TV会見・記者会見

茂木経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

平成25年1月11日(金)
10:23~10:43
於:記者会見室

(冒頭発言)

 

【緊急経済対策、24年度補正予算、25年度予算要求】

 本日、日本経済再生に向けた取組の第一弾といたしまして、緊急経済対策、これが日本経済再生本部で取りまとめられ、その後の閣議で決定をされました。
 予算規模で10.3兆円、事業規模で20.2兆円、実質GDPの押し上げ効果概ね2%ということでありまして、日本経済再生に向けた三本の矢をスピード感を持って強力に実行してまいりたいと考えております。
 経済産業省といたしましては、リーマンショック後の平成21年度の1次補正、それから震災復興対策の平成23年度の3次補正に並ぶ過去最大規模の大型補正予算、こういうことになっております。
 この大型の補正予算と来年度の本予算、この切れ目の無い対策によりまして、景気の底割れを回避し、反転を図るとともに、成長戦略の実現によりまして、民間投資を喚起し、成長による富の創出につなげていきたいと、このように考えております。

 経済対策を具体化いたします平成24年度の補正予算につきましては、15日の閣議決定後に改めて詳細の御説明をしたいと思いますが、補正の内容に関連しまして、特に4点申し上げたいと思っております。
 一つは、企業の国際競争力の向上や省エネに資する最新の設備投資補助、大体2,000億ぐらいになると思いますが、これによって少なくとも1兆円を超える民間設備投資の促進を目指していきたいと考えております。
 次に、次世代インフラの整備として、ガス欠ならぬ電欠なき日本を目指して、次世代自動車用の充電インフラを全国約10万カ所に整備するなど、成長整備の基盤整備をまず進めていきたいと考えております。
 それから、3番目に研究・技術開発投資の促進策として、ベンチャー支援人材の育成やリスクマネーの供給の強化などを通じて、将来性の高いベンチャー1万社の創出を目指してまいります。
 そして、4番目でありますが、中小企業・小規模事業者の支援策として、事業規模で10兆円超の金融支援を行うとともに、全国1万社に対しまして、その企業の試作品開発、これを支援してまいりたいと考えております。
 補正予算の詳細な数字等につきましては、15日の閣議後に改めて発表させていただきたいと思っております。

 また、本日組替え要求を提出する平成25年度当初予算については、特に民間投資の喚起、中小企業・小規模事業者対策など、成長による富の創出につながる思い切った施策を講じるため、昨年9月の前政権の概算要求を三つの柱で組み替えております。
 まず、一つは単にこれまでのようにグリーン化、これを目的とした研究開発プロジェクトを大幅にレベルアップをいたしまして、製造業復活を幅広く下支えする素材分野の研究開発事業や省エネ、安心・安全などの国民的社会課題を解決するための研究開発事業に重点化を行うということであります。
 例えば、どんなことかと言いますと、革新的新構造材料等技術開発、これが大体60.5億円程度、新規を創設いたしますが、これまでは省エネのための個々の素材の軽量化を図る、こういうことに重点化したプロジェクトであったわけですが、これを発展させまして、次世代の、例えば航空機であったりとか、自動車といった最終製品に利用されるような異なる素材の接合技術、更には適切な設計・評価手法を重点開発対象とした事業等を創設していく、こういったことであります。
 次に、中小企業施策につきましては、地域経済の成長を下支えしている中小企業、それから小規模事業者、これからは並べて言うことにしておりますけれども、そこの中での小規模事業者に注目した施策に組替えをいたします。
更に、エネルギーの分野では再生エネルギーの最大限の導入と省エネの最大限の推進を図るとともに、エネルギー源の多様化のための施策を充実させたい。例えば、メタンハイドレート開発促進事業委託費87.3億円、これを9月時点より10億円増額要求いたしております。
 予算要求額につきましては、総理の指示を踏まえまして、当初要求額約1.2兆円の範囲内で組替え、再整理を行うとともに、新たな事項要求を加えた金額を要求してまいります。

 

 冒頭申し上げました平成24年度の補正予算案とこの組替えの25年度の当初予算案、合わせて2兆円を超える規模の施策によりまして、日本経済の再生や景気の底割れの回避、反転を実現すべく、全力で取り組んでいきたいと思っております。

 私の方から以上です。

 

 

 

 

 

(質疑応答)

 

【25年度予算要求】

Q: 先ほど言及ありました来年度の予算案の概算要求についてですけれども、いま一度要求額を例えば大幅に積み増した事業ですとか、新たに追加した事業だとか、大臣が今回の来年度の予算案の概算要求において、最も重点を置いたところ、幾つか今挙げていただきましたけれども、最も重点を置いたところについてお考えをお聞かせいただけますか。

 

A: 考え方につきましては、今申し上げたような形になってまいりますけれども、例えば単にグリーン化を目指すのではない。そこの中でもう少しレベルアップをしていく。更には、国民的社会課題を解決するための研究開発事業、例えば小型のセンサー、これも今まではセンサー単体の省エネの研究開発プロジェクト、こういうことであったのですが、これを発展させまして、このセンサー技術を使って、老朽化した橋梁の維持であったりとか、農作物の適正管理、こういう各種の社会的な課題に効率的に対応できるような小型センサーを活用した社会システム全体の実証実験を行っていく、こういったこともやっていきたい。そんなふうに思っております。

 更には、2番目の小規模事業対策でありますけれども、これまでどうしても創業ということに注目をしておりましたけれども、地域の需要をきめ細かく把握して、的確に新たな市場を生み出すポテンシャルを持っている小規模事業者に対して、新商品、新サービスの開発といった新たな挑戦を支援する事業、これが大体71億円ぐらいでありますが、新規として要求をいたしております。
 更には、新エネ、再エネの分野で言いますと、風力発電、これは送配電網の整備、これが今後重要になってくるということで、そのための実証事業の補助費として250億円、これを新規で要求いたしております。

 

 

【原発再稼働】

Q: 自民党は先の選挙の選挙公約で原発の再稼動の可否については、3年以内に全ての原発について結論を目指すというふうにしておりましたが、先般、原子力規制委員会の田中委員長が会見で、3年以内に要は50基の原発について安全審査を終えるのはちょっと物理的には難しいという考えを示しております。
 こういう中で、あくまで政府としては3年以内に原発の再稼動の可否について結論を目指していくというふうなスタンスには変わりはないかどうか、その辺りのお考えをお願いします。

 

A: 自民党の公約としては、原子力の安全性については、規制委員会の独自の専門的な判断に委ねる。そして、スケジュール感としてはおおむね3年ということで考えておりました。
 原子力規制委員会として、原発の再稼動に関して安全審査を進めていくのに際しまして、これまでのスケジュール感、御存じであると思います。その上で、予見し得る今後の制約等も考慮して、ある程度の幅を持って発言をされている。このように承知をいたしておりまして、冒頭申し上げましたように、原発の安全性の評価については、規制委員会の方が独立した立場から行うということでありますから、それに対して予断を与えるようなコメントは差し控えたいと思います。

 

 

【官民基金】

Q: 今回見ると、官民基金というものが幾つか登場してくると思うのですけれども、官民基金については、出資の責任の所在があいまいであったりとか、いわゆる言い方は悪いですけれども、死に体企業の延命になってしまったりとか、あるいは天下り先の確保というようなネガティブな側面もあるのですが、こういったものをクリアするといいますか、安全性を担保するためにどのようなことが必要だとお考えですか。

 

A: 基金を作る、リスクマネーを供給するわけであります。リスクマネーを供給することに、安全性第一ということでは、担保を取った融資と同じになっている。大きな流れとしては、融資から投資へと、こういったことを考えていきたい。新しい技術がある。それを実際に事業化していく、この間に5年、10年、大きな期間が掛かるわけでありまして、なかなかそれがいい技術を持っていても、ノウハウを持っていても、それが商品にならない、事業化できない、これが現状でありますから、それに対して果敢にチャレンジをしていく。当然、公的な資金でありますから、目利きの能力であったりとか、資金の管理のあり方、そういったものは十分考えていかなければなりませんが、あくまでリスクマネーである。こういう前提で考えたいと思います。

 

 

Q: チャレンジということですか。

 

A: チャレンジといっても結構です。

 

 

【エネルギー特会】

Q: 今回の概算要求に当たって、エネルギー特会について、こういうふうに改革したとか、あるいは今後こういうふうに改革したいというようなお考えをお聞きしたいと思います。

 

A: 今後の検討課題として検討していきたいと思います。

 

 

【中小企業支援】

Q: 今回の緊急経済対策で、中小企業支援を手厚くされているなという印象を受けたのですけれども、そこに至った議論の経緯とそこに込めた狙い等をもう一度詳しく詳細に教えていただけますか。

 

A: これから新しい成長戦略を作っていくという中で、大きな柱、三つあるわけでありますけれども、その一つが新しいターゲティングポリシー、これによりまして成長産業を育成していく。そのために予算、税、そして規制を始め資源の集中を図っていく。
 二つ目には日本のものづくりの製造業、これを復活させ、同時にサービス産業の付加価値を高め、所得も上げていく。
 三番目に、日本企業の国際展開戦略、これを推進をしていくということになります。
 この三つの柱の中の二つ目、製造業は当然大きな企業もありますけれども、ものづくりの製造業、地域、地域の中小企業、小規模企業の中にすばらしい技術が埋もれている。こういったところに光を当てて、実際の資金面の支援だけではなくて、今回の試作品支援のような形で、これが成果につながる、技術が成果につながっていく、こういったことを今後支援していきたいと思っています。

 

 

Q: それに関連して、大臣は先ほど発言の中で、小規模企業に対する支援を重点化するというお話がありましたが、前政権でもちいさな企業未来会議で、小さな企業を支援するという政策がありましたが、大臣替わられて、その考え方等に何か新しいところとか、あるいは変えたところというのがあったら教えてください。

 

A: ちいさな企業未来会議につきまして、これまでいろいろなヒアリングをやっていただいた。その成果は今後も十分活かしていきたい。このように思っておりますけれども、それが具体的な事業につながるためにはどんな呼び水が必要かと、こういう観点から、今回の施策等は打ち出しをさせていただいております。

 

 

【緊急経済対策】

Q: 今回の緊急経済対策について、自民党政権だからこそできたであるとか、打ち出せたということが結果としても、例えば議論の過程とかでも何かあればいかがでしょうか。

 

A: 今回の緊急経済対策、正に三本の矢ということでありまして、円高デフレから脱却するために大胆な金融緩和を行っていく。そして、また機動的な財政運営を行う。そして、成長戦略によって民間の投資を喚起する。こういった形で、これはこれまでの民主党政権、なかなか機動的な財政運営ができなかった。そして、金融面でもいろいろな形で及び腰の所があったということに対して、この三本の矢を有効に組み合わせる中で、一つ一つの施策を打ち出すということでは、随分レベルの違う政策になっているのではないかなと思います。

 

 

【エネルギーの多角化】

Q: エネルギーの多角化というお話がありましたけれども、その狙いともう少し詳しいお話を聞かせてください。

 

A: エネルギー源の多角化、これはメタンハイドレートもそうでありますけれども、様々な意味で図っていかなければならない。御案内のとおり、我々としては、これから10年以内にエネルギーのベストミックスを決めていくという中で、それぞれのエネルギー源、長所もありますし、短所も出てまいります。そういった中で多角化をして安定的な供給を図っていく、こういった観点から、この新しいエネルギー源についてチャレンジすると、こういったことは重要だと思っております。

 

 

【次世代インフラ整備】

Q: 次世代インフラについてもう少しお尋ねします。この10万カ所というのは、EVに関してなのでしょうか、水素燃料電池、水素スタンドについてはいかがでしょうか。

 

A: 基本的にはEVです。

 

 

Q: 水素燃料については、何か御所見はお持ちでしょうか。

 

A: この補正には現在盛り込んでおりません。

 

 

Q: 10万カ所は新設になるでしょうか。

 

A: 10万カ所、このEVのやつですね。基本的にはこれは新設ということになってまいります。

 

 

Q: それは何年間でとかというめどはありますか。

 

A: できるだけ早くです。

 

 

【経済対策の方針】

Q: それと、予算全体を通してなのですが、先ほどの安倍総理の会見で、これまでの自民党とは違って、ばらまきはしないのだという話がありましたけれども、これまでの予算の配分とこれからやろうとしていることの違いというのは、どういう基準によってばらまきではないというふうにお考えなのですか。例えば、費用対効果であるとか。

 

A: 今私が説明しました。具体的な事業を幾つか丁寧に説明したと思います。ばらまきだと思うものがあったらおっしゃってください。

 

 

Q: それは全て役に立つ事業であると。

 

A: その思いでやっています。

 

 

Q: それは過去にはそうではなかったということで、今回からは違うと。

 

A: 少なくとも今私が申し上げた経済産業省関連の事業については、省内でも相当な議論をしました。前向きな成長につながるものと、そういったものを精査した上で、これだけのものを積み上げをしました。

 

 

【日本原電への電力会社からの基本料支払い】

Q: 今日、我々が報じた日本原電のお話で、送電していないのに過去最高益を出しそうだという記事を書かせていただいたのですけれども、これについて受け止めをお願いします。

 

A: 記事の内容については、承知をいたしております。その上で、日本原電、この収入が電力会社からの購入電気料の支払いによっていると、このように理解をしております。
関西電力の電気料金値上げ申請の原価に日本原電に対する支払いが含まれているわけでありまして、その妥当性につきましては、現在電気料金審査専門委員会において審査中であります。

 

 

Q: 大臣としては、今のところ専門家にとりあえず委ねるということでしょうか。

 

A: まずはそこにおいて審査をしていただきます。

 

 

 

 

 (以 上)