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茂木経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

平成25年12月17日(火)
11:57~12:09
於:記者会見室

(冒頭発言)

 

 私から1点、まず本日は閣議前に第1回の原子力関係閣僚会議、そして同じく第1回の最終処分関係閣僚会議、開催いたしました。

 

【原子力関係閣僚会議・最終処分関係閣僚会議】
 原子力関係閣僚会議では、まず私から原子力を中心に、エネルギー基本計画の検討状況の説明を行いました。これに対して、基本計画に盛り込むべき内容として、岸田外務大臣からは、核不拡散及び核セキュリティへの対応の強化やプルトニウムバランスの維持の必要性について、下村文部科学大臣からは、もんじゅの克服すべき課題への取り組みの強化について、石原環境・原子力防災担当大臣からは、原子力防災体制の強化や地球温暖化対策の充実について、山本科学技術政策担当大臣からは、国民からの信頼を得ること、国が前面に立った放射性物質の処理、処分等の取り組み、原子力人材の養成に関する取り組みの重要について、発言がありました。
 また、最終処分関係閣僚会議におきましては、私から高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた新たなプロセスの考え方について説明を行い、関係閣僚からの御意見を踏まえて、そのプロセスの見直しの方向性について決定をいたしました。最終処分地の選定をしっかりと前に進めるため、政府が一丸となり、国が前面に立って取り組みを進めていくことを確認したところであります。
 本日の原子力関係閣僚会議の議論も踏まえて、エネルギー基本計画の検討を進めていくとともに、最終処分関係閣僚会議における方向性の決定を受けて、今後プロセスの具体化を進めてまいりたいと考えております。
 私から以上です。

 

 

(質疑応答)

 

【原子力関係閣僚会議・最終処分関係閣僚会議】
Q: 冒頭、大臣からも御説明、御言及がありましたけれども、本日の原子力、最終処分場の閣僚会議、これは今後どのような進め方をしていかれるお考えか、まずお聞かせいただけますでしょうか。

 

A: まず、原子力につきましては、今申し上げたように、いただいた意見も踏まえながら、これをエネルギー基本計画の検討に反映をさせていきたいと思っておりまして、基本計画につきましては、既に意見という形で総合資源エネルギー調査会から取りまとめをいただきましたが、これを踏まえて政府として検討を進めて、1月中には閣議決定をしたいと思っております。
 もう1点の最終処分の問題でありますが、これにつきましては、総合資源エネルギー調査会のワーキンググループにおいても検討を進めております。今日は見直しの方向性について、閣僚間で決定をいたしました。並行するような形で議論を進めて、ある程度方向性が見えてきたところで、再度関係閣僚会議、それほど遠くない時点で開きたいと思っております。

 

 

【日ミャンマー投資協定】
Q: 更に、もう1点お伺いしますが、政府は15日にミャンマーとの間で投資協定を締結されて、これによって、日ASEAN経済連携協定が実質的に合意されたことになりますけれども、今後日本企業のミャンマー進出が一層加速するということも想定されるわけですけれども、今回の合意の意義について、大臣の方から受け止めをお聞かせいただけますでしょうか。

 

A: ミャンマーは、ASEANにおいても最後のフロンティアと言われる地域でありまして、非常に日本の企業の関心も高い。これまでミャンマーとの間ではEPAであったりとか、投資協定、いわゆる投資やサービスの規律が存在をしなかったわけでありますが、今回日ASEAN首脳会議におきまして、AJCEPの投資・サービス分野の交渉が実質合意に至りました。また、ミャンマーとの関係でも、日本の企業の投資に関する内国民待遇・最恵国待遇の付与や、国家と企業間で投資、開発等の契約を行った場合における国家の契約遵守を義務化した投資協定の署名が行われたわけでありまして、こういった二つの協定が発効することになれば、我が国企業が法的安定性のもとに、さまざまな投資等も行える形になると思っております。
 ティラワの開発事業を皮切りにして、今後有望市場と見込まれるミャンマーへの貿易・投資の一層の活発化を期待いたしております。

 

 

【中小企業・小規模事業者対策】
Q: もう1点。昨日、大臣は安倍首相出席のもと、経済の好循環の実現に向けた政府と中小企業経営者との懇談会が開かれまして、経営者の側からさまざまな意見も寄せられましたけれども、このアベノミクス効果を更に浸透させていくために、どのような中小企業対策、政策が必要とお考えか、伺えますでしょうか。

 

A: 好循環の実現を図っていく。そして、また景気回復の実感を全国津々浦々に届けていく。こういう観点から、全国420万の中小企業、そしてその9割を占める小規模事業者の存在というのは極めて大きい。その活性化が重要と考えておりまして、現在三つの方向から中小企業、小規模事業者対策に取り組んでいるところです。一つ目は法制度面の整備ということでありまして、御案内のとおり今年の通常国会におきまして、小規模企業関連の8本の法案、一括して改正をする小規模企業活性化法が成立いたしました。
 現在、中小企業政策審議会におきまして、議論を重ねていただいておりまして、今度は小規模企業に関します基本法を早期に制定していきたいと思っております。これが1点目です。
 2点目は新たな事業展開の応援ということでありまして、ご案内のとおり、秋の税制改正におきまして、中小企業投資促進税制の拡充、そして延長を行ったところであります。また、ものづくり補助金、平成24年度の補正で1,007億円措置をさせていただきまして、1万社を対象と、実際には1万500社を超える企業を採択させていただきました。今回の補正におきましては、これを大幅に上回る1,400億円措置をいたしまして、御案内のとおり製造業だけではなくて、商業、サービス業にも拡大をする。更には、試作品だけではなくて、生産プロセスの改善も対象にします。全国1万1,000社を超える中小企業、小規模事業者の新たな取り組みを応援していきたいと思っているところです。
 更に、中小企業が新たに事業にチャレンジをする。もしくは再チャレンジをするという中で、これまでボトルネックになってきましたのが個人保証の問題です。経営者保証に対するガイドラインにつきましては、今後経営者個人の保証に依存してきたこれまでの融資慣行を改める画期的な見直しを進めるものです。来年2月からの実施に向けまして、金融庁とも連携をして、融資現場の対応を現実に変えていきたいと思っております。
 創業の機運を高める。そして、再チャレンジの機会をこういった措置によって増やしていきたい。こういった取り組みを通じて、中小企業の活性化、小規模事業の活性化を図り、アベノミクスの好循環をつくり、そして景気回復の実感を津々浦々に届けてまいりたいと考えております。

 

 

【日銀短観】
Q: 今の中小企業の関連でもありますけれども、先日日銀の短観が発表されて、中小企業については、製造業が6年ぶりのプラスで、非製造業が21年10カ月ぶりのプラスということで、中小企業の回復というのも鮮明になりつつあるというようなことかと思いますが、これについての受け止めをお聞かせ願えないでしょうか。

A: アベノミクスの成果、これがようやく中小企業、小規模企業にもあらわれてきたと、製造業においては、2007年の12月の調査以降ということで6年ぶり、そして非製造業においては、1992年の2月の調査以来ということで、約22年ぶりプラスに転じたということでありまして、経常利益、設備投資の計画に改善の動きが見られて、設備の過剰感が縮小して、雇用の不足感、これが拡大をしていると思っております。
 昨日、官邸で開催をいたしました中小企業経営者との懇談会におきましても、中小企業においても、賃金上げ等への前向きな取り組み、これが始まっていることを確認できたわけでありまして、景気回復の実感を一日も早く地方の中小企業にまで届けられるように、これからもアベノミクス、3本の矢、その特に3本目の矢であります成長戦略、そして12月5日に閣議決定をいたしました新たな経済対策、これを速やかに、着実に実施に移してまいりたいと考えております。

 

 

【最終処分関係閣僚会議】
Q: 最終処分の関係でお尋ねします。今日の閣僚会議で、プロセスの見直しについて決定したというふうな御説明がありましたけれども、今検討中のエネルギー基本計画の案の中には、手挙げ方式の見直しだったり、回収可能性とか可逆性も担保するという、そういうようなことが盛り込まれていると思うのですけれども、そういう方向性について合意したという受け止めでよろしいですか。

 

A: それで結構です。

 

 

(以 上)