えております。

 

 

【汚染水対策】
Q: 汚染水に関連して二つお願いします。直近の原子力規制委員長の記者会見などで、やはり汚染水の抜本策というのは大変難しいと。今やっているのは応急処置の類いなんだということをおっしゃっていたんですが、大臣からALPSを含めて、抜本策と言われるものにも必要なことは何でもやるとおっしゃっていたんですけれども、ALPS以外に抜本策に当たるもので具体的にお考えのこと、400トンずつ汚染水は増えているんですけれども、ALPS以外で具体的に。

 

A: 6月に緊急対策、抜本対策を発表させていただいたと思います。

 

Q: その範囲内で。

 

A:  タンクからの汚染水漏れ、これはどちらかといいますと管理体制の問題であり 、それは入れておりませんでしたが、緊急にやるべきこと、そして抜本対策としてやるべきこと、これは既に取りまとめております。山側におけます凍土壁を使った遮水壁をつくる。そして、敷地内、建屋に近いところからドレインによります地下水のくみ上げの問題、さらにはこのタンクにあります汚染水、これはALPSにより 除去していく、さらにはトレンチをクリーンにしていく、海側におきましては地盤改良、水ガラスの凝固を行う、さらには海側の遮水壁をつくる、そういった対策を既に発表させていただいておりまして、これを着実に実行していく、それにより汚染水問題、抜本的な解決を 図っていきたいと思っております。

 

Q: 関連してもう一つなんですが、今言った凍土遮水壁なんですけれども、これについては、一部でゼネコン、具体的な大手の最大手の名前が挙がって、そことの利害関係なんかを指摘する声もあるんですけれども、先日の原子力規制委員会でのやりとりでは、まだ凍土と決まったわけではないと。例えば、粘土方式とか、そういう声があるんですけれども、それについては、もうそれは決まっているということでよろしいんですか。

 

A: 今、凍土方式による遮水壁につきましては、フィージビリティースタディーに入っております。

 

 

【平成26年度税制改正要望】

Q: もう一つついでで、今日の税制改正要望の中に自動車関連の車体課税の件で見直しというのがあろうと思うんですけれども、一部政府の中で軽自動車税を地方税という観点から増やそうかという議論もあって、軽自動車業界からは弱い者いじめだというような、経営者の声も出ているんですけれども、大臣御自身としては、自動車の税制についてのお考えというのはどうですか。

 

A: 軽自動車は特に地方においては通勤・通学や買い物に欠かすことのできない日常生活の足として引き続き活用されていくものと考えております。軽自動車税については、このような現状、実態を踏まえてユーザーに追加的な負担が課されないようにしっかりと対応してまいりたいと考えております。

 

 

(以 上)