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茂木経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

平成26年8月1日(金)
10:38~10:52
於:記者会見室

(冒頭発言)

 

 私の方から2点、まず人事の関係でありますけれども、総合資源エネルギー調査会の会長につきまして、三村明夫日本商工会議所会頭が辞任をされまして、昨日調査会委員によります互選を経て、坂根正弘コマツ相談役が会長に就任しました。
 三村前会長におかれては、平成19年の3月から7年5カ月にわたって調査会長を務めていただき、総合資源エネルギー調査会基本政策分科会において、この4月のエネルギー基本計画のたたき台となりますエネルギー基本計画に対する意見を取りまとめていただくなど、さまざまな御活躍、御尽力をいただいたところであります。
 坂根新会長はコマツの社長、会長、そして経団連副会長などの要職を務め、また現在も政府の産業競争力会議の議員として、我が国経済の発展について御尽力をされる中で、エネルギー分野についても、積極的に御発言をされるなど、エネルギーと製造業の関係にとどまらず、我が国エネルギー政策のあり方について、幅広い、また深い見識を有しておられる方と承知をいたしております。
 今後、会長としてリーダーシップをいかんなく発揮していただくものと期待をいたしております。
 もう1点、この夏の節電の関係でありますけれども、いよいよ今日から8月ということでありますが、この夏の気温、全国的に「平均並みか高い」見込みとなっておりまして、今日初めてパネルを用意させていただいたのですが、このパネル1のように、この黒いラインが去年のラインです。8月のお盆過ぎぐらいにピークを迎えるということでありますけれども、今年もこの後需要が大幅に伸びていくことが予想されるわけであります。
 一方、供給面を見ますと、全国の火力発電のうち2割が老朽火力でありまして、また火力をフル稼働させる中で、中部以外の電力6社におきまして、計画外停止中の発電施設の規模は昨年の同時期の2倍となっております。昨年末にトラブルが発生した松浦火力発電所の2号機の復旧等によります供給力回復も見込まれておりますが、例年需要のピークはこの8月のお盆前後の1週間に集中をしてくるということでありまして、今後も厳しい需給状況が続くことが予想されることから、しっかりとした節電に対する取組を継続、強化していく必要があると考えております。
 政府では、この5月に夏季の電力需給対策を決定するとともに、7月1日の節電期間開始以降、電力会社等々と連携をしながら、新聞広告、イベント等を通じて、国民に節電への御協力を呼びかけてきたところであります。
 今般、これらの取組に加えまして、例年の需要のピークとなる8月を迎え、追加的な取組を実施したいと考えておりますので、皆様の更なる御協力をお願いしたいと思っています。
 大きくポイントが三つございまして、まず一つは家庭の節電を企業に応援をしてもらうということでありまして、企業が家庭の節電を応援するための仕組み、これを8月から開始をしたいと思っております。
 その一つがショッピングセンター等におきまして、昼の時間にタイムセールスを実施してもらいまして、家の中ではなくて、屋外に出て、共有のスペースで涼んでいただくという形をとることによりまして、外出を促して、家庭での省エネに役立てていただきたいと考えております。
 そして、もう一つ家電メーカーの関係でありますが、家電メーカーには節電に取り組む消費者の方々にテレビ、エアコン、冷蔵庫といった省エネ家電などを抽選でプレゼントをする企画を実施してもらうという予定をいたしております。
 詳しくはホームページをごらんいただければと思っておりますけれども、これらの取り組みについては、既に35社から賛同を得られておりまして、またこういった会社を募っていきたいと考えておりますが、ホームページで随時情報を提供していきたいと考えております。
 そして、二つ目のポイントでありますが、この需要逼迫時のお知らせを携帯電話、スマホで登録をしていただくということでありまして、万が一に逼迫が予想される、想定される場合には、停電回避のために、あらかじめ電力需給逼迫警報を発令いたしまして、更なる節電をお願いさせていただく予定でありますが、対応の迅速化を図りますために、携帯電話、そしてスマホ、これで受け取るサービスといったものがありますので、国民の皆さんにはぜひこちらへのまず登録ということもお願いできればと思っております。
 また、節電の呼びかけにつきましては、今後新聞広告を加え、九州、近畿地方を中心としたイベントや街頭における呼びかけといったものも強化してまいりたいと考えております。
 そして、最後に家庭でのピーク時の節電のお願いということでありまして、家庭におきまして、夏の期間、午後の1時から4時、この時間が電力消費のピークになってくるということでありまして、できるだけこの時間の省エネに努めていただきたい。例えば、エアコンではなく扇風機を使っていただく、またエアコンの温度につきましては、28度に設定していただくと、これで10%から50%の節電が期待できます。
 また、不要な照明は消していただき、更に洗濯機とか食洗機の使用につきましては、昼の1時から4時ではなくて、朝の時間とか夕方以降の時間にできる限りやっていただく、こういったことよりまして、ピーク時の節電というものが図られると考えているところであります。
 もちろん熱中症等には十分御注意をいただいて、無理のない節電というものを国民の皆さんにお願いできればと考えております。
 私の方から以上です。

 

 

(質疑応答)
【北海道電力電気料金再値上げ】
Q: 1点、北海道電力の電気料金の再値上げの申請に関してお聞きしたいと思います。
 昨日、東日本大震災以後、電力会社としては初めて2度目の値上げの申請がありました。その受け止めと家庭向きでは17%ということで、かなり高い値上げ率になっています。重い負担を強いるものだと思うのですけれども、大臣はこれまでも申請があった場合は厳正に審査したいというようなことをおっしゃっていらっしゃいましたが、改めて申請を受けて、どのような姿勢で対応されるのかということをお考えをお聞かせください。

 

A: 昨日、北電の方から申請があったわけでありまして、今後、電気料金審査専門小委員会を開催して、専門家によります調査を行っていくとともに、また北海道におきましても、公聴会の開催をしたいと考えております。
 今回の申請は、一つには前回認定をした際に経営効率化を図るということで、さまざまな要請をさせていただいて、きちんとそういう要請が行われ、最大限の経営の効率化が図られているかということもきちんと見なければなりません。
 そして、今回の変更の前提が適正なものであるかどうかということも、審査をしなければいけないと、そういったものを含めまして、電気事業法に基づいて厳正に審査していきたいと考えております。

 

 

【東電旧経営陣に対する検察審査会の議決】
Q: 昨日、検察審査会が刑事告発があった東京電力の勝俣元会長ほか3名に対して、起訴相当という発表をされました。これについて、司法判断なので、直接コメントをいただくことは難しいと思いますが、それに関連して、この根底にある地震、津波というのが想定外であったということ、それから経営優先とされたそういういろいろな対応に対しては、国民から全く刑事責任が問われないことはいかがなものかという疑問の声なども出ております。
 そういったことに対して、改めまして、経産大臣としてはどのようにお考えでございましょうか。

 

A: いろいろ角度を変えて、工夫をされて御質問されたということはわかりますが、今質問の中でおっしゃられた点も、刑事告訴、告発にかかわる内容でありますので、コメントは差し控えさせていただきます。

 

 

【WTO貿易円滑化協定】
Q: WTOについてお伺いしたいのですが、去年の12月に各国が合意した貿易円滑化の協定の採択期限が7月中ということですから、インドなど、一部の国によって反対があったことによって採択ができなかったと思いますが、この受け止めとせっかく合意した内容がこうして一部の国の反対によって不透明になるということについて、WTOの存在意義が問われかねないような事態が続いていますけれども、今後の見通しについてお伺いします。

 

A: 極めて残念な結果だと思っております。バリ合意がなければポストバリはないということであります。ごく一部の加盟国がバリ合意を蒸し返す動きをしたことによりまして、WTO貿易円滑化協定が、全員で合意をした先月末までに採択すると、この目標を達成できなかったということは、極めて残念でありますし、現在インドを訪問中の赤羽副大臣が昨日インドの担当大臣に対して、再考を強く求めましたが、受け入れられなかったことは極めて残念だと考えております。
 これはバリ合意の実施におくれを生じさせるだけではなくて、マルチの通商交渉の信認にもかかわる大きな問題であると考えております。WTOは引き続き多角的貿易体制の要でありますから、我が国としては、今後の対応につき、引き続き主要国と連携して、しっかりと対応していきたいと思っております。

 

 

【2国間クレジット】
Q: 最近また日本の推進する2国間クレジットで、新たにメキシコと合意がなされましたけれども、2国間クレジット、改めてこれからどういうふうに推し進めていきたいかということについて、大臣の御所見をお伺いしたいのですが。

 

A: 世界全体としてCO2の削減の問題に取り組んでいくことは極めて重要な課題であります。それぞれが得意な技術であったりとか、おかれている状況、課題というのが違っています。そういった中で、2国間、多国間を含めて、全体としてCO2が減らせるような取組は推進していくことが必要であると考えております。

 

 

(以 上)