TV会見・記者会見

茂木経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

平成25年12月24日(火)
12:34~12:55
於:記者会見室

(冒頭発言)

 

【平成26年度予算案】
 私から2点、冒頭お話しを申し上げます。
 平成26年度の当初予算の閣議決定をいたしました。平成26年度予算は、景気下振れリスクへの対応と成長力の底上げの実現に向けた極めて重要な予算であります。経済産業省としては、アベノミクスの効果を全国津々浦々まで届けるため、中小企業、小規模事業者対策、更にエネルギー対策を初め、成長戦略の実行に向け、必要な予算を確保できたと考えております。
 一般会計とエネルギー特会含めました合計額、1兆2,137億円、リーマンショック前の平成20年度の当初予算以来、6年ぶりに1兆2,000億台を回復いたしました。平成25年度と比べますと1,006億円の増額ということになりますが、これは平成13年度の経済産業省発足以来、最大の増額ということになります。このうち一般会計につきましては、3,411億円と112億円の増額でありまして、100億円を超える本格的な増加は、平成16年度以来、10年ぶりということになります。
 予算に盛り込んだ主な内容を紹介いたしますと、まず中小のものづくり企業の試作品開発への支援として、既に補正として1,400億円確保いたしておりますが、これに加えて当初予算でも126億円を措置するなど、中小企業小規模事業者支援対策に合計1,111億円を確保したところであります。
 また、健康医療分野の研究開発費に169億円、そして今後国際競争の激化が予想されます次世代の3Dプリンター開発によるものづくり技術の革新に40億円など、世界に勝てる研究開発を加速するため、予算を重点的に配分することができました。
 また、エネルギー政策につきましては、最先端省エネ機器の導入支援に、税制面での支援に加えまして、予算面でも410億円を措置いたしました。また、次世代のシェールガスにしていく、こういう気概で取り組んでおりますメタンハイドレート開発に127億円を措置するなど、894億円増の合計8,727億円を確保いたしました。これによりまして、再エネの普及、省エネの加速化、更には安定的かつ低廉なエネルギー供給確保など、エネルギー政策上の喫緊かつ重要課題に対応してまいりたいと考えております。
 最後に、最も重要な課題であります福島、被災地の復興の加速化について、復興庁の計上ということになるわけでありますが、被災地の産業復興と雇用創出に向けて、補正予算1,237億円に引き続き757億円が経済産業省関連予算として確保されたところであります。
 額として、また内容的にも十分なものが確保できたと思っております。一日も早い成立に向けて、来年の話になりますが、しっかり国会にも取り組み、そしてその上でこれらの補正から始まります予算の執行に万全を期していきたいと考えております。

 

 

【ロシア出張】
 もう1点、簡単に出張の関係でありますが、明日から27日まで、経済産業大臣としては、約10年ぶりにモスクワに出張する予定であります。今年は4月に安倍総理の訪ロを契機にいたしまして、日ロの間で交流が進み、日ロの経済関係においても特別な1年になったと思っております。今回の出張で、首脳間での合意を更に具体的に進めていきたいと考えておりまして、閣僚会談等を通じまして、エネルギー分野での協力の推進、更には医療、都市環境等、幅広い分野で具体的なプロジェクトの推進について、意見交換をしたいと考えております。
 LNGの問題、更には省エネの問題、そして今申し上げたような産業協力の問題、政府間での協力の覚書や、民間レベルでの覚え書きなど、さまざまな形で今年1年をしっかり締めくくれるような協議にしたいと考えております。
 私から以上です。

 

 

(質疑応答)

 

【今年振り返りと来年の抱負】
Q: 最後の会見ということで、産業競争力強化法が成立して施行を待つ段階である一方で、TPPの結論は越年と、原発の廃炉、汚染水対策等、復興事業、課題もいろいろあると思いますけれども、改めて今年を振り返っての御感想と来年に向けての抱負をお聞かせいただけますでしょうか。

 

A: 安倍政権が発足してほぼ1年ということでありまして、この1年がまさに安倍政権のスタートの年だったと考えております。政権としての最優先課題、これはデフレからの脱却、そして日本経済の再生ということでありまして、この面では大きな進展があったと考えております。GDPの成長率を見ましても、4四半期連続でプラス成長と、明らかに日本経済はマイナスからプラスに変わってきていると考えているところであります。
 成長戦略、累次の予算、税制、こういったものの効果が十分発現をしてきていると考えております。そして、質問の中にもありました産業競争力強化法も秋の臨時国会で成立を見ることができました。税、予算、更には法律を含めて、成長戦略を具体化し、更にこれを全国津々浦々まで、一日も早く行き渡らせていく、こういう課題にこれからもしっかり取り組んでいきたいと考えております。
 その中でも、2点目として中小企業小規模事業者対策、これは極めて重要な課題だと思っておりまして、平成24年度の補正、1兆2,000億のうち約半分近い5,400億、これは中小企業対策、その中でも例えば中小企業のものづくりを支援するための試作品開発、これにかかわる補助等1,007億円でした。1万社を対象にしましたが、最終的には1万500社以上採択をすることもできたわけでありまして、これにつきましては平成25年度の補正、更には先ほど申し上げた平成26年度予算、しっかり拡充という形で、継続することができていると考えております。
 同時に、法制度面でも通常国会におきまして、小規模企業関連8本の法案を一括して成立をさせた小規模企業活性化法の成立も見ることになりました。
 今、中政審におきまして、更にこの制度面での議論を進めてもらっておりまして、一日も早く基本法の成立に向けて、更にギアアップしていきたいと考えているところであります。
 国際面におきましては、国際戦略を進める。経済連携の網を世界に張る。こういう考え方のもとで、なかなか前政権では決めることのできなかったTPPの参加というものを決定いたしました。そして、その中で12カ国中最後の参加国でありましたが、日本としてこの交渉の進展に大きな役割を果たしてきたと自負を持っているところであります。年内妥結に至らなかった。残念な部分もありますが、相当議論も今煮詰まってきております。一日も早い妥結に向けて、更に努力をしていきたいと考えております。
 最後に、エネルギー政策についてでありますが、3・11以来のエネルギーの新たな制約にどう対処をしていくか、エネルギー基本計画につきましても、既に総合資源エネルギー調査会基本政策分科会で、意見としてまとめていただきました。現実的、そしてバランスのとれたエネルギー政策の体系をつくっていくというもとで、最終的な取りまとめ、1月に向けて頑張っていきたいと思っております。
 そして、それとも関連をしまして、廃炉・汚染水対策をしっかり進めることが極めて重要でありまして、御案内のとおり廃炉につきましても、中長期のロードマップ、号機ごとに見直しをするということで、この前倒しを進めておりまして、4号機の使用済み燃料プールからの燃料の取り出しも始まったところであります。
 一方で、汚染水対策、率直に言いまして前政権時代にほとんど手がついていなかった。これをしっかり進めなければいけないということで、4月には既に汚染水処理対策の委員会を立ち上げまして、5月30日に緊急対策、そして抜本対策、取りまとめを行いました。その上で、9月3日の原災本部、そして9月10日の関係閣僚等会議、これにおきまして基本方針、更にはアクションプランの取りまとめを行い、そしてつい先日、アクションプランの政策が十分効果を発揮しない場合のバックアップ、重層的な対策、更には潜在的なリスクに備えた予防的な対策につきましても、取りまとめを行うことができたわけであります。
 先日の原災本部におきましては、汚染水対策はもちろんでありますが、福島の復興に向けました帰還の問題含め、新たな方針につきまして、決定をすることができました。福島の再生を進める。安倍政権にとって最も重要な課題、こういうもとで1年取り組んでまいりました。
 もちろん道半ばと、こういう思いを持つ部分もありますけれども、確実に前進をしている。そして、そういった前進を国民の皆さんにも、被災地の皆さんにも感じていただける。こういった状況を一日も早くつくっていきたいと考えております。

 

 

【国と東京電力の役割分担】
Q: 先週の原災本部の決定に関連して1点お伺いしたいのですが、国か前面に出ることを示したことは大変よいことだと思うのですが、一方で東電の株主、金融機関の負担問題にもっと踏み込む必要はないでしょうか。丸ごと破綻とか、一部論者が主張しているようなことは、現実的ではないと思いますけれども、いろいろ工夫の仕方があるのではないでしょうか。大臣の国会での答弁は承知した上での質問です。

 

A: 先日、この汚染水問題だけではなくて、除染、廃炉の問題、更には賠償、この福島の再生を進め、そして原発事故の一日も早い収束を図っていく上で、東電と国の役割分担、事業面でも予算面でもしっかりさせる必要がある。全て東電に任せて解決をしてきたのか、そうでなかったのは明らかだと思います。そういった意味から、例えば汚染水対策につきましては、技術的に難しい問題について、国が前面に出るといったことを決めさせていただきました。
 もちろん賠償については、事業者であります東電に速やかに、そしてまた被災者に寄り添った形での賠償を自分の責任において進めてもらいたいと考えております。
 除染につきましては、除染特措法、これで計画されている除染につきましては、国として東電に求償をさせていただきます。その上で、東電にはこれから電力システム改革を含め、そういった改革を先取りして、企業価値を高めるということによりまして、株価も上昇し、その利益によって支払いができるような状況に持っていってもらえればと、このように私は考えております。

 


【東京電力による廃炉事業の社内分社化】
Q: 今の関連で、前回の記者会見の同じ日、12月20日に夕方、東京電力の広瀬社長が会見を行いました。私も参加しましたが、廃炉カンパニーをつくるということで、大臣としては、この廃炉カンパニーも含めた東電の国との関係も含めて、廃炉カンパニーについて、どんなふうな位置づけ、どういうふうな評価をされているか、お聞かせください。

 

A: 東京電力にとって、福島第一原発の事故の収束に向けて、廃炉・汚染水対策に取り組む十分な体制をつくる、このことが最優先課題である。このことは東京電力に対しても、また皆さんに対しても、私から再三お話をしてきたところでありまして、来年の4月からということになるかと思いますけれども、廃炉組織が正式に発足するということは、望ましいことであると考えております。
 また、トップに就任いたします増田さんについても、震災時の厳しい状況の中で、福島第二の所長を務めた経験などを生かして、直ちに廃炉・汚染水対策のリソースが十分確保される体制を整え、職務に当たってほしいと考えております。

 

Q: この廃炉カンパニーに当たっては、国の全体の先ほど言った原災本部でのいろいろな取り組みと歩調を合わせてやるかと思うのですが、事前にもそういうことを相談なさってやられるのですか。

 

A: 東電の組織のあり方、そしてまた人事につきましては、基本的には東京電力において決めるということでありますけれども、今は最大の株主は国であります。さまざまな意味で、国としても方向を出すということは必要だと思っておりまして、細かい設計は別にしまして、冒頭申し上げたようなこの廃炉・汚染水対策にしっかりと取り組む体制をつくる、こういう国の方針を踏まえた決定であると理解をいたしております。

 

 

【国と東京電力の役割分担】
Q: 今回、26年度予算案で、福島事故に関する汚染水対策であったりとか、除染とかに関して、国と東電の役割分担を変化させるという意味合いがあったと思いますけれども、大臣としてそこら辺について、改めてお考えを聞かせてください。

 

A: 先ほども若干申し上げましたが、東電任せにして全ての問題は解決しないということは明らかなのは、昨年までの2年弱を見て明らかなのだと思います。私なりに大臣に就任をして、さまざまな課題について、詳細な情報をもとに、どうすれば物事が進むか、こういったことを省内的にも、またさまざまな専門家の方とも議論をしてきました。そして、関係閣僚会議等、今回の結論に至ったということであります。一番大切なことは福島の復興、そして事故の収束であり、それを進めるためにどのような役割分担が事業面、資金面で望ましいか、こういう観点から、今回の役割分担を決めさせていただいたと思っております。
 もちろん東電については、これからも国民負担が増加することがないように、それを極力抑制できるように、最大限の経営の合理化、そして最大限の経営効率の発揮に努めてほしいと考えております。

 

 

【国連南スーダンPKOでの物資協力】
Q: 昨日なのですけれども、南スーダンのPKOに関連して、韓国軍に弾薬の提供を行うということが行われました。武器輸出三原則ということもあって、それでかなり緊急性ということで、それとこれまでとは大分違う段階のことが行われたかと思うのですが、大臣としてどのように受け止めているかということと、あと武器の輸出ということになると、こちらの経済産業省も関連してくると思いますが、経済産業省としての対応がこれまでと何か変わるものがあるのかをお聞かせください。

 

A: 今回の対処でありますが、緊急性、そして人道性、更には例外的な措置であると考えております。避難民の生命、身体、そして韓国隊の隊員の同じように生命、身体を保護するために、一刻を争う緊急事態でありまして、国連からの要請を受けまして、緊急性、人道性が極めて高いと判断をいたしました。
 同時に、不足している弾薬と同じ型の弾薬を保有する部隊は日本隊のみであると、こういうことに鑑み、例外的な措置として、武器輸出三原則等の例外として、弾薬を無償譲渡することとしたものであります。
 経済産業省、内閣官房長官の談話で示されている方針に沿って、外為法に基づきます輸出管理を所管する立場から、引き続き適切に対処してまいりたいと考えております。

 

 

(以 上)