TV会見・記者会見

茂木経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

平成26年5月30日(金)
8:50~9:04
於:記者会見室

(冒頭発言)

 

【賃上げ状況フォローアップ調査】
 私から1点、まず賃上げの状況のフォローアップ調査について、御報告をしたいと思います。
 経済の好循環を実現していくため、政労使会議等の場も活用して、政府を挙げて経済界に賃上げの要請を行ってきたところであります。こうした政府の働きかけに対して、大手企業の賃上げの状況のフォローアップ調査を実施したところ、本日中間的な取りまとめの結果を公表することといたしました。今回は個別企業ごとに企業名入りで取りまとめ、また業種別にも集計をいたしております。後でお配りしますけれども、相当分厚い資料になっております。
 このフォローアップ調査は、今年3月に東証の一部上場企業の大手企業、1,762社を対象に調査票を発出いたしまして、まだ交渉中であるということで回答いただいてないところもありますが、5月14日までに回答のあった927社の賃上げ等の状況について、集計を行ったものであります。
 かなり詳細なものでありまして、詳細につきましては、後ほど事務方から説明をさせていただきたいと思いますが、今回の調査で特に強調させていただきたい点は、昨年度はベースアップを行った企業は1割にも満たなかったのに対しまして、今年度はほぼ2社に1社がベースアップを行うなど、賃上げの状況は大幅に改善をいたしております。
 さらに、今年度ベースアップを実施したと回答した企業の7割以上が6年以上ぶりにベースアップを実施した。また、14年以上ぶりに実施した企業は15%近くということでありまして、この調査結果からも、アベノミクスの成果が着実に波及していることが見てとれると考えております。
 今後、労働組合との交渉が妥結をしていない等の理由で回答を未提出の企業からも、できるだけ調査票の回収を行いまして、8月ごろをめどに最終的な集計結果を公表したいと考えております。
 また、労使交渉が時期的に大手企業よりもおくれます中小企業、小規模事業者の賃上げの状況についても、7月に約3万社を対象にいたしまして、アンケート調査を行いまして、その結果を取りまとめた上で、これも8月ごろには公表したいと考えております。
 私から以上です。

 

 

(質疑応答)

【北朝鮮に対する制裁措置の緩和】
Q: 日朝の政府間協議で、北朝鮮が拉致問題の全面的な調査を実施することが約束されたとのことです。これを受けて、政府では一部制裁を解除するとのことですが、経済産業省としての取り組み方針を伺えますでしょうか。

 

A: 日朝の政府間協議の合意に基づきまして、今後北朝鮮側によります迅速な包括的調査が行われ、拉致被害者の帰国を含めて、拉致問題を含む全ての日本人に関する問題の早期解決向け、具体的な結果が得られることを期待いたしております。
 その上で、今回の日朝の政府間協議の合意において、拉致被害者等に関する包括的調査を開始する時点で解除することとした制裁措置、これは御案内のとおり三つあります。人的往来の規制措置の解除、送金報告及び携帯輸出届出の金額に関して、北朝鮮に対して講じている特別な規制措置の解除、そして人道目的の北朝鮮籍の船舶の日本への入港禁止措置の解除、こういう一部解除の内容でありまして、経済産業省が実施をいたしております外為法上の輸出入の禁止措置は、これには含まれておりません。政府としては、引き続き輸出入禁止措置を継続してまいります。
 輸出入禁止措置の緩和につきましては、北朝鮮側の日本人に関する問題の取り組み状況等を踏まえて、今後政府全体で総合的に判断をしていくと考えております。

 

 

【企業の設備投資動向】
Q: 企業の設備投資についてお伺いします。安倍政権発足後以降、成長戦略の一つとして設備投資の後押しをされていると思いますが、現時点での感触というか、実際に企業の設備投資が上向いているのかどうかということをまずお聞きしたいのと、上向いているとしたら何がよかったのか、あるいは今後追加的に何か考えていらっしゃるのか、その辺を聞かせてください。

 

A: 今年の1月から3月期の設備投資、前期比で年率プラス4.9%ということでありまして、設備投資には前向きな動きが出てきていると考えております。
 さまざまな要因があると思いますが、我々としてこれまでにない大胆な設備投資促進税制を導入して、企業の設備投資を促してまいりました。この減税措置の利用も4,000件を越えているということでありまして、一定の効果があったと考えております。
 企業のさらなる設備投資を促すという観点から考えますと、企業として過去最高益という企業も多いわけでありまして、アベノミクスによって得た利益をこれから企業として国内投資に振り向けるか、そして海外投資に振り向けるか、どちらかの判断をしていく時期になるわけでありまして、国内投資を促すために、法人実効税率の引下げについて具体的な方針を示すことが極めて重要であると考えております。
 法人税改革に関するポイントは三つあると思っておりまして、一つはこの改革の位置づけでありますが、今申し上げたように、安倍政権によって生み出された第一巡目の経済の好循環により、日本経済が明らかに回復の兆しを見せている。今後の課題は、これを本格的、また持続的な成長軌道に乗せることでありまして、そのためには総理も明言をされているように、成長志向型の法人税改革が鍵になってくるということであります。
 2点目として、改革の内容でありますが、経済のグローバル化、これが大きく進展する中で、日本企業が競争力を高め、そして国内外からの投資を呼び込むためには、事業環境整備の一環として、法人実効税率を国際的に遜色のない水準としていくことが喫緊かつ重要な課題であると考えております。
 そして、最後に改革の実行の時期でありますが、先ほど申し上げたように、企業は既に6年ぶりの賃上げを実施しておりますけれども、この後、この夏から秋にかけて、このアベノミクスによって得た利益を国内投資に回すのか、海外投資に回すのか、どちらかに振り向けるという判断をしていく段階になってくると思います。これまではデフレでありましたから、内部留保といった企業もあったわけでありますけれども、企業もそういった縮み指向から、今度は積極的な経営路線に踏み出す、そうなるとお金が国内に向かうのか、海外に向かうのかという岐路であります。
 このことを考えますと、夏、秋の前、すなわち6月の時点で具体的な方針を示すことが極めて重要だと考えておりまして、その際に2015年度からの引下げと同時に、その先の改革も含めた政策パッケージ、この両方を示すことによって、企業マインドを大きく変化させることが重要であると考えております。
 そして、これが最終的には税収の増加にもつながっていくと考えているところでありまして、先日、5月15日の経済財政諮問会議におきましても、総理から法人税を成長志向型の構造に変革していくための方向性を年末を待たずに骨太方針に示してほしいという御発言がありまして、これに沿って検討を進めてまいりたいと思っております。

 

 

【原子力規制委員会の人事】
Q: 原子力規制委員会の関係で質問させてください。先般、9月で任期が切れる2人の規制委員の後任に当たる方の指名がございました。これについては、自民党の政治家たちから公然と島崎委員という地質学で厳しい、大変厳し過ぎるということで、やめられるのは適当だというふうな、言葉は悪いけれども、圧力が非常にはっきりかかって、そういう中で指名されたということで、一部から、先般NHKは首相に近い方が経営委員になられたという中で、両方とも独立性が大事なのですけれども、独立性が今後そういうことで維持されるのか、どうしても委員の方はそういう再稼動シフトの方に向いてしまうのではないかという懸念が書かれているのですが、これに対して大臣はどのようにお考えでございましょうか。

 

A: これは原子力規制委員会の人事にかかわる問題でありまして、経済産業大臣としてのコメントは差し控えたいと思っておりますが、国会の同意を得て委員に着任されれば、今回提示された両氏には、これまでの経験と専門性を生かして、独立し、中立的な組織である原子力規制委員会の委員として適切な審査を行っていただけることを期待したいと思っております。

 

Q: もちろん大臣はそうおっしゃると思うのですけれども、政治との独立という意味では、自民党の大臣以外の方たちがいろいろなことを言うことは、これは仕方がないというか、構わないのだというお考えですか。

 

A: 私が言った以外のことについて、私に聞かれても困ります。言った方に聞いてください。

 

 

【消費税増税後の反動減】
Q: また景気の話なのですけれども、5月の末になって、4月の経済統計がいろいろ出そろってきています。消費税後の反動減、これまでは想定内におさまっているという見方が強かったと思いますが、改めて今春闘の景気動向、数値等を見て、大臣の認識を聞かせてください。

 

A: 消費税率の引上げから2カ月近くが経過をいたしまして、一部で消費に弱い動きも見られますが、主要業種を見る限り、おおむね想定を越えるような消費の減少は生じておらず、これも一時的なものと考えております。雇用や所得環境が改善をする中で、次第に持ち直しをしていくと期待をいたしております。力強い成長軌道に早期に復帰するために、総額5.5兆円の補正予算を初め、経済対策を着実に実施するとともに、引き続きさまざまな動向、数値等を見きわめていきたいと考えております。

 

 

(以 上)