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茂木経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

平成26年5月16日(金)
9:09~9:21
於:記者会見室

(冒頭発言)

 

 おはようございます。

 私の方から簡単に二点御報告を申し上げます。

 

 

【2014年度夏季の電力需給対策】
 まず一つは、夏の電力需給対策についてでありますが、今朝の電力需給に関する検討会合におきまして、2014年度夏季の電力需給対策、決定をいたしました。この夏の電力需給の見通しについては、中部及び西日本全体において極めて厳しく、予備率は2.7%となり、電力の安定供給に最低限必要とされる予備率3%には24万キロワット不足する見込みであります。関西電力管内は1.8%、九州電力管内は1.3%と特に厳しい見込みであります。
 そこで、余力のあります東日本から60万キロワットの電力融通を行い、中部及び西日本全体の予備率は3.4%となりますが、東西を結びます周波数の変換装置の容量は120万キロワットであるために、仮に中部及び西日本で大規模な電源脱落が発生すれば、追加的な電力融通は残り60万キロワットということで、予断を許さない状況であります。
 以上を踏まえまして、2014年度夏季の電力需給対策として、以下を決定いたしました。
 まず、沖縄を除きます全国で数値目標を伴わない一般的な節電の協力を要請することに加えまして、中部及び西日本におきまして、昨年よりも厳しい電力需給状況が見込まれることを踏まえ、特に四点特段の対策を講じてまいります。
 一つは、中部及び西日本の電力各社に対しまして、予備力を積み増すことを要請いたします。特に電力需給が厳しい関西電力と九州電力に対してはFCを通じた電力融通に頼らずとも、予備率3%以上確保できるよう、合計で24万キロワット以上の予備力を積み増すことを要請いたします。
 二点目といたしまして、火力発電所の計画外停止を最大限回避するため、電力各社に対しまして、火力発電所の総点検を行うことを要請いたします。
 三点目として、自家発電設備の活用を図るため、中部及び西日本において設備の増強等を行う事業者に対して補助を行います。
 最後、四点目でありますが、中部及び西日本を中心として大規模な省エネ・節電キャンペーンを行います。具体的で分かりやすい節電メニューの周知、ディマンドリスポンスなどの取組促進、節電・省エネの診断事業の集中実施を行っていく予定であります。
 その上で、政府は猛暑によります需要の急増や発電所の計画外停止の状況等を不断に監視し、必要に応じて数値目標付きの制限協力要請を含みます、さらなる追加的な需給対策を検討していくことになります。
 国民の皆様、特に中部及び西日本の皆様には現下の電力事情に鑑み、節電・省エネルギー対策への御協力をお願い申し上げる次第であります。

 

 

【APEC貿易担当大臣会合】
 もう一点、出張の関係でありますが、国会の了承が得られましたら、明日、明後日、中国の青島で開催されますAPECの貿易担当大臣会合に出席したいと考えております。この会合では、本年11月に北京で行われますAPECの首脳会合に向けて、本年の成果の基本的方向性を閣僚級で議論、決定する重要な場でありまして、地域経済統合の進展、多角的貿易体制の支持、そして保護主義抑制などについて議論がなされる予定であります。最終的なFTAAPの実現に向けた進め方を議論するとともに、物だけではなくてサービス貿易の自由化、成長が期待されるアジア太平洋地域のインフラ開発・投資の促進に係る具体的な取組を促していきたいと考えております。
 アジア太平洋地域全体の経済成長の実現が、我が国の経済成長にとっても極めて重要となっております。これらのテーマは、いずれもその上でも欠かせないテーマであると考えておりまして、私自身出席できましたら積極的に議論に参画を行い、これらの課題解決の重要性、さらにその解決に向けて日本として大きな役割を果たしていくことを訴えていきたいと考えております。
 私の方からは、以上です。

 

 

(質疑応答)

【TPP交渉】
Q: 幹事社からTPP交渉についてお伺いします。ベトナムのホーチミンで開かれていた交渉、参加12カ国による首席交渉官会合の日程が終りまして、19日からはシンガポールで閣僚会合も予定されておりますが、両会合での大筋合意、19日からの閣僚会合で大筋合意や大枠合意は可能でしょうか。

 

A: 先ほど閣議後にTPPに関する主要閣僚会議を開催いたしまして、今週の首席交渉官会合の結果や来週のシンガポールの閣僚会合について議論を行ったところであります。先般の日米協議で生まれました大きなモメンタムを生かして、現在日米がリーダーシップを発揮して、全てのTPP交渉参加国との交渉、加速をしているところであります。
 来週のシンガポール閣僚会合では、首席交渉官会合の成果を踏まえて、閣僚級で政治的な課題も残っておりますので、その解決を促進し、交渉の早期妥結に向け、意味のある成果が上がることを期待したいと思っております。
 交渉でありますから、まさに甘利大臣、現地に乗り込んで、どこまでの進展があるか、これは来週見きわめなければいけないと思っております。

 

 

【原発再稼働】
Q: 最初に言われた電力需給との関連なんですが、原発の再稼働に関連して、原子力規制委員会の方もカバーしておりまして、先日関西経済連合会と九州経済連合会、合同で規制庁に、ここで今言ったようなこと、地域経済に大きな打撃を与える、電力が。大変危機感をあらわにしてストレートに要望されています。
 こちらのほうでも、松島副大臣が対応されたと思うんですけれども、こういう状況を踏まえて、地域経済の実情というのは非常に厳しいというのは皆さん強調されておりました。
 一方では、再稼働について慎重にという国民の世論もある。
 改めまして、大臣、そういうような強い働きがあることに関して、御所見があればお伺いしたいんですけれども。

 

A: 原発の再稼働をめぐってはさまざまな国民の間でも御意見もあり、また経済界や事業者も、さまざまな意見、要望を持っているということは十分承知をいたしております。
 個々の要望についてのコメントは差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げれば、原発の安全性の向上の観点から、適切に審査が進められることは重要であると考えております。

 

 

【ビットコイン】
Q: ビットコインについてなんですが、一部の報道で新たな立法や法制化は、法改正はしないものの、交換所を届け出制にして経済産業省が中心になって監視を強化していくというような報道があったのですが、事実確認はどのようですか。

 

A: そのような内容が政府内で決定されたという事実はございません。ビットコインについては御案内のとおり匿名性が高いために、マネーローンダリング等に利用されているといった問題も指摘されておりまして、国際的な動向も含め、関係省庁においてまず実態を把握し、対応、検討していくものだと考えております。
 マウントゴックスの破綻の原因として、もう一点、情報セキュリティの脆弱性も指摘をされているわけでありまして、経済産業省としては情報技術セキュリティ対策の観点から、必要な対応に取り組んでまいりたいと考えております。

 

 

【2014年度夏季の電力需給対策】
Q: 電力需給についてですが、西日本、中西日本を中心に厳しい電力需給が予想される中で、今回数値目標を盛り込まない決定した理由というのは、産業界への影響を考慮されているのか、何か理由があれば教えていただきたいんですけれども。

 

A: 今回数値目標は伴わないものの、これまで以上の対策というのを事業者等に求めたところでありまして、先ほど申し上げましたが、中部、そして西日本全体での予備率、東西の変換を行わなければ2.7%、予備率3%には24万キロワット不足をするということで、まずは電力需給が高まる夏までに、関西電力と九州電力に対して、この24万キロワット以上の予備力の積み増しを要請することにしたところであります。
 その後、こういった動向や、この夏どのような猛暑になっているか、こういったことも見きわめた上で、数値目標も含めて、さらなる対策が必要かどうか慎重に見極めていきたいと思っております。

 

 

(以 上)