TV会見・記者会見

政調会長会見要旨

平成24年8月20日

【冒頭発言】

 香港の民間団体が魚釣島に不法上陸、続いて日本人が上陸と、尖閣諸島を巡って様々な事態が起こっています。事態がエスカレートしていくのはお互いにとって決して良いことだとは思いません。もともと、仕掛けてきたのは中国側ですから、まず中国側で反日デモ、再上陸等を自制することが大事だと考えています。同時に不法上陸の事実関係の解明をする必要があります。そのために我々は予算委員会の開催を求めていますが、民主党の城島国対委員長は、開催自体はやぶさかではないけれども、他の法案への協力を求めるとの話をしているようではっきりしません。国会で議論し、外交について日本が一体になれる体制を政府が作っていくことが必要だと思います。
別件ですが、今日午前中に自民党栃木県連の選対役員会を開催いたしました。現在、空白となっている衆議院の栃木3区、みんなの党の党首の選挙区でもありますが、ここに候補者を内定しました。公募で選ばれ、現在は民間のシンクタンクで働いている33歳の若い候補者です。今日付けで党本部に、支部長としての申請をし、早ければ月内にも支部長として決定をして頂けるのではないかと思っております。

 

 

【質問】

 今国会が残り3週間となりまして、先程も尖閣の事、領土の事、ご指摘になられていましたけれども、これからの終盤、解散に向けて、自民党として不信任案等どのように解散に追い込んでいく戦略を描いているか教えて頂けますでしょうか。

 

【回答】

 今週にも、予算委員会で竹島問題、尖閣問題についての審議を行って、政府の対応、さらには先日総理が明言された「近いうちに国民に信を問う」との意味がどういったものであるか、その対応も見極めたい。我々は、不信任案の提出権限を留保しています。さらに、提出すれば可決の可能性は極めて高い問責決議案のカードを持っています。一連の動きも見ながら、この不信任・問責については考えて行きたいと思っています。

 

 

【質問】

 冒頭触れられました尖閣・竹島、北方領土もありますけれども、2年前の尖閣の漁船の問題から始まった民主党政権の外交・安全保障の考え方・方針といったものが今日に影響しているのではとの指摘もあるのですけれども、改めて民主党政権の外交政策、対応についてですね、改めてどのようにご覧になりますか。

 

【回答】

 まず、相手国側の発言そして行動、極めて遺憾であって看過できない。どのような政権であったとしても我が国として断固たる措置、また抗議すべきは強く抗議する必要があると思っています。
民主党には外交政策の軸が無いと思います。日米関係をどうするかという事も普天間で躓き、その後修復も出来ない。日米同盟が極めて脆弱な形になっているので、対中国、対韓国、対ロシアへの方向性が定まらない状況だと思います。外交・安全保障について、経験もない極めて素人な方々が対応しており、政策の方針もはっきりしない。こういうことから、このような異常な事態を招いていると理解しています。

 

 

 

【質問】

 今のことも絡むのですけれども、国会でも今、自民党が求めています予算委員会開催もポイントになっていくんだと思いますけれども、今回の一連の政府の対応、これについて会長から見られてどのような問題点があると思われますか。

 

【回答】

 一つには事前の準備が出来ていないと思います。13日に香港を船が出港したわけで、その時点で確実に尖閣に来ることが見通せたと思います。海上保安庁の船で、決して上陸を阻止することが出来ないことはなかったと考えています。そして、党の外交部会・領土に関する特命委員会合同会議でも指摘しましたが、不法上陸をされた15日に、海上保安庁のトップである羽田国土交通大臣、そして警察のトップである松原国家公安委員長、二人とも登庁されていない。午前中に靖国神社に行くか行かないは個々の判断だと思いますが、まず自分の仕事をきちんとすべきです。緊張感がない。どこが政治主導なんだという思いを非常に強く持っています。

今回、政府として、本当に法と証拠に基づいてきちんとした対応がなされたのかどうかを検証する必要があると思います。そのためには、ビデオをしっかり公開してもらいたいと思います。もう既に海外では流れていますから、それによって海上保安庁の警備のやり方が相手に分かってしまうような話ではない。隠したいことがあるから隠しているとしか思えない。きちんとビデオを公開する、そして堂々と国会でも予算委員会を開いて、対応のどこに問題があったのか、そして今後はどうして行くのか、そういった事をきちんと国権の最高機関である国会で議論するべきだと思います。

 

 

【質問】

 原子力規制委員会の同意人事の件についてお伺い致します。本日、野党7党が慎重な採決を求めるよう議運に申し入れたんですが、このまま採決が遅れると政府が目指している9月発足というのがなかなか難しい状況ではないかと思います。現時点で自民党として人事案件についてどのような見解をお持ちなのか。また、どのように対応していくのかお聞かせ頂けますでしょうか。

 

【回答】

 この原子力の新規制委員会は早急に立ち上げるべきだと考えます。我々からも提案して、自民党の考え方が盛り込まれた、極めて独立性の高い、そして専門性がある機関を創りました。そこで人事を決め、そして新しい安全基準を決め、原子力発電所をチェックしなければいけない。再稼働しないから安全というものではありません。全ての原発において早急に安全性をチェックする作業が必要です。一日も早くこの原子力規制委員会を立ち上げなければならない。その為には人事が決まらなければなりません。人事を決めるには、まず与党として統一した意見・提案を持ってきてほしいということを今日も政府側に話しました。その回答を待ちたいと思っています。

 

 

 

【質問】

 先程の領土の外交を含めた話で、先日の報道2001に長島補佐官が出た時にこういった時に政治空白はよくないと仰っていて、つまり「近いうちに」という約束に関連した話だと思いますが、そういう発言をしていました。そうしますと約束自体の実行の問題も出てくるのだと思いますけれども、そういった問題と「近いうちに」との関係性をどのようにお考えでしょうか。

 

【回答】

 外交そして安全保障の問題について、政治空白を作ってはいけないことは私も十分理解します。そして、一番の政治空白が、今の政権の存在そのものだと思っていますから、一日も早く新しいしっかりとした政権を作ることが政治空白を解消することだと考えています。

 

 

 

【質問】

 関連しまして、党首会談以降、政府・与党側から発言が相次いでおりまして、樽床さんなんかは選挙の時期について、任期満了を主軸にという事を言っていますし、前原さんも補正予算に言及しています。このような中で早期の解散を担保出来るのか不安の声も出ていますが、どのようにお考えでしょうか。

 

【回答】

 解散権を持っているのは、内閣総理大臣だけです。そして、議院内閣制の下で、与党は内閣を支える責務を持っています。そういった責任感を民主党の執行部も理解して欲しいと思います。どうしても解散権について言及をしたいのであれば、民主党の代表選にお出になったらいいと思います。

 

 

 

【質問】

 衆議院でマイナンバー法案がまだ残っているんですけれども、こちらの法案の取り扱いについて、党の解散戦略と絡めて、どのようにお考えか教えて下さい。

 

【回答】

 マイナンバー法案「が」ではなくて、マイナンバー法案「も」残っています。どうしたいのか民主党から提案があったら、検討させて頂きたいと思います。具体的な提案がありませんから、検討するレベルに至っていません。

 

 

 

【質問】

 話が戻りますが、昨日、尖閣に日本人10人が上陸をしたという事について、その事態についての受け止めを先ずお聞かせ願いたいのですけれども。

 

【回答】

 許可を取らずに上陸をしたことに問題がないわけではありませんが、もともと香港の民間団体が15日に不法入国、そして不法上陸した。それに対して政府が阻止することができなかったところから起こっている事案です。これが基本にあると思います。まずは8月15日の事件への対応が法と証拠に基づき、きちんと行われたか否か、このことをビデオや予算委員会での審議を通じてきちんと検証した上で、次のステップに入るべきだと思います。

 

 

 

【質問】

 マイナンバー法案や国会同意人事、選挙制度であったり特例公債法であったりが今国会の課題として残っているかと思いますが、民主党と課題をどう見通しをつけるのでしょうか。

 

【回答】

 今国会、残りが3週間となっています。税と社会保障の一体改革についてももっとスピードアップすることはできたと思います。民主党内の混乱が、法案審議を遅らせている一番の要因となっています。そういった中で、残り1カ月を切ったということになると、選挙制度改革についてこの国会で抜本改革を行うことはとても無理だと思います。
しかしその一方で、国会の責任として一票の格差の是正、これだけはこの国会できちんとやるべき憲法上の要請があると思います。
また、赤字国債発行法ですが、これは財源的には10月いっぱいは間違いなく持ちます。恐らくやり方によっては11月のある程度の時期まではいけると思っていて、必ずしもこの国会で仕上げなければいけない法案という認識ではありません。ただ、10月以降、歳出抑制等を図っていくということを考えると早いにこしたことはない。総理もどうやったらこの赤字国債の発行法案を成立させることができるか、十分にわかっているハズですから、その解を持ってきて頂いたら、いつでも処理致します。

 

 

 

【質問】

 冒頭にお話しがあった栃木3区の候補者内定についてですが、複数の公募があった中でどういった点を考慮されたのかとみんなの党の渡辺代表の強い地盤かと思いますが、次期総選挙をどういった形で選挙戦を展開するおつもりですか。

 

【回答】

 内定した候補予定者の政策が極めて自民党の考えと一致をして、そして33歳と非常に若い候補でもあります。アメリカのトライアルリーグに挑戦したり、非常に行動力のある人間だと思っています。そして、栃木3区においては一連の首長選挙等で自民党がみんなの党に勝利しています。こういった勢いと本人のバイタリティを発揮して勝ち抜いていきたいと思います。

 

 

 

【質問】

 原子力規制委員会について、民主党としてきちんと対応をまとめてきてくれということですが、現状では民主党内の意見が割れているようですがこういった状況についての感想と「対応をまとめてきてくれ」ということをどなたに伝え、回答はありましたでしょうか。

 

【回答】

 早く立ち上げる必要があることについては、民主党の責任ある人と問題意識は共有していると思います。ただ、少なくとも今出ている人事案については、民主党内で、とてもまとめることはできていない状況ですから、代替案が出てくるのかどうか現状では分かりません。早急に責任ある立場の方からご回答があると思っています。

 

 

 

【質問】

 次の総選挙の争点ですが、巷間これまでは消費税と原発が大きいと言われてきたかと思いますが、一連の領土の問題をめぐって外交や安全保障といったものも大きな争点としてクローズアップされてくるでしょうか。また、先程素人・経験のないところで上手くいっていないとの指摘ですが、第三極といわれる人達はもっと経験がないかと思いますが、自民党としてはその辺りも投票の際の判断に加味してほしいと思われるでしょうか。

 

【回答】

 まず政策面で申し上げると、消費税だけに止まらず社会保障の財源と社会保障のサービスのあり方をどうするか、これは大きな争点だと思います。こういう観点から我々は社会保障に対する基本法を提案しました。領土の保全も国益上極めて重要な問題だと思います。外交・安全保障の問題もわが党らしく、来るべき総選挙の大きな目玉として取り上げていきたいと思います。
同時にやはり経済です。今のデフレ、円高から脱却をしていく。そして、もう一度日本経済を再生し、競争力を回復していく。こういった政策をきちんと打ち出していきたいと思っています。
同時に、この3年間で、政権運営はやはり素人ではできないことを多くの国民が感じたのではないか。どこまで政策のプロであるか、政権運営の経験やノウハウを持っているか、このことも極めて重要な争点になってくると思います。

 

 

 

【質問】

 第三極、維新の会の動きについてですが、自民党内からも合流の動きが明確になってきていると思いますが、それについての受け止めと今後の対応についてどうお考えでしょうか。

 

【回答】

 維新の会との距離感ですが、地方制度の改革についてはある程度ベクトルが一致していると認識しています。ただ、その一方でその他の政策については、まだ具体的政策というよりはスローガンの段階にありますから、もう少し具体的な政策レベルに落として頂かないとどこまで連携が可能か、このことは全く見えてこないと思います。

それから維新の会への合流ですが、民主党の一部の議員、わが党、みんなの党、名前が取り沙汰されています。先週一部取り沙汰されたわが党の議員のうち政調の部会長については私から直接確認をしました。全く事実ではない、合流することはあり得ないとの回答でしたので、総裁はじめ執行部に伝えました。政調の部会長以外で名前が出ている方については、お互いに疑心暗鬼になるのは良くないと思いますので、関係の都道府県連等通じて早急に本人にどうしたいのかを確認するのが一番早いと思っています。

 

 

 

【質問】

 解散についての自民党のスタンスを重ねてお伺いしたいのですが、9月8日までの会期の中で解散をしなければ問責と不信任の両方を自民党から出すという基本的なスタンスで宜しいでしょうか。

 

【回答】

 問責・不信任につきましては出す権利を留保しています。それを出すか否かは、解散の時期の明示というのが大きな判断材料になることは間違いありません。

 

 

 

【質問】

 一部報道で「近いうち」の表現の解釈を巡って秋までとのお話もありますが、その辺りについてもう一度お願いします。

 

【回答】

 日本語として「近いうち」というのがどこまでをさすかと言うと、恐らく常識的には1~2カ月、数か月といったスパンだと思います。そして、衆議院の任期はマックスでもあと1年しかないわけです。1年しかない中で「近いうち」という発言をしているわけですから、それが任期満了までいくとか、来年までいったらこれは全然「近いうち」ではありません。全く定義として間違ったものになると思います。総理が「近いうち」と国民に明言したことでありますし、それを一部の民主党執行部が否定をすることは極めて遺憾な事態だと思います。

 

 

 

【質問】

 関連して公明党の山口代表は政府・与党の方が言っている特例公債のリミットが10月、11月ということであればそれを条件に、引き換えに解散ということもあり得るといった趣旨も発言されていますが、こうした趣旨について自民党としてどうお考えですか。

 

【回答】

 特例公債法案、これは政府として与党として予算を執行していく上でどこかでは成立させなければならない法案です。その責任はすぐれて政府・与党側にあります。どうやったらその責任を全うできるか、それは政府としての、総理としての解を出されれば良いと思います。

 

 

 

【質問】

 解散と引き換えの特例公債法の成立といった提案があった場合は検討に値するのか。

 

【回答】

 先程申したように特例公債、まだ時間的には若干の余裕がありますが、早く通して困るものではありません。また、10月以降を考えたならば、早く通した方が良い法案だと思います。それができるような環境を政府・与党としてどう考えるか、解は1つしかないと思います。